20世紀の復刊
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「ヴァニティ・フェア」の記事における「20世紀の復刊」の解説
サミュエル・アーヴィング・ニューハウス・ジュニアの所有下にあったコンデナスト・パブリケーションズは、1981年6月、『ヴァニティ・フェア』を復刊させることを発表した。復刊号は1983年2月発売の3月号となり、初代編集長は『ニューヨーク・タイムズ・ブックレビュー』の元編集者のリチャード・ロック(英語版)が務めた。3号発行した後、編集長は『ヴォーグ』のベテラン特集編集者であるレオ・ラーマン(英語版)に交代した。その後、ティナ・ブラウン(英語版)(1984年 - 1992年)、グレイドン・カーター(英語版)(1992年 - 2017年)、ラディカ・ジョーンズ(英語版)(2017年 - )が編集長を務めた。レギュラーライターやコラムニストには、ドミニク・ダン(英語版)、セバスチャン・ユンガー(英語版)、マイケル・ウォルフ、モーリーン・オーズ(英語版)、クリストファー・ヒッチェンズなどが名を連ねている。また、ブルース・ウェーバー、アニー・リーボヴィッツ、マリオ・テスティーノ、ハーブ・リッツなどの有名な写真家が、セレブリティの豪華な表紙やフルページのポートレートを雑誌に提供してきた。その中でも特に有名なのは、1991年8月号の表紙に使われた、妊娠中の裸のデミ・ムーアをリーボヴィッツが撮影した、『モア・デミ・ムーア(英語版)』と題された写真であり、掲載当時物議を醸した。 物議を醸した写真だけでなく、この雑誌は様々なトピックに関する記事も掲載している。1996年には、ジャーナリストのマリー・ブレナー(英語版)がタバコ業界についての暴露記事The Man Who Knew Too Much(知りすぎた男)を執筆した。後に、この記事を原作とするアル・パチーノとラッセル・クロウ主演の1999年の映画『インサイダー』が制作された。最も有名なのは、1974年のウォーターゲート事件の情報源の一人である「ディープ・スロート」の正体が当時のFBI副長官マーク・フェルトであったことを、30年後の2005年5月号の記事で明らかにしたことである。この雑誌はまた、毎月のプルースト・アンケート(英語版)など、著名人へのインタビュー記事も掲載している。これまでに、幼少期に性的虐待を受けていたことを初めて明かしたテリー・ハッチャー、ジェニファー・アニストンへのブラッド・ピットとの離婚後初のインタビュー、弟の死について語ったアンダーソン・クーパー、マーサ・スチュワートの出所後初のインタビューなどが話題を呼んだ。 『ヴァニティ・フェア』に掲載された写真の中には、批判を集めたものもある。1999年4月号には、デビッド・ラシャペルの撮影による俳優マイク・マイヤーズがヒンドゥー教の神々に扮した写真が掲載された。批判を受けて、編集部とラシャペルは謝罪した。 ジャーナリストのトビー・ヤング(英語版)の著書How to Lose Friends & Alienate Peopleは、ヤングが『ヴァニティ・フェア』でグレイドン・カーター編集長の下で働きながら、ニューヨークでの成功を模索していた時のことを題材としている。この本は2008年に映画化され、カーターの役をジェフ・ブリッジスが演じた。 2008年4月25日、15歳のマイリー・サイラスが『ヴァニティ・フェア』の写真撮影でトップレスのポーズをとっていたと、テレビの情報番組『エンターテイメント・トゥナイト』で報じられた。この写真とその後公開された舞台裏の写真には、サイラスがトップスなしで背中を露出し、シーツで前身頃を覆っている姿が写っている。撮影はアニー・リーボヴィッツが担当した。写真の全貌は、2008年4月27日に『ニューヨーク・タイムズ』紙のウェブサイトに掲載された。4月29日、『ニューヨーク・タイムズ』紙は、写真ではサイラスが裸であるように見えるが、実際にはシーツに包まれておりトップレスではなかったと報じた。ディズニーの広報担当者は「雑誌を売るために15歳の少女を意図的に操って作成された状況」と表現した。写真のインターネット上での流通とそれに伴うメディアの注目を受けて、マイリー・サイラスは4月27日に次の謝罪声明を発表した。「私は『芸術的』であるはずの写真撮影に参加したのですが、写真を見て、記事を読んだ今、とても恥ずかしい気持ちになりました。こんなことになるなんて意図していなかったし、深く気にかけてくれているファンの皆さんに謝罪します。」 2013年、コンデナスト・エンターテインメント(英語版)は、ディスカバリー・コミュニケーションズ傘下のケーブルテレビチャンネル「インベスティゲーション・ディスカバリー(英語版)」と契約を結び、『ヴァニティ・フェア』に掲載されたストーリーを基にしたドキュメンタリーシリーズ「Vanity Fair Confidential」を制作した。 2014年1月、『ヴァニティ・フェア』2月号に掲載された、映画『それでも夜は明ける』の役で知られる女優ルピタ・ニョンゴの写真の見た目を変えたという疑惑で「炎上」した。同誌がツイートに添付した写真に対し、ファンが顔の色が変えられていると非難したことから炎上が始まった。ただし、意図的に肌を明るくしたのではなく、単に明るい照明のせいだと考える人もいる。ニョンゴ自身はこの写真に満足しており、自分自身に何の害もないとして、『ヴァニティ・フェア』や写真家の責任を問わなかった。この事件の少し前、1936年に旧『ヴァニティ・フェア』を買収した『ヴォーグ』誌が、女優レナ・ダナムの写真を改変したとして告発されていた。ダナムは、改変された写真は不快なものだと考えた。 『ヴァニティ・フェア』は2016年6月、ビジネス、政治、テクノロジーについてのニュースサイト「ザ・ハイブ」(The Hive)を立ち上げた。 2017年11月、2017年12月11日付でカーターが編集長を退任し、後任として『ニューヨーク・タイムズ』の書籍部門の編集長を務めていたラディカ・ジョーンズ(英語版)が編集長に就任することが発表された。
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