1990年代から現在に至るまで
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「デイヴ・リーブマン」の記事における「1990年代から現在に至るまで」の解説
23年間、(ギタリストのヴィック・ジュリスを前面に出した)デイヴ・リーブマン・グループで活動した後、リーブマンは、「エクスパンションズ」を結成し、ベーシストのトニー・マリアーノ、ピアニストのボビー・アヴェイ、マット・ヴァシュリシャンをリードに、そしてアレックス・リッツをドラムに配している。これまで、リーブマンはたびたびヨーロッパの最高クラスのジャズ・ミュージシャンと共演してきた。ヨアヒム・キューン、ダニエル・ユメール、パオロ・フレス、ジョン・クリステンセン、ボボ・ステンソンなどである。ワールド・ヴュー・トリオではオーストリア人ドラマーのウォルフガング・レイゼンガーとフランス人ベーシストのジャン・ポール・セレアと共演している。リーブマンは様々なスタイルで演奏する能力を持っており、その結果、ブリュッセル・ジャズ・オーケストラとのラジオ番組でのビッグ・バンド・スタイルでの共演、ドイツでの西ドイツ放送、北ドイツ放送への出演、オランダでのメトロポール・オーケストラとの共演、現代音楽集団であるクラングフォラム・ウィーンとの共演につながった。そして中でも特に、ピエール・ブーレーズによって創立されたフランスの世界的に有名なアンサンブル・アンテルコンタンポランと共演したのだが、同オーケストラと即興演奏によって共演したのはリーブマンが世界初であった。こうした共演ではすべて、リーブマンの作曲した曲と即興演奏を編曲したものが演奏に使用された。リーブマンは、1973年以降、ソプラノ・サックスの部門と、時にはフルートの部門において、『ダウンビート』誌の批評家投票と読者投票で、絶えず最後の決勝争いに勝ち残ってきた。リーブマンは数百曲の録音に参加しているが、そのうち百曲を越える曲ではリーダーもしくは共同リーダーを務めている。自分の曲は300曲近くを録音している。リーブマンの芸術的創造活動は正統な古典的ジャズから室内楽に至るまで、フュージョンから前衛音楽に至るまで幅広いものとなっている。多数のCDで、セロニアス・モンク、マイルス・デイヴィス、ジョン・コルトレーン、クルト・ヴァイル、アレック・ワイルダー、コール・ポーター、ジョビン、プッチーニ、ビートルズといった人達の音楽に独自な編曲を施した作品を聞くことができる。 リーブマンは、教育用DVDを始めとする様々な種類の題材の教材を出版してきた。また、室内楽の楽譜も出版しているほか、『Saxophone Journal』『International Association of Jazz Educators Journal』をはじめとするさまざまな定期刊行物に寄稿することで何年にもわたって貢献してきた。何冊かの画期的な書籍 : 『Self Portrait of a Jazz Artist』『Jazz Connections: Miles Davis and David Liebman』『A Chromatic Approach to Jazz Harmony and Melody』『Developing a Personal Saxophone Sound』の著者でもある。こうした著作の何点かは、英語以外の言葉に既に翻訳されている。 大学や短期特別講座での教育活動のため、リーブマンは世界中を飛び回ってきた。彼自身がいくつもの方向にその音楽的才能を発展させていること、また、いくつかの楽器の専門的技術に優れていたからである。もちろん、ジャズの語法や美学、技術といったものが持っている複雑さを明確に説明することができるリーブマンの能力があるからこそなのだが。 何年にもわたってリーブマンは、アメリカNEAやカナダ芸術協会、ヨーロッパのいろいろな国の芸術協会からの定期的な奨学金の支給を受けてきた。1989年に、リーブマンは「国際ジャズ学校連盟」を設立した。この組織は、国際的なジャズの教育機関にたずさわっている教師達と学生達、こうした人達の交流を、定期的な会合、交換プログラム、会報などを通じて促進することを目的としている。リーブマンは現在、この国際ジャズ学校連盟の芸術監督を務めている。リーブマンは、1990年代初期に、オランダのジャズ・イー・エックス・バレエ・カンパニーのために曲を作っている。また2006年のカトリーナと津波の犠牲者のためには「Ocean of Light」という曲を作っている。 現在、マンハッタン音楽学校の常駐アーティストとして活動している。2014年から2015年にかけては、トロント大学の出張アーティストとしても活動する予定である。 リーブマンと音楽学者のルイス・ポーターは、チームを作り、『What It Is: The Life of a Jazz Artist』というリーブマンの伝記を完成させた。2012年3月に発売されたが、この本はジャズ評論家達から高い評価を得た。
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