18世紀のその他の動向
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 07:19 UTC 版)
「女性アーティスト」の記事における「18世紀のその他の動向」の解説
ローザ・ボヌール、「馬の市」、1853–1855, メトロポリタン美術館、 ニューヨーク エリザベス・トンプソン、「軍の生き残り」、1879年、テート・ギャラリー。トンプソンは軍隊画を専門とした。 マリー・エーレンリーダー、「画家としての自画像」、1819年 エドモニア・ルイス、「クレオパトラの死」、大理石、1876年、スミソニアン・アメリカ美術館 メアリー・カサット、「お茶」、1880年、カンバスに油彩、ボストン美術館 マリ・バシュキルツェフ、「スタジオにて」、1881年、カンバスに油彩、ドニプロペトロウシク州立美術館 シュザンヌ・ヴァラドン、自画像、1883年 ベルト・モリゾ、「赤いエプロンの子ども」、1886年、スミソニアン・アメリカ美術館 オルガ・ボズナンスカ、「菊と少女」、1894年、クラクフ国立美術館 ケイト・グリーナウェイの絵本『昔風のアルファベットブック』(1886) マリー・エーレンリーダーやマリー=ドニーズ・ヴィリエは19世紀の初めに肖像画の分野で活躍し、フランスの写実主義画家、彫刻家ローザ・ボヌールは写実的な絵画・彫刻を制作した。アメリカのアカデミーに所属していたエリザベス・ジェーン・ガードナーは、パリのサロンで最初に作品を展示したアメリカ人女性画家である。1872年にガードナーはサロンで金メダルを獲得した最初の女性になった。オルガ・ボズナンスカはポーランドの女性芸術家の中で最もよく知られており、スタイルとしてはフランス印象派に近い。 ラファエル前派の女性画家としては、バーバラ・ボディション、エリナー・フォーテスキュー=ブリックデイル、ケイト・バンス、イーヴリン・ド・モーガン、エマ・サンディーズ、エリザベス・シダル、マリー・スパルタリ・スティルマン、マリア・ザンバコなどがいる。 19世紀の間、ヨーロッパや北アメリカにおいてアカデミーや公的な芸術教育がより女性に対して門戸を開くようになった。のちにロイヤル・カレッジ・オブ・アートとなる英国政府デザイン学校は1837年の創立から女性を受け入れていたが、いくぶん扱いの異なる「女子部」のみの受け入れで、「実物を描く」クラスでは鎧を着た男性を数年描いていたという。ロイヤル・アカデミー・スクールは1861年にようやく女性を受け入れたが、最初は女学生にドレープを着たモデルだけを描かせていた。しかしながらスレイド・スクールのようなロンドンの他の学校は、1870年代頃からもっとリベラルになっていった。19世紀末には、西ヨーロッパや北アメリカの都市部で、女性はヌードやほぼヌードに近い人物を描けるようになった。 女性芸術家協会が1855年にロンドンで設立され、1857年から毎年展示会を実施した。初回は149名の女性による358作品が展示され、偽名で出展する者もいた。 ジュリア・マーガレット・カメロンやガートルード・ケーゼビアは新しいメディアである写真の分野でよく知られるようになった。写真の世界には伝統的な制約がなく、訓練手法も確立されていなかったので、女性の参加を押しとどめる障壁がなかったのである。 エリザベス・トンプソン(レディ・バトラー)はおそらく政府デザイン学校の鎧を着た人物を描く実物クラスに触発され、大きな歴史画で名を上げた最初の女性画家となった。トンプソンは多数の馬がいるような軍事行動の場面を専門とした。最も有名なのはワーテルローの戦いでの騎兵隊突撃を描いた「スコットランドよ永遠に!」である。 ベルト・モリゾとアメリカ合衆国出身のメアリー・カサットやルーシー・ベーコンは1860年代から70年代にかけてフランス印象派の運動に関わった。アメリカの印象派画家リリア・キャボット・ペリーは19世紀末にモネとの交流や日本美術から影響を受けた。セシリア・ボーはアメリカの肖像画家で、やはりフランスで学んだ。 19世紀後半、アフリカ系アメリカ人、オジブワ、ハイチ系アメリカ人の血をひくニューヨークの芸術家であるエドモニア・ルイスがオーバリン大学で芸術教育を受け始めた。ルイスの彫刻家としてのキャリアは1863年に始まった。イタリアのローマにスタジオを設置し、大理石の彫刻をヨーロッパとアメリカ合衆国で展示した。 1894年にシュザンヌ・ヴァラドンはフランスで国民美術協会に入った最初の女性となった。ポスト印象派に属するカナダの画家ローラ・ムンツ・ライアルは1893年にシカゴ万国博覧会に絵を出品し、1894年にパリのフランス芸術家協会に出展した。
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