13隻のフリゲート艦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/31 06:10 UTC 版)
12月13日には大陸会議が艦隊にフリゲート艦を13隻追加することを承認した。これらは商船の改装ではなく戦闘艦として造られることになった。5隻(ハンコック、ローリー、ランドルフ、ウォーレン、ワシントン)は搭載大砲数32門、5隻(エフィンガム、モンゴメリー、プロビデンス、トランブル、バージニア)は28門、残り3隻(ボストン、コングレス、デラウェア)24門とされた。進水した8隻のフリゲート艦は、すべて戦争中に捕獲されるか沈められた。 ワシントン、エフィンガム、コングレスおよびモンゴメリーは海上に出る前にイギリス軍による捕獲を避けるために、1777年10月と11月に沈船または焼却された。ジェイムズ・ニコルソン大佐が指揮したバージニアはチェサピーク湾の封鎖を何度も通り抜けようとしたが失敗した。1778年3月31日、最後の試みの時に、船長が陸に上がったハンプトン・ローズ近くで座礁した。それから直ぐにイギリス艦HMSエメラルドとコンカラーが現場に現れ、バージニアを降伏させた。 大陸海軍の重要な任務はアメリカの商船を保護し、イギリスの商船を襲いイギリス軍への補給を妨害することだった。成果の多くは通商破壊に対する褒章として記録されており、当時の習慣として得られたものは軍船の士官や船員に分け与えられた。 8隻のフリゲート艦の多くは捕獲される前に多くの褒章を得、半ば成功と言える航海を行ったが、例外もあった。1776年9月27日、ワシントン軍を追跡するイギリス軍に対してデラウェア(en:USS Delaware (1776))がデラウェア川で遅延作戦に参加していた。干潮になってデラウェアは座礁し、イギリス軍に捕獲された。 ウォーレンはその完工から間もなくロードアイランドのプロビデンスで封鎖され、1778年3月8日まですり抜けることができなかった。ジョン・バローズ・ホプキンス大佐の指揮でうまく出港できた後、ダドリー・ソルトンストール大佐の指揮でペノブスコット遠征に参加し、1779年8月15日、そこでイギリス艦に包囲されたので、捕獲を免れるために放火された。 ジョン・マンレーが船長を務めたハンコック(en:USS Hancock (1776))は、2隻の商船とともにイギリス海軍のフリゲート艦フォックス(en:HMS Fox (1773))を捕獲した。しかし、その後の1777年7月8日、ハンコックはイギリス追跡戦隊のレインボーに捕獲され、イギリス艦アイリスになった。 ランドルフ(en:USS Randolph (1776))は、初期の航海で5回褒章を獲ち得た。1778年3月7日、ランドルフが商船隊を護衛しているときにイギリス海軍のヤーマス(大砲数64、en:HMS Yarmouth (1748))が襲ってきた。ランドルフはニコラス・ビドルが指揮しており、商船隊を守るために、はるかに優勢な敵船に戦いを挑んだ。激しい戦闘が続き両船ともひどく損傷を受けたが、ランドルフの火薬庫が爆発して船体が砕け散り、4人を残して乗員全ても死んだ。爆発の際に飛び散った破片で、ヤーマスの方も損傷が激しくもはやアメリカ商船を追撃することができなくなった。 ジョン・バリー大佐が指揮したローリー(en:USS Raleigh (1776))は、3度褒章を得た後、1778年9月27日の戦闘中に座礁した。船員達が船を自沈させたが、後にイギリス海軍によって引き揚げられクラウンと命名されて再使用された。 ヘクター・マクニール大佐とサミュエル・タッカーが指揮したボストンは、初期の航海で17回褒章を獲得し、1778年2月と3月にジョン・アダムズをフランスまで運んだ。1780年5月12日サウスカロライナのチャールストンが陥落したときにプロビデンス(エイブラハム・ホイップル大佐の指揮で14回褒章を得ていた)と共に捕獲された。 大陸海軍の活動に最後期まで就役していたのは、トランブル(en:USS Trumbull (1776))だった。1779年9月になってジェイムズ・ニコルソン指揮で出港したトランブルは、他国商船拿捕免許状を持ったワットに対する血腥い戦闘で賞賛された。1781年8月28日、トランブルはイギリス海軍のアイリスとジェネラルモンクに遭遇し戦闘後に降伏を強いられた。皮肉なことにアイリスは以前の大陸海軍のフリゲート艦で捕獲されたハンコックであり、ジェネラルモンクは同じくジェネラルワシントンだった(ジェネラルワシントンは1782年にアメリカ側に取り返され、大陸海軍で働いた)。
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