おうごん‐りつ〔ワウゴン‐〕【黄金律】
黄金律
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/12 22:35 UTC 版)
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黄金律(おうごんりつ、英: Golden Rule)は、多くの宗教、道徳や哲学で見出される「他人から自分にしてもらいたいと思うような行為を人に対してせよ」という内容の倫理学的言明である。通例、イエス・キリストの山上の垂訓の一節「何事でも人々からしてほしいと望むことは、人々にもそのとおりにせよ」[1]をさす。黄金律という言葉は実際には聖書に載っていない。
また、黄金律の派生として、白銀律(英: Silver Rule、「自分がされたくないことを人にしてはいけない」)や白金律(英: Platinum Rule、「人があなたからしてもらいたいと思っていることを人にしなさい」。気配り、気遣い)といったものがある[2]。黄金律以外の派生系の方は、マゾヒストや自爆犯、人による感覚の違いなどを想定して、黄金律が行き詰まる場合の先手を打って考えられたものである[2]。
例
- イエス・キリスト
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人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい
(『マタイによる福音書』7章12節,『ルカによる福音書』6章31節) - 孔子
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己の欲せざるところ、他に施すことなかれ
(『論語』巻第八衛霊公第十五 二十四) - ユダヤ教
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あなたにとって好ましくないことをあなたの隣人に対してするな。
(ダビデの末裔を称したファリサイ派のラビ、ヒルレルの言葉)、自分が嫌なことは、ほかのだれにもしてはならない
(『トビト記』4章15節) - ヒンドゥー教
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人が他人からしてもらいたくないと思ういかなることも他人にしてはいけない
(『マハーバーラタ』5:15:17) - イスラム教
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自分が人から危害を受けたくなければ、誰にも危害を加えないことである。
(ムハンマドの遺言) - 文学者
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戯曲家のジョージ・バーナード・ショーは
黄金律というのはないというのが黄金律だ
"the golden rule is that there are no golden rules".といい、別の人にしてもらいたいと思うことは人にしてはならない。人の好みというのは同じではないからである
"Do not do unto others as you would that they should do unto you. Their tastes may not be the same" (Maxims for Revolutionists; 1903). という言葉を残している。
科学における黄金律
公平感と黄金律が神経的基盤を持つことを示唆する研究がある[要出典]。また互恵的利他主義とゲーム理論は黄金律がどのようにして進化しうるかを説明する。
脚注
- ^ “黄金律 マタイによる福音書・七”. コトバンク. 2024年8月15日閲覧。
- ^ a b スティーブン・ピンカー 著、橘明美,坂田雪子 訳『21世紀の啓蒙 下:理性、科学、ヒューマニズム、進歩』草思社、2019年、341-342頁。ISBN 978-4794224224。
関連項目
外部リンク
- 主な宗教に共通する価値観 - ウェイバックマシン(2007年11月29日アーカイブ分)(リンク切れ)
- 日本キリスト教団 佐世保教会 - ウェイバックマシン(2004年7月6日アーカイブ分)
黄金律
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 04:38 UTC 版)
均斉成長(黄金時代)は成長率が一定であるというだけで、それ自体が望ましいというわけではない。一方、フェルプスは、黄金時代(ゴールデン・エイジ)で望ましいルールを黄金律(ゴールデン・ルール)とよんだ。黄金律は消費を最大化する黄金時代(均斉成長)と定義される。 黄金律で最大化されるのは消費であって、生産や所得が最大化されるわけではない。政策評価や経済分析の実務では国内総生産や国民所得で豊かさを測るが、経済理論では消費で豊かさを評価する。 黄金律の定理によると、資本収益率(利子率)が成長率に等しくなる均斉成長が存在する場合、その均斉成長が消費を最大化する黄金律である。この定理を言葉で説明すると次のとおりである。資本を増やしたうえで成長率一定の均斉成長をたもつと、資本が増えたことで生産が増えて消費が増えるが、その一方で、均斉成長をたもつには資本への再投資を増やさないといけないので、その再投資の分だけ消費が減ってしまう。すると、増産で消費の増える分と、再投資で消費の減る分とがバランスするところがあれば、そこで消費が最大化される。そして、資本の増えた分に資本収益率をかけた分だけ生産が増え、また、資本の増えた分に成長率をかけた分だけ再投資しないと均斉成長をたもてないことがわかっている。これらを考えあわせると、資本収益率と成長率がバランスするところが、増産で消費の増える分と再投資で消費の減る分がバランスするところであり、そこが消費を最大化する黄金律である。つまり資本収益率と成長率が等しくなるところが黄金律である。以上について数式をもちいた説明は黄金律の定理の節を参照。 黄金律のアイデアは1947年にモーリス・アレがフランス語で著した本にさかのぼるといわれるが、黄金律の名で広く知られるようになったは、1961年にフェルプスが寓話のかたちのペーパーをアメリカン・エコノミック・レビュー誌で発表してからである。その後フェルプスは1965年に同誌で第二論文を発表し、1966年に著書『経済成長の黄金律』を刊行した。この間、黄金律と同様のアイデアは、モーリス・アレやジョーン・ロビンソン、トレイヴァー・スワン(英語版)、カール・クリスティアン・フォン・ヴァイツゼッカー(ドイツ語版)、ジャック・デルソー(フランス語版)によっても発表された。 2006年フェルプスがノーベル経済学賞を受賞した際、フェルプスの業績の一つに黄金律に関する研究が挙げられた。
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