修正黄金律
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 04:38 UTC 版)
もともと最適成長モデルは望ましい経済成長をえらぶためのものであったが、今はこれを市場経済のカリカチュアに使いまわす。これを新古典派成長モデルとか標準的新古典派モデル、あるいはラムゼイ・モデルという。 新古典派成長モデルは、均斉成長で利子率が成長率を上まわり、消費が黄金律より少なくなる。新古典派成長モデルが黄金律に達しないことを修正黄金律ということがある。また、均斉成長の利子率を決定する数式を修正黄金律ということがある。これを変形黄金則と訳すこともある。 新古典派成長モデルが黄金律に達しないわけは、黄金律に達するようにすると家計効用が無限大になってしまって都合がわるいからである。このことを言葉で説明すると、最適成長モデルのときの説明をほぼ繰りかえすことになるが、次のとおりである。新古典派成長モデルでは、永久に存続する家計が無限の未来を見とおして、日々の消費を数値で評価して、これを無限の未来まで積みあげて家計効用を計算し、その家計効用を最大にするように消費行動をえらぶ。日々の消費を評価するにあたっては、未来を先にゆけばゆくほど日々の消費を割り引いて評価する。これは、目先の消費を優先して、先ゆきの消費を犠牲にするということなので、長い目でみると消費が黄金律より少なくなる。先ゆきの消費をあまり割り引かないようにしてゆけば長い目でみて消費は増えるが、そうして消費を増やしていって黄金律に近づけてゆくと、家計効用が無限大になってしまう。無限大にならない程度にきつく割り引くようにする必要があるが、そうすると黄金律に達しない。以上について数式をもちいた説明は新古典派成長モデルの節を参照されたい。
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