高等教育機関の定義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 14:28 UTC 版)
全米大学教授協会(英語版)(American Association of University Professors) 他人のアイデア、研究方法、書かれた語群を、自分が創作したとみなされるように原作者への感謝表明なしに使用することは、盗用である。 — 全米大学教授協会(英語版) 米国では大学院生に対してはもちろんのこと、学部生に対して盗用の具体例を示し、してはいけないことを懇切丁寧に解説している。解説は学部生・大学院生が対象である。日本の高等教育機関の盗用規定にも、学部生・大学院生向けの解説が少しづつ増加してきたが、ベースとなる文章は、大学教員・研究者向けである。 スタンフォード大学:「オリジナルなものが、記号体系、式・処方・決まり文句、アイデア、言語、研究、計画、文書、その他の形であれ、盗用は、オリジナルなものを作った著者や原典に適切なクレジットや感謝表明なしにそれらを使用することである。」 マサチューセッツ工科大学:「盗用は、他人の語群、アイデア、主張、データ、図を感謝表明なしに利用する時に起こる。出版物から、他人の語群、アイデア、フレーズを利用するときは、引用符を使用し、原典を引用しなければならない。言い換えや要約は許容範囲で行ない、原典を引用しなければならない。他人あるいは出版物から、チャート、グラフ、図、数値を利用する時は、原典を引用しなければならない。」 イェール大学 (学部生向け):と大学院生向けの説明。ブラウン大学。ハーバード大学。インディアナ大学 などが数例である。 倫理専門家であるアンドリュー・ミナセ(Andrew Minase)が、米国の高校のメディアセンターの「盗作の定義」を翻訳した。少し長いが、米国の盗用に対する考え方がよく書かれているので引用する。大学ではなく、「高校」で盗用を教育している現実は日本の状況を考えると驚いてしまう。 盗作は、単に誰かの著作を「盗む」だけでなく、それをあたかも「自作」としてその功績を主張し、またその著作物を出版、公開、販売により利用して利益、評判、名誉、名声を得る行為です。例えば文章においては、特定の一文、一段落内の文章の構成(語順及び文章の繋がり)、或いはそこに提示されているコンセプトや概念、一連の前提、根拠、結論の内容及び論理の組立が、既版の他の作品の箇所に該当できると判断される場合、そうした文章を自分の名前で作成し、(参照、引用にあたっての原作者からの承諾なしに)発表することは、盗作行為となります。 また、上記行為において、原典の存在をしっていながら、その出典を参考文献、付記、又は口答での引用であっても明示しない場合は、虚偽であることを承知のうえである作品(言葉、表現も含む)を自己のオリジナル作品として発表してしまうことで、名声や利益をその場やそれ以降に得ようとする意図的な行為として、盗作になります。 原作を存在を知りながら、その存在を否定し知らないふりをする行為は、その判断及び意図の下で出版発表行為があった場合、盗作行為と考えられます。原作の著作権の対象としての存在を否認し、それに対抗して自身への著作権の帰属を主張する場合は、どちらが真正を証明できるか、どちらが先発表されたか、といった事実認識に基づいて、原作として認めるかとうかを判断します。 — アンドリュー・ミナセ(Andrew Minase)(著作家、倫理専門家、カウンセラー、コンサルタント)
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