食い違う結論と疑わしい調査・神話としてのロズウェル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 16:35 UTC 版)
「ロズウェル事件」の記事における「食い違う結論と疑わしい調査・神話としてのロズウェル」の解説
非常に多様な墜落した飛行物の主張があることは何年にも及ぶ出来事が一つの出来事へと組み込まれていったことを示すこと(p.66)、そして多くの著者たちが異星人を示すあらゆる事がらを、話が互いに矛盾する時でさえ、無批判に採用していること、を批評家は指摘する。ロズウェル異星人事件のかつての擁護者である、カール・フロックは言った: 「ロズウェルの事例は量が質に打ち勝つことの古典的な例である。墜落した円盤の話の擁護者たちは...単純に彼らの見かたを支持すると思われる全ての事がらを「証拠」というしるしをつけた箱の中へと放り込んで、「分かるかい?全てのこの資料を見たまえ。我々は正しくなくてはいけない 」(強調は原文)と言う。矛盾について何も考えない。独立な支持する事実の欠如について何も考えない。露骨な不条理について何も考えない」(p.223)。 カル・コーフは、多くの研究家は有能な仕事をしていないのに、一部の者にとってロズウェル異星人の考えを促進することには明確な刺激があることを示した: 「UFOの分野は他人、特にお金を払う大衆、の騙されやすさを利用しようとする人々によって構成される。歯に衣を着せずに言わせてもらうと: ロズウェルUFO神話はUFOグループ、出版社、ハリウッド、ロズウェルの町、メディア、そしてUFO学...、にとって非常に良いビジネスなのである。科学とその訓練された手法を駆使する研究家の数はぞっとするほど小さい」(p.248)。 ギルデンバーグたちによると、合計11地点の異星人回収現場が報告されており、これらの回収物は1947年に最初に報告された出来事と限られた類似性しか持っていないか、最初の目撃者たちによって後に数えなおされたものである。これらの新しい話の一部は、1948-50年に近辺で起こった四つの軍飛行機墜落からの怪我人および死亡者を回収したいくつかの知られている事件と混同した話であろう。他は、空軍報告の中で示されているように、テストダミーの回収であろう。 チャールズ・ジーグラーはロズウェルの物語は全て伝統的な民俗説話、物語的意味での現代の神話、のホールマークを持っていると主張した(p.1,34)。彼はThe Roswell Incident (1980)に始まり物語作家による伝達の過程を経た、六つの別個の物語を同定した。核となる話は、さまざまな目撃談から創造され、グループ(UFOコミュニティ)の伝統を維持する人たちによって形成され整形された。他の話は核となる物語を拡張するために探し出されてきた。核となる信念のラインにない話を与える人たちのものは「門番」たちによって拒否されたか脱落させられた(p.37)。他の話はこの物語を新しい形で再び語り、この過程は繰り返すのだろう。 サブカルチャー(UFOコミュニティ)の特定の信念はそのままである(政府は異星人来訪の証拠を一般に出さないよう陰謀をたくらんでいる、異星人は小型のヒューマノイドに似ている、etc.)ことに注意しつつ、特定の他の信念は、神話の共著者としてふるまうサブカルチャーとコミュニティのあいだの変化を反映して改められている。「たとえば、ロズウェル神話の各バージョンの中でバーネットと考古学者たちが(ソコロ近くの)サンアグスティン平原の墜落現場に出くわしたときの部分(バージョン1に紹介された)が三ステップの変化を受けたところにおいてそういった改変が起こった: バージョン3では、バーネットと考古学者たちはフォスター牧場の墜落現場にでくわす; バージョン5では、バーネットと考古学者たちは抹消されるが、しかし「ロズウェルの35マイル北」の墜落現場に出くわす新しい考古学者たちが導入される; そしてバージョン6では、サブプロット全体が抹消される」(p.39)。 残骸が気象観測用気球にすぎないと考えていた、シェリダン・キャヴィットによる証言のほとんど全体が脱落していることは、神話構築のさらなる証拠である。彼の話がサブカルチャーの物語と食い違っていて、そのため「門番」たちによって脱落させられ拒否されたのだ。ジーグラーはこう言った。「これらのバージョン(Crash at Corona と二冊のランドル/シュミットの本)におけるキャヴィットによる陳述の欠落は彼の近づきがたさのせいだったのではないと思われる…むしろ、彼の陳述のほとんどが無視されたように見える…この件についての彼の陳述はそれらが「好ましくない」―すなわち、それらが伝統的な慣習とUFOコミュニティの信念に反する―からロズウェル神話のさまざまなバージョンから脱落させられたと推測するのが妥当である」。(p.45)
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