近代戦争科学の成熟とは? わかりやすく解説

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近代戦争科学の成熟

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 06:19 UTC 版)

軍事学」の記事における「近代戦争科学の成熟」の解説

近代国民国家体制出現し、また軍事技術革新もたらされる戦争様相はさらに変化見せようになったプロイセン軍軍人で『高級指揮官に与える教令』の作者モルトケや『カンネー』の著者シュリーフェン統一的な指揮統制兵站システム作戦理論整備して殲滅戦争の可能性示したこのようなプロイセン軍普仏戦争敗北したフランス軍ではシャルル・アルダン・ドゥ・ピック( en:Ardant du Picq )が『戦闘の研究』で火力人員などの物質的要素だけでなく兵士錬度士気重要性見直し、また同一問題帝国主義背景とした植民地戦争戦っていたトマス・ロベール・ブジョーフェルディナン・フォッシュなどによっても認識されるうになるアメリカでは南北戦争ジョミニ影響受けたデニス・ハート・マハン戦争科学確立し、さらにアルフレッド・セイヤー・マハンによって海軍戦略についての体系的な研究が行われるようになっていた。マハンは『海上権力史論』でシーパワー概念示して海軍だけでなく海運植民地などを含む国力総合発揮重要性説き、また制海権考え方から艦隊決戦意義重視していた。一方でイギリスの軍事学者ジュリアン・コーベットは『海洋戦略の諸原則』の中で水陸両用作戦重要性着目して海軍戦略とは異な海洋戦略確立努めた。また経済的側面からイヴァン・ブロッホヨーロッパで大規模な戦争予見する将来戦争』を執筆し総動員体制に基づく長期的かつ大規模な被害をもたらす戦争可能性論じている。 第一次世界大戦第二次世界大戦それまで考えられていた殲滅戦争の教義艦隊決戦海軍戦略、そして経済動員総合し国家国力全て投入して遂行される総力戦様相を呈するものであった戦線膠着し結果戦車航空機など新し軍事技術開発され、また戦略戦術再構築された。航空機導入関連すれば、イタリアドゥーエ論文制空』を発表してエアパワー意義戦略爆撃有効性主張した同様の戦略思想示したアメリカ研究者ウィリアム・ミッチェルがいる。航空機運用艦隊決戦重視する海軍戦略にも影響し第二次世界大戦では航空母艦海上作戦航空打撃戦を担うようになっている戦車導入関すればイギリスジョン・フレデリック・チャールズ・フラーは『機甲戦』や『戦争科学の基礎』で機甲戦理論確立しただけでなく、戦争の原則基礎付けなおした第二次世界大戦において電撃戦』の著者ハインツ・グデーリアンによって参考とされ電撃戦実践結びつく。また世界大戦時期からは研究数学的モデリングの手法が活用されるようになり、ランチェスターやオシポフ、リチャードソン方程式始まりアメリカ軍部では科学者動員してオペレーションズ・リサーチについての組織的な研究開始された。

※この「近代戦争科学の成熟」の解説は、「軍事学」の解説の一部です。
「近代戦争科学の成熟」を含む「軍事学」の記事については、「軍事学」の概要を参照ください。

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