軍隊でのシャベルとは? わかりやすく解説

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軍隊でのシャベル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/09 07:10 UTC 版)

シャベル」の記事における「軍隊でのシャベル」の解説

軍隊におけるシャベルは、1869年デンマーク陸軍のマッズ・リンネマンが発明し1870年シャベルのこぎりナイフフライパン機能併せ持つ大小二種のリンネマン式円匙特許取得したことに始まる。このシャベル特徴金輪で刃に付いている舌を締め付けることで柄と刃を固定しており自由に分割できることに特徴がある。万が一柄が破損紛失して現場適当な木の枝金属棒で代用できる。 リンネマン式円匙初めデンマーク陸軍に柄の脱着機能だけを残して簡略化されたモデル256本採用されるのみにとどまり全く採算取れなかったために、成功求めたリンネマンはウィーンにリンネマン式円匙工場設立第一次大戦では塹壕戦確立されたために今まで以上にシャベル重要性増しオーストリアドイツ、フランスルーマニアロシアがリンネマン式円匙採用した。ただしロシア以外の国はパテント料を一切払わず違法コピー品を使用したロシアでは今なおほとんど当時のままのリンネマン式円匙使われ続けており小型のものをMPL-50、大型のものをBSL-110と呼ばれている。 シャベル戦場において、特に第一次世界大戦以降塹壕排泄用の穴を掘る道具として使用され排泄物臭気巻き散らさない事は住環境を守るためだけでなく、敵側察知されないためでもある)、このため歩兵などの兵科では兵士個人携行となっている。また、白兵戦の際の打突武器として有用であり、第二次世界大戦の時ソビエト軍兵士赤軍パルチザンシャベル白兵武器として使い現代のロシアスペツナズシャベルを使う戦闘技術訓練している。 多く軍用車両シャベル装備しており、これらは車内納められるか車外ツルハシジャッキなどとセットクランプ留めされ、車両スタックした場合陣地構築する際に使用される日本陸軍では土木工事用の大きなシャベルを「大円匙(だいえんぴ)」、携行用を「小円匙(しょうえんぴ)」と呼び分けていた。大円匙は工兵使用するものであり、工兵達は歩兵携帯する小円匙を「耳かき」と称していた。兵士個人携行物の一つである小円匙は、使用時木製の柄を刃部差し込み金属管締め付けによる摩擦力留める構造となっている。携行時は柄と刃に分離したうえで背嚢などに固定する。柄の中ほど刃部の上側(柄の取りつけ付近)に穴が設けられ両者ロープ通してあった。このロープは刃と柄の紛失防止のほか、、泥での滑り止めとしても機能し組み立てた小円匙を肩に負うためにも用いられた。柄頭部分先端には柄手がなく、代わりに握り込めるよう丸く成形されている。なお1930年代後半制式採用された「中円匙ちゅうえんぴ)」九八式円匙刃部防弾鋼鈑作られ刃中央部に目の幅にごく小さな2つの穴を設け、それを覗き穴として、簡易な防盾(盾)として使用できるようになっていた。 アメリカ陸軍は、第二次世界大戦中1943年にM1943Entrenching Tool直訳すると「1943年塹壕掘り工具」)を採用している。M1943はドイツ国防軍1938年シャベル参考設計され、柄と刃の取りつけ部分回転して折りたたみができ、携行しやすく、刃を柄と90度の角度固定させることができるので、鍬(くわ)のように使うことができた。柄頭部分取っ手はない。同様の構造のものが、現在でも各国軍用あるいは民生用として製造されている。アメリカではM1943の後継品として、つるはしとして使うための起倒式突起追加されM1951採用されている。 ソビエト連邦軍労農赤軍)は砲身部分を柄として、スペード形の底板を刃として組み替える迫撃砲シャベルとなる特殊な兵器装備していた(37mm軽迫撃砲)。後継兵器として現代ロシア軍にもシャベルの柄の部分単発式擲弾発射器となっている“ранатомёт-лопата Вариант”が存在する

※この「軍隊でのシャベル」の解説は、「シャベル」の解説の一部です。
「軍隊でのシャベル」を含む「シャベル」の記事については、「シャベル」の概要を参照ください。

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