車体改修工事
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 19:28 UTC 版)
「京阪1000系電車 (3代)」の記事における「車体改修工事」の解説
1990年代に至り、車体の新製から25年弱を経過し各部の補修が必要となったことから、2400系に次いで車体改修工事と称する更新修繕工事が全編成を対象に1991年(平成3年)より施工された。 同時に、2200系以来の流儀に則って制御方式の1C8M化ならびに界磁添加励磁制御化・回生制動化が実施されたが、それに伴って一部車両の編成位置変更ならびに車種変更が行われた。以下に編成替え前後それぞれの編成を示す。 旧編成1000型 (Mc)1100型 (M)1500型 (T)1500型 (T)1100型 (M)1600型 (T)1000型 (Mc)1001:1006 1101:1106 1501:1506 1551:1556 1151:1156 1651:1656 1051:1056 新編成1500型 (Tc)1100型 (M1)1200型 (M2)1600型 (T)1100型 (M3)1200型 (M4)1500型 (Tc)1501:1506 1101:1106 1201:1206 1651:1656 1151:1156 1251:1256 1551:1556 改造内容電装解除 ‾ 電動車化 編成位置変更 ‾ 編成位置変更電動車化 電装解除 すなわち、制御電動車1000型の電装解除を行い、同車から取り外された台車・主電動機をMG・CPを搭載する付随車1500型へ転用して電動車化し、それぞれを制御車1500型・中間電動車1200型と改称・改番した。また、中間電動車1100型・1200型が1C8Mユニット化されることに伴って、CPのみを搭載する付随車1600型の連結位置が大阪寄り2両目から編成中間4両目に変更となった。 1C8M制御化に伴って中間電動車1100型に搭載する制御器を東洋電機製造製ACRF-H8155-790Cに換装し、前述のように制御方式の界磁添加励磁制御化ならびに回生制動化が行われている。また、常用制動を回生制動優先とし、制動装置が空気制動遅れ込め機構を有するHRDA-1へ変更となった。 また、更新時期を迎えていたRPU-2205A冷房装置を、6000系の冷房装置出力増強に伴って取り外された三菱電機製CU-197(冷却能力10,500kcal/h)に換装した。なお、CU-197は外形寸法がRPU-2205Aよりも大きく、構体側の大改造を要する取り付け位置変更は行わなかったことから、各車大阪寄りの冷房装置カバーが車端部よりわずかにはみ出た状態で搭載されている。 車体関連では先頭車の台枠を100mm延長し、乗務員室拡大ならびに前面デザインの全面変更が施工された。前面中央部に貫通扉を備える3枚窓構造という点こそ更新以前と変わりないが、左右窓の大型化、2400系更新車で採用された貫通扉の外開き構造化ならびに貫通扉の行先種別表示幕一体型大型ガラス窓化が実施され、その他前照灯を1900系Mc1914と同一形状の角型シールドビームに、標識灯を8000系に類似したステンレス製飾り枠付LED式のものにそれぞれ変更し、更新以前の原形はほぼ一掃された。細部ではワイパーの電動化ならびに前面右側窓下部へ京阪の頭文字「K」を象ったエンブレムの取り付けが実施されている。 対して側面見付は大きな変化は見られないが、外板総張替えに際して台枠との接合部分が重ね溶接から突合せ溶接に変更されたことによって、車体裾部にわずかな段差が生じている。また、側窓下段が固定されて上段下降・下段固定式に改められたほか、側面行先種別表示窓部のガラス固定支持方式がHゴム式から金属枠固定式に変更された。 内装は2400系と同様、6000系に準じた暖色系のカラースキームに改められ、壁面デコラ板はアイボリー系・座席モケットは緑系・床面ロンリュームはブラウン系とされている。そのほか、戸閉予告ブザーや客用扉開扉時の自動放送装置が設置され、ドアエンジンも静音式のものに交換されたほか、後期に車体改修工事を施工された3編成(1501・1502・1503編成)については車椅子スペースが新設された。従前設置されていた座席は存置されたが、先頭車の車端部のみ1人がけの座席となっている。 このように原形から大幅な改造を2度に渡って受けたことで、元は吊り掛け駆動からのカルダン駆動改造車は他社ではその多くが様々な理由から廃車に追い込まれたのに対し、当系列は現在もなお現役であり続けている。
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