カルダン駆動装置の実用試験車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/07/05 08:55 UTC 版)
「名鉄モ3750形電車」の記事における「カルダン駆動装置の実用試験車」の解説
1954年(昭和29年)3月に、モ3751・モ3752の2両は東洋電機製造製のカルダン駆動装置の実用試験車に改造された。主電動機はTDK-821-A直流直巻電動機(端子電圧750 V時定格出力75 kW・同定格回転数2000 rpm)を採用、これを1,067 mm軌間(狭軌)路線向けとしては日本初採用となる中空軸平行カルダン駆動装置(TD継ぎ手方式)と歯車比5.13で組み合わせ、汽車製造製のKS106ペデスタル式台車に装架したものである。同時に制御装置も換装され、三菱電機製AL-154電磁単位スイッチ式自動加速制御器と東洋電機製造製ES-305界磁制御器の組み合わせにより、力行17段(直列9段・並列6段・弱め界磁2段)の多段制御を行う方式に変更された。実用試験車への改造後は、主にモ3751・モ3752の2両にク2080形2081を連結した3両編成で運用された。 その後、モ3752は1961年(昭和36年)頃に発生した主電動機故障を契機に制御車代用となり、以降はモ3751・モ3752の2両編成で運用された。1963年(昭和38年)5月にはモ3752を正式に制御車へ車種変更・電装解除し、ク2750形2751(初代)と形式・記号番号を改めた。また、同時期にモ3751はカルダン駆動装置の実用試験車としての運用を終了し、主要機器を本来の仕様に復して再び吊り掛け駆動のHL車となった。この際、試験期間中にモ3751・ク2751(元モ3752)が装着したKS106台車は3700系ク2700形2702・2704の新製に際して転用され、モ3753を含む3両とも台車をBW-84-27-Aに換装・統一した。 1965年(昭和40年)8月に、モ3751・モ3753はモ3250形(2代)3251・3252(モ3251は2代)、ク2751はク2250形2251と、それぞれ形式・記号番号を改めた。これは当時製造が進められていたHL制御の車体更新車3730系の増備に伴って、同系列の制御電動車モ3730形および制御車ク2730形の車両番号の枠を確保するための改番であった。 同時期には3両とも車体改修工事が施工され、外板張替えに伴って洗車時の洗浄効率向上を目的として窓下補強帯(ウィンドウシル)が車体内部へ埋め込まれたほか、側窓の窓枠をアルミサッシとし、さらにモ3751・モ3753については運転台の嵩上げによる高運転台化改造も施工された。ただし、当時3800系など従来車各形式に対して順次施工された車内放送装置および暖房装置の新設は、本形式については施工が見送られた。
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