身振りによる挨拶
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 01:40 UTC 版)
挨拶には一定の行動をともなうのが普通であり、往々に身体的接触をともなう。しかし、見ず知らずの間での身体的接触を好ましくないとする地域もあり、性別による問題もある。いずれにせよ、その形は文化ごとに異なる。また、同一文化圏であっても、挨拶する両者の関係の違いによっても大きな差がある。代表的なものを挙げる。 挙手:手を挙げる。遠くから見つけてもらう。さらに左右に振ることもある。 握手:互いに手を握りあう。しばしばそれを揺する。 ハグ(抱擁):互いに腕で抱きしめあう。 接吻:唇を相手の体に触れさせる。場所によって意味が異なる。顔であれば抱擁の上で行われる。 お辞儀:離れた位置で、頭を前方下に傾けたり、上半身を前に傾ける。傾け方で敬意の差を示す。 拱手:中国での敬礼。胸の前で手を合わせる。 顔の接触:額や頬、鼻などを合わせる。 警察や軍隊では「敬礼」と呼ばれる特殊な挨拶が存在する。片方の腕の肘から先を真っ直ぐ伸ばした状態で手の部分を顔の高さに上げる動作が一般的であるが、各組織によって肘の角度にそれぞれ異なる規定が存在する例もある。中にはナチス式敬礼(真っ直ぐ伸ばした右手を体前方の斜め上に上げる動作)のように、人々から忌避され処罰の対象となる「挨拶」も存在する。その他にも、特定の集団が身内だけの挨拶の型を持つ例は多い。 事情により言葉を話せない者のための“身振りによる言語”「手話」というものもある。当然、この中にも挨拶の動作がある。 やや離れた場所にいる大勢の人々に挨拶を行う時に用いる、手を挙げ左右に振る挨拶(hand-waving)。ステージ上から客席にいる人々に挨拶するのには、しばしばこの方法が選ばれる。 テニスの試合後の握手。スポーツマンシップの表現。 卒業式でハグし合う学生たち かつてイギリスの紳士などが しばしば行った、シルクハットや山高帽の縁を持ち、少し持ち上げ傾ける挨拶。最近では珍しくなり、やや古風と受け取られる傾向がある。 身分の高い人物に対して(へりくだって)行う、手への接吻(hand-kissing)。かつて王に対して臣下が、貴婦人に対して騎士が、教皇に対して人々が、さかんにこうした挨拶をした。ヨーロッパの貴族の伝統や宮廷文化をほうふつとさせ、優雅さを感じさせる挨拶である。現代でも、非常に深い尊敬を表現したり、「うやうやしさ」を表現したり、女性に喜んでもらうために、あえてこの挨拶がされることがある。 西洋の上流社会やそれに準ずる場などで女性が行うカーテシー(curtsy)という挨拶。片脚を後ろに引き、片脚の膝を少し曲げる。この写真は劇場でバレリーナが観客に対して行ったcurtsy。 インドやネパールで交わされる挨拶、ナマステ。合掌して「ナマステ」と言う。 カンボジアのSampeahという、尊敬の念を込めた挨拶方法。互いに合掌し、おじぎをしつつ、「チョムリアップ・スオ」と言う。 日本のお辞儀の様々な角度とそれぞれの意味合い。 拱手。中国での敬礼。 敬礼と答礼を行う、海上自衛隊と米国海軍のメンバーたち。
※この「身振りによる挨拶」の解説は、「挨拶」の解説の一部です。
「身振りによる挨拶」を含む「挨拶」の記事については、「挨拶」の概要を参照ください。
- 身振りによる挨拶のページへのリンク