親達の反撃・偽りの記憶論争とは? わかりやすく解説

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親達の反撃・偽りの記憶論争

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 00:07 UTC 版)

解離性同一性障害」の記事における「親達の反撃・偽りの記憶論争」の解説

そうした風潮の中で懐疑的な意見出てくる。潮目変わりだしたのが1992年であり、決定的となったのが1997年である。1992年に、FBI悪魔的儀式虐待存在についてそんな事実はないと結論下した学術誌解離』の発行元でもあるジョージア州リッジビュー研究所解離障害センター責任者ギャナウエイ (Ganaway,G.K.) はそれ以前から警鐘鳴らしていたが、同年論文で、一般的には患者セラピストの間の相互欺瞞だとするのが妥当」、悪魔的儀式虐待における「共通分母はセラピスト自身他ならない」とした。娘に訴えられた親のなかには身に覚えのない者も多数含まれていた。その親たちはこの暗示催眠による児童性的虐待に関して記憶虚偽記憶症候群(False Memory Syndrome)と呼び同年偽記憶症候群財団 (FMSF:False Memory Syndrome Foundation)も結成される。そして性的虐待記憶催眠により引き起こされ医療事故だとした逆訴訟が親の側から始まった性的虐待原因家父長制にあるとして娘達の告発後押しするラディカル・フェミニズム精神科医ではジュディス・ハーマンがその急先鋒)対FMSF(心理学者としてエリザベス・ロフタス (Loftus,E.F.) )の論争は、訴訟を間においた感情的政治的対立様相まで呈している。 1996年には元回復記憶療法家もその効果疑問抱き始め教会カウンセラー博士号をもつポール・シンプソン (Simpson,P.) がその著書Second Thoughts」で、自ら実施していた回復記憶療法結果破壊的であり、それによって症状回復したクライアント一人もおらず、逆に抑圧された記憶回復」したとたんに例外なく劇的に悪化した発表し教会カウンセラー達に速やかに中止すべきと呼びかけた。またワシントン州の「犯罪被害者保証プログラム」の職員標本調査でもそのこと確認されワシントン州の同プログラム回復記憶療法にたいしては今後補償金対象としない表明労働産業に対して同様の勧告を出す。 1997年11月には、患者であったバルガス (Burgus) 夫人とその家族訴えられていたブラウン (Braun,B.G.) とラッシュ・プレズビテリアン・聖ルカ病院和解金額は1060ドル当時日本円12億円)という途方もない金額になりメディアの注目集めた。同じ1997年パトナムは強い口調警告している。 「記憶再構成作業は・・・最大級注意が必要である。・・・しばしば、内容現実のものと、想像のものと、恐怖所産との精神力動的な複雑な混合物である。そしてどれがどうであるかを見分けるちゃんとした法則存在しないこういう事件ではないかこういう体験はしなかったかと暗示するのは絶対に避けるべきである。(パトナム1997,p.373)」 ジュディス・ハーマン (Herman,J.L.) は『父-娘 近親姦』(原著出版1981年)の邦訳際しあれから20年」という補遺付け加えている。その中でハーマンは、偽記憶症候群財団 (FMSF) やロフタス (Loftus,E.F.) を激しく攻撃しているが、以下の点は認めている。 「(同書出版当時主な課題は、近親姦話題避けるという臨床家誤り正すことであり、その反対間違いについて警告する要はほとんどなかった。だが近親姦についての認識増えてきた昨今では、あたかもトラウマ記憶浮上させさえすれば病気治るかのごとく、児童期虐待可能性積極的に追い求めすぎるきらいのある臨床家出てたように思われる近親姦問題あまりにも強烈な感情引き起こすため、臨床家といえども共感的受容的好奇心という専門家として基本姿勢から、どちらか方向逸脱してしまうのかもしれない。」

※この「親達の反撃・偽りの記憶論争」の解説は、「解離性同一性障害」の解説の一部です。
「親達の反撃・偽りの記憶論争」を含む「解離性同一性障害」の記事については、「解離性同一性障害」の概要を参照ください。

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