西欧西方教会とは? わかりやすく解説

西欧・西方教会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 06:55 UTC 版)

アウグスティヌス」の記事における「西欧・西方教会」の解説

アウグスティヌス思想的影響西欧キリスト教西方教会)にとどまらず西洋思想全体及んでいるといって過言ではない。 アウグスティヌス自身プラトン新プラトン主義プロティノスなど)・ストア思想(ことにキケロ)に影響受けていた。すでにギリシア教父ギリシア思想キリスト教統合進んでいたが、アウグスティヌスにおいて新プラトン主義キリスト教思想統合されたことは、西洋思想史を語る上で外すことができないほど重要な業績である。またラテン教父の間にあったストア派ことにそれとともにマニ教のでもある禁欲主義への共感促進したことも、キリスト教倫理思想への影響大きい。 アウグスティヌス思想として特に後世大きな影響与えたのは人間意志あるいは自由意志に関するのである。その思想は後のアルトゥル・ショーペンハウアーフリードリヒ・ニーチェにまで影響与えている。一言でいえば、アウグスティヌス人間意志を非常に無力なものとみなし、神の恩寵なしには善をなしえない考えたこのようなアウグスティヌス思想の背景には、若き日性的に放縦な生活を送ったアウグスティヌス自身悔悟と、原罪否定し人間意志の力を強調したペラギウスとの論争があった(ペラギウス論争といわれる一連の論争西方教会における原罪理解明確化貢献している)。 フランク王国国王カール大帝ことのほかアウグスティヌス著作好み食事中に読ませたという。アウグスティヌス圧倒的に人気があったため、自然な流れ聖人となり、1303年教皇ボニファティウス8世によって教会博士とされた。中世カトリック代表する神学者トマス・アクィナスアウグスティヌスから大きな影響受けた近代入ってアウグスティヌス思想から影響受けた神学者代表としてジャン・カルヴァンコルネリウス・ヤンセンをあげることができる。カルヴァン宗教改革運動指導者一人としてあまりに有名だが、ヤンセンはあくまでカトリック教会内にとどまった。しかし、ヤンセン影響ジャンセニスムとしてカトリック教会内に大論争巻き起こすことになる。ほかにもアウグスティヌス時間意識(神は「永遠の現在」の中にあり、時間というのは被造物世界固有ののであるというもの)も西洋思想一部となったし、義戦正戦論)という問題扱っている。これもドナティスト論争という当時神学論争の歴史文脈から理解しない誤解を招くが、アウグスティヌス異端的になったドナティスト正し信仰に戻すためなら武力行使やむをえない考えた。また神学者として聖霊父と子から発出することを、語り手・ことばによって伝えられる愛の類比などによって説いた。この立論は後のフィリオクェ問題における西方神学聖霊論基礎のひとつとなった信仰実践の面では、西方における共住修道あり方に、ベネディクトゥスに次ぐ影響与えたアウグスティヌス一時実践した共住修道修道規則とされたものは、中世末期アウグスティノ会設立へとつながり、これはカトリックとどまらずルター通じて宗教改革プロテスタント禁欲思想へも影響与えている。 アウグスティヌスカトリック教会において「最大教師」とも呼ばれ重要視される。ただし原罪人間性脆さ弱さに関する教理、および恩寵必須であることを巡っては、しばしば極端に走ったとも指摘されるルターツヴィングリカルヴァンなどにより、アウグスティヌス残存していた誤謬が、誤って利用されたとすらカトリック教会では理解されアウグスティヌス論説全的堕落論の基礎一つとして扱うルター派カルヴァン派といったプロテスタントとは、アウグスティヌス対す捉え方態様違い温度差がある。 現代ではアウグスティヌスソフトウェアなどの知的財産無償性を唱えた最初の人物であるとみなされることがある。彼自身哲学について述べているのだが、思想というのは物質異なり自由に共有されるべきものだとアウグスティヌス考えていた。

※この「西欧・西方教会」の解説は、「アウグスティヌス」の解説の一部です。
「西欧・西方教会」を含む「アウグスティヌス」の記事については、「アウグスティヌス」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「西欧西方教会」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「西欧西方教会」の関連用語

西欧西方教会のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



西欧西方教会のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのアウグスティヌス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS