西廻り航海の着想とは? わかりやすく解説

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西廻り航海の着想

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/14 19:53 UTC 版)

クリストファー・コロンブス」の記事における「西廻り航海の着想」の解説

結婚後は妻のゆかりの地ポルト・サント島(またはマデイラ島)に夫婦で行くこともあり、1480年ごろにそこで長男ディエゴ恵まれた1481年、ディオゴ・デ・アザンプージャ(英語版)が 西アフリカ南下しエルミナ城を築く航海出ているが、これにコロンブス加わりギニア黄金海岸まで行った考えられている。ポルトガル側にこれを証拠づける資料はないが、コロンブス第一次航海日誌バルトロメ・デ・ラス・カサス編纂)にて西アフリカ情景引き合い出しているところや所蔵していたピエール・ダイイ著『イマゴ・ムンディ(世界像)』の「熱帯地方には人間住めない」という箇所に「実際に行ってみたが、熱帯にも人は住んでいた」と書き込んでいる点がその根拠とされるまた、当時ある事件ラス・カサスは『インディアス史』(第一巻十四章)に記している。それは、マデイラ島漂着した白人漂流者がいたというものである。この漂流者ポルトガル交易船員だったが、嵐のためにキューバまで流されてしまい、船を修理して東へ出航した生きてマデイラ島にたどり着いた数名はほとんどすぐ死に最後一人コロンブス保護したが、やがて彼も亡くなった。『インディアス自然一般史 (Historia General y Natural de las Indias)』を著したフェルナンデス・オヴェイド(en)も1535年にこの説話懐疑的ながら採録している。コロンブス自身著述したどの文章にもこの話は書かれていないが、ラス・カサスはこの事件コロンブスをして西廻り航路発想に至らす原点になった述べている。 このころコロンブス積極的にスペイン語ラテン語などの言語天文学地理、そして航海術習得努めた仕事拠点であるリスボンパオロ・ダル・ポッツォ・トスカネッリ知り合う機会得て手紙交換をしている。当時はすでに地球球体説一般に信じられていたが、トスカネッリマルコ・ポーロ考え取り入れ大西洋挟んだヨーロッパとアジアの距離はプトレマイオス試算よりもずっと短いと主張していた。『東方見聞録』にある黄金の国・ジパング惹かれていたコロンブスはここに西廻りアジアに向かう計画現実性見出したまた、現存する最古地球儀作ったマルティン・ベハイムとも交流持ち意見交換した説もある。これらの収集情報考察経てコロンブス西廻り航海可能だとする5つ理論根拠構築したラス・カサスインディアス史』(第5章)に記載されその内容は、 地球球体であり、西に進めば東端にたどりつく。 地球未知部分アジア東端からベルデ岬諸島以西だけになった2世紀ギリシア人地理学者マリヌスヨーロッパからアジアまでは地球の15/24に当たるという。したがって未知の領域は9/24=約1/3となる。 マリヌス認識していたアジアは(当時認識されていたという意味で)現在のアジア東端までに比べれば狭い。したがって未知の領域はさらに狭くなる9世紀イスラム人天文学者アルフラガヌス経度1度=約56.6マイル計算した。したがって未知の領域は56.6×360/3=約6,800マイル。しかもこれは赤道上であり北寄航路ならば距離はさらに縮まる。 この考え根底にはアリストテレス地理観を引き継いだ中世キリスト教普遍史観から、世界はヨーロッパ・アジア・アフリカの3大陸成り立っていたという概念がある。地球大きさについても、北緯28度におけるカナリア諸島から日本までを実際10,600海里対しコロンブスは2,400海里と、非常に小さく見積もっていた。

※この「西廻り航海の着想」の解説は、「クリストファー・コロンブス」の解説の一部です。
「西廻り航海の着想」を含む「クリストファー・コロンブス」の記事については、「クリストファー・コロンブス」の概要を参照ください。

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