薩摩藩による保護と統制とは? わかりやすく解説

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薩摩藩による保護と統制

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 00:57 UTC 版)

東市来町美山」の記事における「薩摩藩による保護と統制」の解説

島津義弘以降窯業産業地として薩摩藩位置づけられた苗代川薩摩焼生産に対して保護策がとられ、朴平意と沈当吉の両家中心に陶業が盛んとなった。特に沈当吉は技術優れていたことから島津義弘によって陶場の主取役に命ぜられ、沈家中心に陶業発展基礎築かれた。苗代川では甕・壺・摺鉢など大型日用陶器生産されていたほか、白薩摩呼ばれる藩主向けの御用品生産のみ制限されていた高級な薩摩焼生産されていた。 一方で統制行われており、苗代川村の住民には移住の自由はなく、他村人間結婚により苗代川移住することは許されたが、苗代川村の住民他村に出ることは許されなかった。井上2014によれば薩摩藩は被人の居住区である苗代川薩摩異域として作り上げようとし、朝鮮風俗維持命じたという。 明和元年1771年)には薩摩藩島津重豪は、苗代川住民の生活から朝鮮式の文化薄れ特別な行事等除いて日本化していたことから、苗代川住民に対して朝鮮服着用朝鮮語常用命じたその結果苗代川住民明治時代初期まで言語服装から全ての風俗習慣朝鮮となっており、薩摩藩地誌である「三国名勝図会」には朝鮮式の服装をしている住民絵図掲載されている。 苗代川住民中には遠い母国思い望郷の念により懐郷病となり家業に手がつかなくなった者もいた。これを見た島津義弘檀君祭神として祀った玉山神社建立した玉山神社では朝鮮風の神舞が伝えられており、藩主御前祭礼では朝鮮踊として披露されとされる寛永3年1626年)には茶屋置かれ藩主来訪したときには茶屋休憩して焼物見聞行ったまた、寛永年間には樟脳製造について苗代川住民である鄭宗官が免許を受け、市来伊作田村現在の東市来町伊作田)の人々集めて製法伝えたとされる樟脳ナフタレン発明によって需要低迷するまで近隣市来養母現在の東市来町養母)や湯田村現在の東市来町湯田)・長里現在の東市来町長里)でも製造が行われた。延宝3年1675年)に伊集院麓(現在の伊集院町下谷口にあった薩摩藩制度である外城制による伊集院郷の地頭仮屋苗代川移転された。貞享2年1685年)には伊集院郷から独立して役人などが置かれ武士当の待遇を受けるようになった宝永元年1704年)には苗代川人口増え土地不足となったことから男女160名を笠野原台地現在の鹿屋市)へ移住させた。笠野原台地シラス台地であり、水源がなく地下水源も深い位置にあり移住者水の確保苦労したという。享保4年1719年)には再び苗代川伊集院郷の支配下となった享保7年1722年)には伊集院衆中として扱われるようになり氏字の使用全面的に認められたが、朝鮮式の氏から選択するように指定され苗代川朝鮮風俗化を推し進めたものであったこのように薩摩藩保護受けた苗代川集められた被人らであったが、苗代川のみで自給自足独立的な生活ができるわけではなく近隣長里現在の東市来町長里)や伊集院との経済的関係免れず言語通じないことから暴言浴びせられるなどの差別による被害受けていた。これを見かねた薩摩藩苗代川入口に「朝鮮人殺伐したる者は6等親まで死刑処す」という高札設置して保護図った。 「苗代川神舞図」 「苗代川帰化朝鮮人図」

※この「薩摩藩による保護と統制」の解説は、「東市来町美山」の解説の一部です。
「薩摩藩による保護と統制」を含む「東市来町美山」の記事については、「東市来町美山」の概要を参照ください。

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