英語屋の面目とは? わかりやすく解説

英語屋の面目

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 05:41 UTC 版)

宮澤喜一」の記事における「英語屋の面目」の解説

政界随一」と謳われた宮澤英語力だったが、海外留学や英語の専門教育受けた経験などはない。本人によると、東大時代日米学生会議日本代表一人選ばれ渡米したところ、それまで勉強してきた英語がほとんど使い物にならないことが分かり一念発起して本格的に英語の勉強独学始めることにしたのだという。日中戦争から第二次世界大戦中にかけて、英語が「敵性語」として一般に排斥されていた時代にも、手に入る洋書英字誌は片っ端からむようにした。戦後占領が始まると、GHQとの交渉ができる大蔵官僚として引っ張りだこになり、毎日のように英語を使う日々続いたという。 議員になってからも、議員会館食堂ロビー議場では英字新聞英字誌を読んでいるのが常だった。あるとき背後から、いきなり強い口調で「日本の国会議員なら、日本語新聞読みなさい!」と叱咤されたことがある宮澤振り向くと、そこには当時まだ新人議員だった浜田幸一が眉を吊り上げていた。しかしいちゃもん付けた相手宮澤気づいて今度浜田の方が大い慌てた。そんな浜田向かって宮澤は、「国会議員なんだから、浜田さんも英字新聞ぐらいはお読みなさい」とやり返している。浜田はこれに感化されて、しかし自分は英語はまるでダメなので、代わりに息子浜田靖一アメリカ大学留学させることにしたという。 外国首脳大臣との会談の席では、外交プロトコル上は必ず通訳同席させることが決まりごとになっているが、宮澤はそれでも米・英・豪・加などの首脳とは、いちいち通訳の言うことを待たず一対一会話主導した。あるとき大臣として外遊した際、同行した別の閣僚に付いていた通訳に不安を感じた宮澤は、その一言一句しっかりと横耳で聞いていて、誤訳があると間髪を入れず訂正入れたという逸話もある。そうした完璧主義災いしてか、宮澤英語力煙たがる官僚代議士永田町には少なくなく、特に宮澤嫌いだった田中角栄からは「英語屋」と呼ばれて通訳並み見下されていた。 宮澤総理在任時の1992年1月アメリカジョージ・H・W・ブッシュ大統領来日した2日目総理官邸での晩餐会席上ブッシュが突然隣に座っていた宮澤の膝の上嘔吐した上、椅子から崩れるように倒れるという椿事起こり、しかもその映像全世界配信されたため、各方面衝撃走った翌朝官邸詰めかけた内外報道関係者を相手に、宮澤一人記者会見臨み30分近い状況発表質疑応答のほとんどを英語で行った宮澤説明は、現在の大統領容体から、来日前からインフルエンザ体調不良だったこと、日中皇居内で天皇皇太子徳仁親王相手テニスをしたことで体力消耗していたこと、そして晩餐会席上様子食事内容に至るまで、極めて詳細かつ専門的なのだったが、その語り口沈着冷静いかにも堂に入った様子だった。前代未聞大統領醜態蜂の巣突いたような状態になったアメリカメディアも、膝に吐かれ当の総理本人淡々と説明しているの見て、これなら心配はないだろうとすぐに落ち着き取り戻している。次のクリントン大統領宮澤一度だけ会談しているが、その際この時の宮澤の対応ぶりを賞賛している。 国際会議交渉の場を重ねるうちに宮澤フランス語必要性痛感して中年過ぎてからその勉強始めている。本人は「志半ば終わった」としているが、官僚国会議員閣僚、そして総理と、長年わたって多忙な日々送っていたにもかかわらず常日頃から仕事合間には勉強を怠らなかったことは多く認め宮澤徳目一つである。

※この「英語屋の面目」の解説は、「宮澤喜一」の解説の一部です。
「英語屋の面目」を含む「宮澤喜一」の記事については、「宮澤喜一」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「英語屋の面目」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「英語屋の面目」の関連用語

英語屋の面目のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



英語屋の面目のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの宮澤喜一 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS