第1楽章 Allegro non troppo
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「交響曲第4番 (ブラームス)」の記事における「第1楽章 Allegro non troppo」の解説
第1楽章 Allegro non troppo Musopenより この音声や映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声・動画の再生をご覧ください。 ホ短調。2/2拍子。ソナタ形式。ヴァイオリンが休符を挟んで切れ切れに歌う第1主題によって開始される。この主題は3度下降の連続、その後6度上昇の連続という動機から成り立ち、哀切な表情を湛えている(最初の8音は三度の下降分散和音に還元できる)。それがロ短調へ推移してロマンチックな緊張感を帯びていくと、突如、管楽器の三連音を含む古色味のある楽句によって断ち切られる。この楽句がこののち、第1主題と並んで重要な動機となり、続いて歌われるチェロとホルンによるロ短調の印象的な旋律も(これを第2主題と見る解釈もあるが、ここでは経過句とする)すぐこの三連音の動機へと移行する。木管と弦が緊張を解くように掛け合うと、木管がやはり三連音を使ったなめらかな第2主題をロ長調で出し、小結尾は三連音の動機で凱歌をあげる。提示部は、4つの交響曲中ただひとつ繰り返されない。そのためか展開部は第1主題が原型のままで始まる。展開部で最初に扱われるのは第1主題だが、やがて三連音動機も加わる。遠いティンパニ・ロールの轟をともなって、木管によって寂しげに第1主題冒頭が再現されるが、第1主題9音目から提示部と同じ姿に戻り、そのあとはロ短調への転調もなく、ホ短調からホ長調へと型どおり進む。しかし小結尾では三連音の動機を繰り返しながら再び悲劇的な高まりを強め、第1主題のカノン風強奏を迎えて、コーダにはいる。コーダはほぼ第1主題提示部の強奏変奏の形で、そのまま悲劇的に終結する。終止は、サブドミナント(IV)からトニカ(I)に移行するプラガル終止(アーメン終止・変格終止)を採用している。
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第1楽章 Allegro non troppo
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「ヴァイオリン協奏曲第2番 (バルトーク)」の記事における「第1楽章 Allegro non troppo」の解説
ソナタ形式による。おおむねロ調(ロ短調)。独奏ヴァイオリンが弾きはじめる第1主題はヴェルブンコシュを踏まえた五音音階風だが、次第に音が増えていき、第2主題は12半音階の音がすべて出てくる。終盤付近にはヴァイオリン独奏で四分音まで使われる。演奏時間は約16分。
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第1楽章 Allegro non troppo
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「ヴァイオリン協奏曲 (ブラームス)」の記事における「第1楽章 Allegro non troppo」の解説
ニ長調、ソナタ形式。冒頭からゆったりとした第1主題(譜例1-1)がヴィオラ、チェロ、ファゴットにより演奏され、オーケストラが力強く提示する。オーケストラによる第2主題の提示がないまま弦楽器群がマズルカ風のリズムを力強く奏すとコデッタとなり流れるように下降して、そのまま第2提示部へ入る。独奏ヴァイオリンが情熱的な音で演奏に加わり第1主題をオーケストラと歌い交わす。オーケストラによる提示部で披露された動機が回想されるうちに独奏ヴァイオリンが優美な第2主題(譜例2)を奏でる。これが第1ヴァイオリン、ヴィオラに引き継がれ再びコデッタが現れ、総休止で提示部が終わる。 展開部はオーケストラのトゥッティによる第1主題で始まり、これまでに登場した動機を次々に活用し、入念に変形・組み合わせしてブラームスの美質を存分に味わえる。また独奏ヴァイオリンには9度、10度という幅広い音程での重音奏法が要求されている。これについてヨアヒムが「よほど大きな手でないと難しい」と修正を提案したのを拒絶している。ここではブラームスらしく弦楽器群とティンパニによる激しいトレモロと木管楽器の分散和音にのって独奏ヴァイオリンが重音奏法で演奏を続け更に音楽は力を増して再現部に入る。やはりトゥッティによる第1主題で始まり、提示部の主題を順番に再現し、オーケストラによるトゥッティで力強く締めくくってからカデンツァとなる。 ブラームスはカデンツァを書いていないため、この協奏曲は多くのヴァイオリニストがそれぞれのカデンツァを書いており、その種類が多いことでも知られている。主なものに、初演者のヨアヒム、フリッツ・クライスラー、レオポルト・アウアー、アドルフ・ブッシュ、ヤッシャ・ハイフェッツらのものがあるが、やはり圧倒的にヨアヒムかクライスラーのものが演奏される。カデンツァの後は第1主題に基づくコーダで独奏ヴァイオリンが静かに奏でるが、徐々に速度と力を増しながら力強く結ばれる。 譜例1-1 譜例1-2
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第1楽章 Allegro non troppo
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「交響曲第2番 (ブラームス)」の記事における「第1楽章 Allegro non troppo」の解説
第1楽章 Allegro non troppo Musopenより この音声や映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声・動画の再生をご覧ください。 ニ長調、3/4拍子。ソナタ形式(提示部反復指定あり)。冒頭に低弦が奏するD-C#-D(ニ-嬰ハ-ニ)の音型が全曲を統一する基本動機となっている。ホルンが牧歌的な第1主題を出し、木管がそれに応える。ヴァイオリンが基本動機に基づく明るい旋律を歌う経過句ののち、チェロが第2主題を奏する。この主題の冒頭は「ブラームスの子守歌」として親しまれている子守歌 op.49-4を嬰ヘ短調にしたものを基にしており、イ長調へ向かう。提示部には反復指定があるが、あまり実行されない。展開部では、主として第1主題を扱い、経過句や基本動機も加わる。第1主題に基づくトロンボーンの響きが次第に高まってクライマックスを築く。緊張が緩んだところで再現部となる。コーダでは、独奏ホルンや弦楽の幻想的な響きが聴かれ、木管が基本動機に基づく旋律を示し、次第に弱くなって結ばれる。「沈みゆく太陽が崇高でしかも真剣な光を投げかける楽しい風景」(クレッチマー)と表現されることもある。
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