福澤桃介の経営参加とは? わかりやすく解説

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福澤桃介の経営参加

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/17 17:23 UTC 版)

名古屋電灯」の記事における「福澤桃介の経営参加」の解説

明治末期名古屋電灯では、業績低下に不満を持つ株主によって「革新会」と称する派閥形成され反対に経営陣支持する株主によって「同盟会」と称する派閥組織され社内主導権争い発生していた。この動き関連して1908年8月長良川発電所建設向けた借入金50万円株主総会承認したことについて、その決議無効求め訴訟株主一人から起こされた。1909年明治42年10月大審院でようやく名古屋電灯勝訴するも、訴訟中に従業員による社費横領事件発覚し、不満をさらに高めた株主らは1908年10月業務状況などを調査させるよう名古屋地方裁判所訴えた訴え認められ三井銀行名古屋支店矢田績弁護士大喜多寅之助らが検査役選ばれ同年12月より3か月わたって帳簿などの精査したが、経営陣による不正は無いと結論付けられた。 こうした混乱最中名古屋電灯では東京実業家福澤桃介による大規模な株式買収進んでいた。日露戦争後株式相場で財を成した福澤は、その後各方面投資広げており、1907年には名古屋石炭商を営む友人下出民義名古屋電灯への投資勧められていた。このときは下出誘いを受けなかったものの、慶應義塾先輩矢田績検査役となった際の検査書類見せられ経営しないかと誘われると、福澤名古屋電灯への投資決定する。そして1909年2月名古屋へと赴き、下出矢田会って買収支払い方法打ち合わせた同年3月から福澤名古屋電灯株主名簿登場以後買収進め6月末までに5千余りを持つ株主となり、翌1910年6月末には1万を持つ筆頭株主躍り出た下出によれば買収資金出所三菱銀行であったという。 福澤進出対し名古屋電灯側では、まず1909年7月矢田勧めに応じて福澤顧問とし、次いで10月には新設相談役就けた。翌1910年1月定時株主総会福澤取締役選出され5月には常務取締役となった常務には創業者三浦恵民在職)。この福澤進出既存経営陣批判的な革新会」側から歓迎された。 名古屋電灯経営陣加わった福澤であったが、株式買収した段階では競合会社名古屋電力存在することを知らなかったという。当時新興名古屋電力既存名古屋電灯比較すると、名古屋電力八百津発電所発電力は名古屋電灯長良川発電所の約2倍、払込資本金も名古屋電力425名古屋電灯265万円と2倍近い差があり、名古屋電力開業し名古屋方面への送電始めると名古屋電灯著し脅威となると見られた。そこで名古屋電灯進出した福澤脅威取り除くべくすぐさま名古屋電力合併動き出す名古屋電力側も資金難に陥っていたため会社間の合併合意には時間がかからなかったが、反対に名古屋電灯株主中の反対論抑えるのは難航した反対派中心となったのは士族や旧愛知電灯株主で、合併による配当率低下危惧していた。このため解散する名古屋電力資本金500万円対し名古屋電灯側の増資250万円留め名古屋電力株主への新株交付持株2につき1とし、これによって生ず差益金から将来配当充てる配当補充金を積み立てる、という合併条件をまとめた。 1910年8月26日臨時株主総会にて名古屋電力合併可決されたが、これに続く役員増員にからみ総会紛糾した合併に伴う取締役3名・監査役の2名の増員総会議題となったが、この賛否をめぐり、福澤進出歓迎する革新改め「電友会」と、福澤系の経営陣不安視する同盟改め愛電会」の両陣営株主分裂し収拾がつかなくなったのである対立総会1週間前からあり、矢田績名古屋市長加藤重三郎らが斡旋乗り出していたが、当日深夜になって株主意見が一致することはなかった。合併について同年10月28日成立その後取締役2名・監査役1名増員という折衷案妥協がなり、11月臨時株主総会可決兼松熙旧名古屋電力役員新任された。この総会1週間後福澤常務職を兼松譲って辞任し取締役には留任)、一旦名古屋電灯経営から退いた

※この「福澤桃介の経営参加」の解説は、「名古屋電灯」の解説の一部です。
「福澤桃介の経営参加」を含む「名古屋電灯」の記事については、「名古屋電灯」の概要を参照ください。

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