町年寄若冲の活躍 ─錦市場再開をめぐって─とは? わかりやすく解説

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町年寄若冲の活躍 ─錦市場再開をめぐって─

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 01:18 UTC 版)

伊藤若冲」の記事における「町年寄若冲の活躍 ─錦市場再開をめぐって─」の解説

隠居後若冲は、作画三昧日々送っていたと見るのが長年定説であった。ところが、1771年明和8年)、屋があった中魚町の隣にある帯屋町町年寄勤めるなど、隠居後町政関わり持っており、更に錦高倉市場危機に際して市場再開奔走していた事が分かった事の発端は、1771年明和8年12月京都東町奉行所から帯屋町貝屋町奉行所出頭するよう通達が来たことに始まる。奉行所赴くと(若冲は同町の者に代役させている)、奉行所から市場営業認められ時期や、「棒銭」の使い道百姓たちの商売許可有無、などを返答するよう命じられる。早速書類作成し提出したが、免許状1755年宝暦5年)の大火焼失してしまって証拠ならないとして、翌72年正月15日帯屋町貝屋町中魚屋町西魚屋町営業停止裁定下される若冲奉行所交渉続けるなか、商売敵であった五条通青物問屋錦市場閉鎖追い込もうと謀っていることを知る。そんな折、五条問屋町明石家半次郎なる人物から「錦市場五条から役人達に残らず根回しされているから再開は無理だろう。それでは余りに気の毒だから、帯屋町だけは五条から借り請ける形で営業するなら、私が世話をしよう」と持ちかけられる明らかな抱き込み工作だが、若冲帯屋町だけが市立てするような行為は他町に対して不実至りである、という理由拒否するその後の交渉で、2月末に冥加金を年16上納することを条件に一旦市場再開されるものの、五条問屋町冥加金30上納する代わりに高倉市場差し止めて欲しいと請願したことを受けて7月に再び営業停止になってしまう。東町奉行所内意尋ねると、帯屋町一町だけなら許可されるかもしれないと、先の明石屋と同じ内容だった。 しかし、若冲はあくまで四町での錦市場存続模索する。そんな折、病気患った若冲が医名の高い原洲という人物を買いに行った時、「このまま市場止められたままでは、町年寄として末代まで汚名を残すことになり、また数千人の人々難儀する」等と胸の内を打ち明けると、江戸勘定所役人中井太郎知恵を仰ぐのを薦められる。諸方内々承合うと確かに適任らしいという感触掴んだため、中井仲介依頼する中井打開策は、市場関わる農民たちに市場営業停止になると年貢納められず、生活も苦しくなる御上訴えさせる、そして御蔵がある壬生村出訴するようまず説得した良い、というものだった若冲はその助言通り壬生村庄屋趣旨を話すと、庄屋五条では商売難しいからと賛成する一方壬生村100石ほどの小村だからもっと大きなからも出訴すれば効果があるのではないか、と助言した中井もこの意見賛成したため、若冲は更に中堂寺や西九条にも掛け合って市場存続嘆願運動を起こさせた。しかし事態好転せず、同8月若冲町年寄辞任する。これは、いざという時農民天領住人含まれているのを口実幕府評定所への出願覚悟し、町全体まで連座ないように「ヒラ」の町人になって活動するめだったその後周辺々に参加呼びかけ京都町奉行所近隣天領支配する小堀数馬役所らと交渉重ねる。途中四町中でも若冲帯屋町と弟が町年寄勤め中魚屋町の2町と、貝屋町西魚屋町の間では、農民の売立が占め割合前者比べ後者では大きくなかったらしく市場再開への対応に微妙な違いがあり、内外とも調整難儀する一幕もあった。最終的に1774年安永3年)に、銀35冥加金納める条件でついに市場公認された。こうした事情のためか、確実にこの時期描かれたことが解る作品は殆ど無い。

※この「町年寄若冲の活躍 ─錦市場再開をめぐって─」の解説は、「伊藤若冲」の解説の一部です。
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