無水酢酸とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 化学 > 分子化学 > 酢酸 > 無水酢酸の意味・解説 

むすい‐さくさん【無水酢酸】


酢酸無水物

分子式C4H6O3
その他の名称無水酢酸、酢酸無水物、Acetic oxideAcetyl oxide、Acetic anhydride、Acetic acid anhydride、Bisacetic acid anhydride、アセチルオキシド、Diacetic anhydride、Acetic acid acetyl ester、Bisacetic anhydride、Acetylacetate、3-Oxapentane-2,4-dione
体系名:3-オキサペンタン-2,4-ジオン、二酢酸無水物、酢酸アセチルビス酢酸無水物、アセチルアセタート


無水酢酸

英訳・(英)同義/類義語:acetic anhydride

酢酸分子からカルボキシル基部分水分子除去して縮合させ、酸無水物したものアセチル反応などに使用する

無水酢酸

CC Attribution-Noncommercial-Share Alike 3.0 Unported
Bio Wikiの記事を複製・再配布した「分子生物学用語集」の内容は、特に明示されていない限り、次のライセンスに従います:
CC Attribution-Noncommercial-Share Alike 3.0 Unported


無水酢酸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/04 03:43 UTC 版)

無水酢酸
識別情報
CAS登録番号 108-24-7 
PubChem 7918
ChemSpider 7630 
UNII 2E48G1QI9Q 
EC番号 203-564-8
国連/北米番号 1715
ChEBI
ChEMBL CHEMBL1305819
RTECS番号 AK1925000
特性
化学式 C4H6O3
モル質量 102.09 g mol−1
外観 無色の液体
密度 1.082 g cm−3, 液体
融点

−73.1 °C, 200 K, -100 °F

沸点

139.8 °C, 413 K, 284 °F

への溶解度 2.6 g/100 mL, 反応(本文参照)
蒸気圧 4 mmHg (20 °C)[1]
磁化率 −52.8·10−6 cm3/mol
屈折率 (nD) 1.3901
危険性
安全データシート(外部リンク) ICSC 0209
GHSピクトグラム
GHSシグナルワード 危険(DANGER)
Hフレーズ H226, H302, H314, H330
Pフレーズ P210, P233, P240, P241, P242, P243, P260, P261, P264, P270, P271, P280, P301+312, P301+330+331
NFPA 704
2
3
1
引火点 49 °C (120 °F; 322 K)
発火点 316 °C (601 °F; 589 K)
爆発限界 2.7–10.3%
許容曝露限界 TWA 5 ppm (20 mg/m3)[1]
半数致死濃度 LC50 1000 ppm (rat, 4 h)[2]
関連する物質
関連する酸無水物 無水プロピオン酸
関連物質 酢酸
塩化アセチル
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

無水酢酸(むすいさくさん、acetic anhydride)とは、カルボン酸無水物の一種で、酢酸2分子が脱水縮合したものに相当する。

純酢酸(氷酢酸とも)と混同されることがあるが、純酢酸とは水をほとんど含まない、純度がほぼ100%の酢酸のことで、異なる化合物である。

性質

無色で強い酸味と刺激臭を持つ液体。蒸気は催涙性を持っており、液体を皮膚に付着させると水疱炎症を生じる。

エタノールに易溶だが、徐々に反応して酢酸エチルとなる。また、エーテルベンゼンニトロベンゼンなどにも溶ける。には約2.7%溶けて、徐々に反応して酢酸となる。この反応はの存在により促進される。強塩基と反応させると酢酸塩となる。

合成法

工業的にはケテンと酢酸を反応させて製造される。あるいは無水塩化アルミニウム触媒とした酢酸とホスゲンの反応や塩化アセチル酢酸ナトリウムの反応でも生成する。

無水酢酸の 2010年度日本国内生産量は 241,291 t、販売出荷量は 39,828 t であった[3]。大部分は同一工場内でアセチルセルロースなどの原料として使用されている。

反応

カルボン酸無水物の反応性を持つ。塩基、または酸を触媒として、酢酸誘導体の合成に用いられる。例えば、アルコールと反応すると酢酸エステルが、アミンと反応するとアセトアミド誘導体が得られる。

用途

酢酸セルロース繊維の原料、アスピリン等の医薬品製造、香料染料等の合成原料など。

法規制

麻薬等の製造過程で使用される(モルヒネと化合させるとヘロインが出来る)ことから、平成13年11月25日に施行された、改正・麻薬及び向精神薬取締法により、日本では「特定麻薬向精神薬原料」に指定された。アメリカ合衆国ではDEA規則により使用と販売が制限されている。

2016年に改正された毒物及び劇物指定令によって、7月15日より本品およびこれを含む製剤が劇物に指定されている[4][5]

また引火性があるため、大量貯蔵管理に際しては危険物取扱者免許を要する(危険物第四類第2石油類)。

出典

  1. ^ a b NIOSH Pocket Guide to Chemical Hazards 0003
  2. ^ Acetic anhydride”. 生活や健康に直接的な危険性がある. アメリカ国立労働安全衛生研究所英語版(NIOSH). 2024年7月4日閲覧。
  3. ^ 経済産業省生産動態統計年報化学工業統計編 - 経済産業省
  4. ^ 毒物及び劇物指定令の一部改正について(通知)平成28年7月1日 薬生発0701第1号 [1]
  5. ^ 毒物及び劇物指定令 第二条 [2]

関連項目


無水酢酸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/14 15:30 UTC 版)

酢酸」の記事における「無水酢酸」の解説

詳細は「無水酢酸」を参照 2分子酢酸脱水縮合させると無水酢酸が得られる。これは酢酸ビニルモノマー用途に次ぐ酢酸主要な用途であり、2009年には世界の全消費量のうち18 %が無水酢酸の製造使用されている。酢酸メチルカルボニル化によって直接得ることもでき、カティバ法プラントをこの目的に使うこともできる。 無水酢酸は強力なアセチル化試剤であり、写真フィルム合成繊維などの用途があるアセチルセルロース製造などに用いられる。またアスピリンヘロインなどの合成にも使われる

※この「無水酢酸」の解説は、「酢酸」の解説の一部です。
「無水酢酸」を含む「酢酸」の記事については、「酢酸」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「無水酢酸」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「無水酢酸」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



無水酢酸と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「無水酢酸」の関連用語

無水酢酸のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



無水酢酸のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
独立行政法人科学技術振興機構独立行政法人科学技術振興機構
All Rights Reserved, Copyright © Japan Science and Technology Agency
JabionJabion
Copyright (C) 2025 NII,NIG,TUS. All Rights Reserved.
Bio WikiBio Wiki
Bio Wikiの記事を複製・再配布した「分子生物学用語集」の内容は、特に明示されていない限り、次のライセンスに従います:
CC Attribution-Noncommercial-Share Alike 3.0 Unported
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの無水酢酸 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの酢酸 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS