歯・消化器官
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/13 06:02 UTC 版)
ウィキメディア・コモンズには、歯に関連するカテゴリがあります。 歯(は、英: tooth) 魚類の歯は上下両顎(顎骨)、前鋤骨、舌、口蓋骨、咽頭骨、中篩骨などにある。顎骨以外のものは餌を嚙み砕いたり、切り刻んだりするには小さすぎ、口に咥えた餌を逃さないためにあると考えられる。摩耗するとすぐその付近から新たな歯が生え始める。 円錐歯(えんすいし、英: conical tooth) 先の尖った錐状の歯。待ち伏せて餌を獲るマエソ、アンコウなどでは大きくて数が多い。高速で泳ぐカツオ、サワラなどでは小さい。 臼歯状歯(きゅうしじょうし、英: molar tooth) または 臼歯(きゅうし) 噛み合う面が広くて臼のような形をした歯。固い殻を持つ動物を食べるマダイやイシダイなどによく発達する。 門歯状歯(もんしじょうし、英: incisor-like tooth) 板状で切縁がナイフのように鋭い葉。 犬歯状歯(けんしじょうし、英: canine-like tooth) または 犬歯(けんし) 長く牙状の歯。円錐歯の肥大強化した歯のこと。貪食なミズウオ、タチウオによく発達する。 敷石状歯(しきいしじょうし、英: pavemental tooth) タイル状の歯 鋸歯状歯(きょしじょうし、英: serrated tooth) 鋸の歯のような歯。 絨毛状歯(じゅうもうじょうし、英: villiform tooth) 微細な歯。絨毛状歯帯(じゅうもうじょうしたい) 微小な歯が密生した歯帯。 上顎歯(じょうがくし) 上顎骨に並ぶ歯。前上顎骨歯(ぜんじょうがくこつし) 上顎歯のうち前上顎骨に並ぶ歯。 主上顎骨歯(しゅじょうがくこつし) 上顎歯のうち主上顎骨に並ぶ歯。 下顎歯(かがくし) または 歯骨歯(しこつし) 下顎骨(歯骨)に並ぶ歯。 鋤骨歯(じょこつし) 鋤骨に並ぶ歯。 口蓋骨歯(こうがいこつし) 口蓋骨に並ぶ歯。 内翼状骨歯(ないよくじょうこつし) 内翼状骨に並ぶ歯。 副蝶形骨歯(ふくちょうけいこつし) 副蝶形骨に並ぶ歯。 基舌骨歯(きぜっこつし) または 舌下歯(ぜっかし) 基舌骨にある歯。 基鰓骨歯(きさいこつし) 基鰓骨に並ぶ歯。 咽頭歯(いんとうし、英: pharyngeal tooth) 咽頭骨に並ぶ歯。食物の咀嚼に使われる。形状は食性と関係している。固い餌を食べるブダイ、ベラ、ウミタナゴ類はよく発達する。上咽頭歯(じょういんとうし、英: upper pharyngeal tooth) 上顎の咽頭歯。 下咽頭歯(かいんとうし、英: lower pharyngeal tooth) 下顎の咽頭歯。 歯板(しばん、英: dental plate) 大きな歯が互いに癒合したもの。 角質歯(かくしつし、英: horny tooth) 円口類の口腔およびその周辺や舌にある歯状物。表皮の角質形成物で、脊椎動物の象牙質を持つ真歯とは異なる。円錐形を成し、消耗すると更新される。上唇歯(じょうしんし) ヤツメウナギ類の背面にある一群の歯。 下唇歯(かしんし) ヤツメウナギ類の腹面にある一群の歯。 側唇歯(そくしんし) または 内側唇歯(ないそくしんし) ヤツメウナギ類の口の左右側面にある歯のこと。 口縁総状物(しゅうへんし) ヤツメウナギ類にある歯。その周りには口縁総状物がある。 口歯板(こうしばん、英: lingual lamina) ヤツメウナギ類が持つ角質の歯。餌となる生物への吸着や、筋肉を舐めとるといった作用がある。上口歯板(じょうこうしばん、英: supra-pral lamina 下より上方にある歯板。ヤツメウナギ類の口歯板の背側。 下口歯板(かこうしばん、英: infra-oral lamina) 舌より下方にある歯板。ヤツメウナギ類の口歯板の腹側。 前舌歯板(ぜんぜっしばん) ヤツメウナギ類にある歯板。 可倒歯(かとうし、英: flexible tooth) 必要に応じて基部が折れ曲がって、内側または奥の方に倒れ、再び元に戻る歯。 有作用歯(ゆうさようし、英: functional tooth) または 作用歯(さようし)、機能歯(きのうし) 表面上に突出して作用している歯。 補充歯(ほじゅうし、英: supplymentary tooth) 現在作用している歯の直下または近くにあって、有作用歯が脱落した際発達して代替する歯。 口腔咽喉囊(口腔咽喉嚢、こうこういんこうのう、こうくういんこうのう) ペリカンのように下顎の腹面にできた袋状物。フクロウナギ、ウケグチザラガレイなどの深海魚にみられる。 咽喉囊(咽喉嚢、いんこうのう) 咽頭にある盲囊。餌となる微生物を集めるのに役立つ。 食道(しょくどう、英: esophagus) 消化管の一部。 食道囊(食道嚢、しょくどうのう、英: esophageal sac) 食道にある膨れた袋状物。内面に歯の形をした突起がある。 胃(い、英: stomach) 消化管の一部。硬骨魚類の中でもコイ類、ダツ類、サンマ類、ベラ類、ブダイ類は胃を欠く。 腸(ちょう、英: intestine) 消化管の一部。腸の巻き方は近似種間でかなり異なる。螺旋弁(らせんべん、英: spiral valve) 腸の内面にある。消化吸収の効果を大きくする。軟骨魚類や原始的な硬骨魚類にある。 直腸(ちょくちょう、英: rectum) 腸の末端部。 腹腔(ふくこう、ふっこう、ふくくう、英: abdominal cavity、羅: cavum abdominis) 消化管、鰾、生殖腺、腎臓などの諸器官を包蔵した体腔。 腹膜(ふくまく、英: peritoneum) 腹腔の内壁および腹腔の中の内部各器官を覆う薄い膜。 肝膵臓(かんすいぞう、英: hepatopancreas) 膵臓の組織が肝臓内に入り込んだもの。コイ、キス、タイ、ベラ、カワハギなどがもつ。 幽門垂(ゆうもんすい、英: pyloric caeca) 硬骨魚類の胃と腸の境(幽門部)にある紐状あるいは棍棒状の盲囊。食物の消化と脂肪などの栄養分の蓄積をする働きがある。分類形質となる。
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