昭和後期・平成・令和以後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 17:37 UTC 版)
「修学旅行列車」の記事における「昭和後期・平成・令和以後」の解説
しかしながら新幹線による修学旅行が1970年(昭和45年)に開始されると在来線での「集約臨」も急激に衰退していき、1975年(昭和50年)頃にはほぼ消滅した。団体列車の設定自体も昨今の少子化やバス、航空機などといった交通機関の多様化、さらには沖縄や海外を目的地に選ぶなど、旅行先そのものの多様化といった要因によって少なくなっているのが現状である。 例えば首都圏と北海道の間には1988年の津軽海峡線開通以降、「エルム」のダイヤを使って24系寝台車による修学旅行団体列車が運転されていたが、その後、国立高校または公立高校でも航空機を利用する学校が増加し、私立高校では行き先に海外を選ぶ学校が増えたこともあって年を追うごとに運転日数は減少。2006年10月を最後に運転を終了した。 現在では、JRの場合、千葉県千葉市から信州長野方面(外房線・内房線・総武本線沿線から中央本線経由、神奈川県 - 栃木県相互間(東海道本線・南武線沿線から日光と宇都宮地区から鎌倉・箱根方面)、新幹線各線など一部線区では臨時ダイヤにて毎年修学旅行列車が運行されている。 関西では2009年3月開業の阪神なんば線を活用し、姫路方面から伊勢志摩への直通列車の運転も検討されていたが、阪神なんば線経由の姫路方面から伊勢志摩への修学旅行列車を含む直通列車の運転は2021年現在実現していない。2011年3月のダイヤ改正で特急『はまかぜ』のキハ181系からキハ189系への置換えに伴い、姫路から奈良・伊勢方面への修学旅行列車も廃止することになったが、それにあたっては姫路市などが修学旅行生の輸送をバス輸送に切り替える方針を示した。バスに切り替えた後には車酔いなど児童の体調を考慮し、2017年度から移動距離の短い京都・奈良へ変更した。 近鉄では初代「あおぞら」20100系の老朽化により、1989年(平成元年)に、18200系を団体列車用に改造した「あおぞらII」10両を落成させているが、この車両は本来は車両限界による制約があった京都線・橿原線系統用の中型車体ゆえに定員が少なく老朽化が進んできたことから2006年(平成18年)1月をもって営業運転を終了。同年4月までに全車が順次廃車解体された。後継として2005年(平成17年)12月より、12200系を改装した15200系「新あおぞらII」が修学旅行を中心に運用されている。 なお、「あおぞらII」と「新あおぞらII」は、修学旅行以外の団体客による貸切列車にも運用されるが、逆に修学旅行で運用される車両は、車両編成数の関係から、特に春と秋の修学旅行客および一般団体客のシーズン時には「あおぞらII」および「新あおぞらII」のみでは不足することから、急行形車両の5200系、L/Cカーの5800系や同じくL/Cカーでシリーズ21の5820系も運用されており、また場合によっては、汎用特急車やロングシートの一般車(単独および5200系やL/Cカーに増結する形で)も、修学旅行客の貸切列車運用に充当することもある。 近鉄15200系電車「新あおぞらII」 新幹線を使用した修学旅行列車
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