春日の婿押しとは? わかりやすく解説

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春日の婿押し

名称: 春日の婿押し
ふりがな かすがのむこおし
種別1: 風俗習慣
保護団体名: 春日三期組合
指定年月日 1995.12.26(平成7.12.26)
都道府県(列記): 福岡県
市区町村(列記): 春日市大字春日
代表都道府県 福岡県
備考 1月14日
解説文: 春日の婿押しは、若水祭りともよばれ、正月十四日夕方に、前年結婚した花婿花嫁を、地域年齢組織である「三期組合」の人たちが祝うもので、「宿の行事」「若水祭」「せり」「お汐井取り」「婿押し(婿揉み)」「若水祝い」などの一連の儀礼繰り広げられる。「三期組合」は、春日神社氏子中男子によって構成されいわゆる若者組壮年組とを一体にした組織である。昭和十年代までは、年齢の若い順に、下の組・上の組・後見どこ・世話役中老年長六段階で構成され年齢階梯的組織であったこのうち、下の組から世話役までを青年としており、三期組合の名は、この青年中老年長階梯よるものとされている。
 行事内容紹介すると、十四日夕方、宿(公民館)で「子どもの取りが行われる。神酒奪おうとする子どもたちとこれを守る青年たちの間で攻防戦展開されるこのころ鳥居前積み上げられ左義長に火が点され、「宿の行事」が始まる。座敷には上座三期組合の代表・区長氏子総代など地区主だった人々着席し、以下、三期組合一同座席につく。いずれも着物姿正装し正座する上座後方には青年二人神酒保持して立つ。また上座の前には「島台」とよばれる鶴亀飾りものが置かれている。この前で「花婿挨拶が行われ、続いて振り袖姿の花嫁熨斗【のし】を三方乗せて出す「花嫁熨斗出しが行われる。青年上座の人から順に神酒注ぎ全員神酒をいただく「前酒」の式がある。「婿抱きの盃」は、花婿介添え役の婿抱きの間で盃が交わされるもので、このときは花嫁が酌をする。この間、謡い三番披露される。「若水祭」と称して春日神社神前神酒若水供えられ式典が行われた後、鳥居前運ばれる。宿の行事終わった後、一同は裸になり、晒し木綿ヘコ締めて鳥居前に集まる。青年団長が神酒神酒をいっきに飲み干すと、片手持ち振り回しながら左義長の火を三回まわる。これが終わると同時に一同飛び付き、「せり」が始まる。奪い合いは、社前御池入って行われ割り砕いて破片手にするまで続けられる
 せりが終わると「お汐井取り」である。左義長周り集まった男たち手ぬぐい頬かむりをし、数人ずつ肩を組み神社東方にある御汐井川の汐井まで走り橋のたもとにある九郎天神社前でシオイ(砂)をつかんで、再び春日神社境内戻り、お汐井揚げ石に盛る。「婿揉み」は「拝殿揉み」と「空揉み」とが行われる。まず拝殿上がった男たちは、花婿と婿抱きを輪の中に入れ囲み揉み合う幼児父親などに肩車されて加わる。祝い歌歌われひとしきり揉み合うと、一同境内出て手洗い鉢の前でもう一度揉み合いを行う。
 最後に行われるのが「若水祝い」である。玉垣の下で花婿と婿抱き囲み一同若水手ぬぐい花婿頭上にかぶせる。祝い歌最後の「もうひとつ祝うて、エイショーエ」の声とともに青年満たした若水三方から花婿浴びせ掛ける最後に左義長の火を囲んで手打ちが行われて、めでたく「婿押し」の行事終了する
 春日の婿押しは、年頭行われる水祝い習俗典型的な例であり、西日本数少ない残存例のひとつである。

春日の婿押し

名称: 春日の婿押し
ふりがな かすがのむこおし
種別1: 風俗習慣
保護団体名: 春日三期組合
選択年月日 1991.02.02(平成3.02.02)
都道府県(列記): 福岡県
市区町村(列記): 春日市大字春日
代表都道府県 福岡県
備考 所在地同一都道府県内のもの(このデータ種別1から移行しています)
解説文: 春日の婿押しは、若水祭りともよばれ、正月十四日夕方に、前年結婚した花婿花嫁を、地域年齢組織である「三期組合」の人たちが祝うもので、「宿の行事」「若水祭」「せり」「お汐井取り」「婿押し(婿揉み)」「若水祝い」などの一連の儀礼繰り広げられる。「三期組合」は、春日神社氏子男子によって構成されいわゆる若者組壮年組とを一体にした組織である。昭和十年代までは、年齢の若い順に、下の組・上の組・後見どこ・世話役中老年長六段階で構成され年齢階梯的組織であったこのうち、下の組から世話役までを青年としており、三期組合の名は、この青年中老年長階梯よるものとされている。
 十四日夕方、宿(公民館)で「子どもの取りが行われる。神酒奪おうとする子どもたちとこれを守る青年たちの間で攻防戦展開されるこのころ鳥居前積み上げられ左義長に火が点され、「宿の行事」が始まる。座敷には上座三期組合の代表・区長氏子総代など地区主だった人々着席し、以下、三期組合一同座席につく。いずれも着物姿正装し正座する上座後方には青年二人神酒保持して立つ。また上座の前には「島台」とよばれる鶴亀飾りものが置かれている。この前で「花婿挨拶が行われ、続いて振り袖姿の花嫁熨斗【のし】を三方乗せて出す「花嫁熨斗出しが行われる。青年上座の人から順に神酒注ぎ全員神酒をいただく「前酒」の式がある。「婿抱きの盃」は、花婿介添え役の婿抱きの間で盃が交わされるもので、このときは花嫁が酌をする。この間、謡い三番披露される。「若水祭」と称して春日神社神前神酒若水供えられ式典が行われた後、鳥居前運ばれる。宿の行事終わった後、一同は裸になり、晒し木綿ヘコ締めて鳥居前に集まる。青年団長が神酒神酒をいっきに飲み干すと、片手持ち振り回しながら左義長の火を三回まわる。これが終わると同時に一同飛び付き、「せり」が始まる。奪い合いは、社前御池入って行われ割り砕いて破片手にするまで続けられる
 せりが終わると「お汐井取り」である。左義長周り集まった男たち手ぬぐい頬かむりをし、数人ずつ肩を組み神社東方にある御汐井川の汐井まで走り橋のたもとにある九郎天神社前でシオイ(砂)をつかんで、再び春日神社境内戻り、お汐井揚げ石に盛る。「婿揉み」は「拝殿揉み」と「空揉み」とが行われる。まず拝殿上がった男たちは、花婿と婿抱きを輪の中に入れ囲み揉み合う幼児父親などに肩車されて加わる。祝い歌歌われひとしきり揉み合うと、一同境内出て手洗い鉢の前でもう一度揉み合いを行う。
 最後に行われるのが「若水祝い」である。玉垣の下で花婿と婿抱き囲み一同若水手ぬぐい花婿頭上にかぶせる。祝い歌最後の声とともに青年満たした若水三方から花婿浴びせ掛ける最後に左義長の火を囲んで手打ちが行われて、めでたく「婿押し」の行事終了する

春日の婿押し(むこおし)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/14 14:46 UTC 版)

春日神社 (春日市)」の記事における「春日の婿押し(むこおし)」の解説

古来から毎年一月十四日夜に行われるところの数百年の歴史を持つと伝えられる年中行事である。春日神社氏子のうち、前年結婚した新郎新婦を宿(現在は敷地内に建つ公民館)で披露し左義長点火さきっちょうてんか)、宿の行事)、拝殿境内で『祝い歌』を歌いながら婿を揉み(婿押し)、最後に若水掛けて祝福する行事若水祝い)と、五穀豊穣開運願ってせりやお汐井取りおしおいとり)が行われ、千秋楽幕を閉じる。農村社会様々な伝承複合され全国的にも珍しい貴重な民俗行事であるとされ、国指定重要無形民俗文化財に列せられている。

※この「春日の婿押し(むこおし)」の解説は、「春日神社 (春日市)」の解説の一部です。
「春日の婿押し(むこおし)」を含む「春日神社 (春日市)」の記事については、「春日神社 (春日市)」の概要を参照ください。

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