新世代コンピュータ技術開発機構とPrologとは? わかりやすく解説

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新世代コンピュータ技術開発機構とProlog

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/12 02:49 UTC 版)

Prolog」の記事における「新世代コンピュータ技術開発機構とProlog」の解説

1970年代終り頃、日本では通産省電子技術総合研究所の淵一博を中心とするグループ論理プログラミング重要性認識して日本コンピュータ技術基礎技術としてこれを取り上げることを提案する。これが最終的に1980年代新世代コンピュータ技術開発機構発足と活動つながった総額約570億円の国家予算約束され1982年新世代コンピュータ技術開発機構(ICOT)は活動開始するProlog を含む論理型言語はこの研究言語位置づけられ世界的な注目浴びることとなる。約10年間の研究活動中Prolog論理プログラミング研究急激に深化した実際1980年からの20年間に Prologメインテーマにした日本語の書籍は約50発刊された。ICOT の研究員積極的に Prolog啓蒙努め講習会チュートリアルワークショップ年に一度ならず開催した。ICOT が主催したロジック・プログラミング・コンファレンスは19831985年頃をピークに若い研究者達を刺激した研究活動前半の期間では論理型言語実用性証明するために、Prologマシン設計され三菱電機沖電気によって製作され、ICOT の他大学等研究機関配布された。この個人用逐次推論マシン PSI機械語 KL0 は単一化バックトラックなど Prolog基本的特徴を完全に備えていた。この KL0 によって、PSIマイクロコード制御した。KL0 を基礎として、オペレーティングシステム SIMPOS が設計され、これを記述するために、Prologオブジェクト指向プログラミング取り入れた ESPが近山隆により設計され使われた。ESP多重継承特徴とする当時としては先鋭オブジェクト指向言語であったが、後にカプセル化不備などが指摘されて、今日あまり話題となることはない。しかし、OS記述するという課題通じて論理型言語オブジェクト指向言語要素加えることによって、可読性高まりプログラム管理がしやすくなることが確認された。その反面Prolog のみでオペレーティングシステムを完全に記述してみる絶好機会逸したことも確かである。ESPPSI前提にせずに利用できるように、C言語書き直したCESPが開発されたが、これが普及への起爆剤になることはなかった。後に述べるように、PrologISO標準規格モジュール仕様としてESP採用否決された1995-6年頃以降はほとんど利用されることはなくなった。 ここまで述べたように、Prologは ICOT によって持ち上げられ言語 Prolog との印象が強いが、Prolog というプログラミング言語から見ての ICOT の影響は実は限定的だった。淵所長ら ICOT の主研究テーマ並列論理型言語にあり、研究後半では Prolog そのものからは離れて行くことになる。PSI使用した電子基盤利用して並列推論マシン PIM製作されて、Guarded Horn ClausesGHC)に基づく並列演算処理を追加した KL1設計された。この環境依存する形で、並列論理プログラム言語KL1知識プログラミング全般研究利用された。PSI と SIMPOS を使った研究続けられはしたが、割り当てられ研究員の数は極めて少なかった。 ICOT の活動総括して知識プログラミング各課題において準備不足からくる消化指摘する向きが強いのだが、こと Prolog から見て前半期活動は、今日語られることも少ないが、極めて充実したものであったといえる。 ICOT の活動盛期1984年京都大学学生3名が研究課題として製作した Prolog-KABA がその性能の高さとアセンブラ記述されたことからくる高速性で世界驚かせた。この処理系MS-DOS 上で製品化されて Prolog普及大きく貢献したSuccessful pop末尾再帰最適化など高い安定した性能黎明期パソコン上のビジネスソフト基礎言語としての展開も期待されたが、16ビット整数しか持たず浮動小数点数扱えない仕様であったため、この分野への展開は起こらなかった。この点はアセンブラ記述され簡単に拡張できない点が裏目に出た結果としてこの仕様乏しさが、日本ビジネスソフト知識プログラミング水準との間に横たわる分水嶺越えることができなかった原因一つとなった

※この「新世代コンピュータ技術開発機構とProlog」の解説は、「Prolog」の解説の一部です。
「新世代コンピュータ技術開発機構とProlog」を含む「Prolog」の記事については、「Prolog」の概要を参照ください。

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