新世代の台頭
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 00:02 UTC 版)
2016年度に入ってから、急速に世代交代の動きが始まった。まず名人戦で佐藤天彦が羽生を破り16年ぶりの20代新名人となった。さらに同年度の順位戦では、稲葉陽が名人挑戦権を得て、翌年度の名人戦が21年ぶりの20代対決となる一方で、森内がA級から陥落し直後にフリークラス宣言を行った。この年、羽生世代は棋王以外の6タイトルの番勝負に出場するが3勝3敗に終わり、タイトル保持者は羽生三冠のみとなる。タイトル保持者に占める羽生世代の割合は6年ぶりに過半数を割った。 2017年度には、前年に歴代最年少の14歳2か月でプロ入りした藤井聡太がデビューから無敗連勝を続けて、6月に歴代記録を更新する29連勝を達成、また最年少で全棋士参加棋戦優勝を成し遂げた。さらに菅井竜也が平成生まれ棋士の初タイトル(王位)を獲得、続いて「平成のチャイルドブランド」の一人である中村太地が王座を獲得し、若手の台頭が注目された。一方、羽生は渡辺明から竜王のタイトルを奪還して永世竜王の資格を獲得し永世称号「七冠」を達成したが、菅井と中村にタイトルを奪われたため二冠に後退する。 2018年度は、羽生が棋聖と竜王を失冠して27年ぶりに無冠となり、ついに羽生世代のタイトル保持者がひとりもいなくなった。一方、NHK杯戦ではベスト4を羽生世代(羽生、郷田、丸山、森内)が独占し、健在ぶりを示した。 2019年度は、竜王戦で第1期から31年間続いていた羽生世代の決勝トーナメント進出が途絶え、羽生世代のタイトル戦番勝負出場も羽生が王位戦挑戦者決定戦で木村一基に敗れる等で31年ぶりに途絶えた。ポスト羽生世代の木村一基は平成生まれの豊島将之から王位を奪取し、46歳・タイトル挑戦7度目で悲願の初タイトル獲得となった。 2020年度は、羽生が50歳で竜王戦の挑戦者に決定するなど巻き返しを見せたが、タイトル獲得はならなかった。 2021年度は、王位戦で羽生、王座戦で佐藤康光、棋王戦で郷田が挑戦者決定戦に登場したが、いずれも挑戦者にはなれなかった。また、順位戦で羽生の降級が決定し、A級に残留する羽生世代は佐藤康光だけとなった。羽生と入れ替わるように、10代の藤井聡太竜王(五冠)がA級に昇格した。
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