フリークラス宣言(転出)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 03:54 UTC 版)
翌期のB級1組以下の棋士は、順位戦終了後から年度末の間に「フリークラス宣言」を行うことができる。 「フリークラス宣言」を行なった棋士は、フリークラス転出者して扱われ二度と順位戦に出場することはできないが、順位戦以外の公式棋戦に参加できる。 フリークラス転出者(宣言棋士)は、原則として定年・引退となる65歳、または規定の年数まで現役棋士として活動を続けられる。 規定の年数は次の通りに算出される。 フリークラス宣言を行った全ての棋士について「順位戦在籍可能な最短年数」(以下「年数」と表記、下表参照)までフリークラスに在籍できる。 上記の期間中に満65歳となる棋士は、「年数」を満了した時点で引退となる。 上記の「年数」が経過した時点で、満50歳以上満64歳以下の棋士は、更に満65歳を迎える年度までフリークラスに在籍できる。 上記の「年数」が経過した時点で、満49歳以下の棋士は、更に15年間フリークラスに在籍できる。 「順位戦在籍可能な最短年数」早見表宣言しない場合の「翌期クラス」B級 1組B級 2組C級 1組C級 2組上記「翌期クラス」の降級点- 降級点なし 降級点1 降級点なし 降級点1 降級点なし 降級点1 降級点2 順位戦在籍可能最短年数8年 7年 6年 5年 4年 3年 2年 1年 上記の年数経過時の年齢満49歳以下 更に15年間 フリークラスに在籍 満50歳以上 満64歳以下 満65歳を迎える年度まで フリークラスに在籍 満65歳以上 「年数」を満了した時点で引退(参加可能棋戦が無い場合) ここでいう「順位戦在籍可能な最短年数」とは、仮に当該棋士がそのまま順位戦に在籍し続け、連続して降級・降級点付与の対象になったものとして、フリークラスに陥落するまでの最短の年数のことである(表参照)。宣言フリークラス棋士の場合に、宣言から引退するまでの期間が最も長くなる場合(表の年数を含める)は23年(=8年+15年)、つまり「フリークラス宣言がB級1組 在籍時」かつ「宣言時の年齢が満42歳以下(宣言から23年後の年齢が満65歳以下)」)となるが、この条件を満たす例は過去になく、B級1組在籍時に最も若い年齢で宣言した例は、当時46歳の森内俊之である。また、C級1組以上の在籍者がフリークラス宣言をした事例も少なく、1994年度よりフリークラス制度が導入されて以降、2018年度終了時点で下記の5例のみであるが、規定年限まで現役を続けた棋士はまだいない。 順位戦上位(C級1組以上)在籍時にフリークラス宣言をした例(5人、うち4人引退) (2018年度終了時点、年齢は年度末時点)鈴木輝彦 第55期終了時(1997年3月)に42歳で宣言(翌期「C級1組 降級点なし」、宣言から20年後(2017年3月31日)まで在籍可) →2004年3月31日引退 勝浦修 第55期終了時(1997年3月)に50歳で宣言(翌期「B級2組 降級点1」、宣言から15年後(2012年3月31日)まで在籍可) →2011年8月19日引退 米長邦雄 第56期終了時(1998年3月)に54歳で宣言(翌期「B級1組」、宣言から11年後(2009年3月31日)まで在籍可) →2003年12月18日引退 中原誠 第60期終了時(2002年3月)に54歳で宣言(翌期「B級1組」、宣言から11年後(2013年3月31日)まで在籍可) →2009年3月31日引退 森内俊之 第75期終了時(2017年3月)に46歳で宣言(翌期「B級1組」、宣言から19年後(2036年3月31日)まで在籍可)
※この「フリークラス宣言(転出)」の解説は、「順位戦」の解説の一部です。
「フリークラス宣言(転出)」を含む「順位戦」の記事については、「順位戦」の概要を参照ください。
- フリークラス宣言のページへのリンク