惑星冒険ものとSFとは? わかりやすく解説

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惑星冒険ものとSF

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/02 21:49 UTC 版)

惑星冒険もの」の記事における「惑星冒険ものとSF」の解説

1926年から出版始まり1930年代隆盛迎えたSFパルプ雑誌惑星冒険もの新たな市場創出し、このジャンル新たな担い手生み出す効果発揮した。プラネット・ストーリーズ(英語版)やスタートリング・ストーリーズといったパルプ雑誌惑星冒険もの中心だった。一方ウィアード・テイルズのような既存ファンタジー誌は、それまでホラー剣と魔法ものからSF冒険ものへと移行しはじめた中でも特筆すべき作家として、《ノースウェスト・スミスシリーズ1933年-1947年)で知られるC・L・ムーアがいる。ムーアストーリーには活劇がほとんどなく、むしろ心理的緊張描いており、特にムーアにとって危険で官能的だった未知なるものの恐怖魅力描いている。 1940年代と1950年代において惑星冒険ものジャンル特筆すべき作家としてリイ・ブラケットがいる。そのストーリーは複雑で、単純な勧善懲悪ではなく冒険活劇盛大であり、時にはラブストーリーもからめ、パルプ雑誌では滅多に見られないほど重厚詳細な設定があり、スペースオペラファンタジー融合させたスタイルだった。ブラケットはプラネット・ストーリーズ(英語版)とワンダー・ストーリーズ誌の常連で、同じ世界設定共有する主人公異なる(エリック・ジョン・スタークは例外的に複数作品登場一連の作品生み出したブラケットストーリー第一に冒険小説だが、文明の衝突帝国主義植民地主義といった問題テーマとしていた。 ブラケットの「金星魔女」とA・E・ヴァン・ヴォークトの「原子帝国」を比較してみると興味深い。これらの作品ロバート・グレーヴスの『この私、クラウディウス』をプロット設定下敷きにしている。ヴァン・ヴォークト自身考案した帝国詳細語り主人公脆弱さ強調するブラケットは、陰謀巻き込まれたある女性空想的魅力とりつかれた地球人登場させている。どちらもスペースオペラだが、ブラケット作品だけが惑星冒険ものと言える1960年代中ごろから、太陽系舞台としてきた伝統的な惑星冒険もの廃れていった。科学技術進歩によって太陽系には地球以外生命存在しうる場所がほとんどないことがわかったためで、以降何らかの超光速航法前提として太陽系外惑星舞台とするようになっていった。例外として1966年から始まったジョン・ノーマンの《反地球シリーズがある。舞台となる惑星ゴル太陽はさんで地球反対側にある反地球である。「異星人優れた科学」により重力作用地球からの探査機ではゴル発見できないという惑星冒険ものよくある設定になっている惑星冒険ものは現在もSFの中で重要な一部となっているが、その呼称軽蔑的なものと見られているため、作家自らがこの呼称を使うことは少ない。また、惑星冒険ものスペースオペラ要素交じり合った作品多くどちらか一方分類することは困難である。 フランク・ハーバートの《デューンシリーズの特に初期の作品アラキスという砂の惑星舞台としており、惑星冒険ものとしての要素全て備えている(「剣と惑星」ものの要素若干ある)。しかし、ハーバート哲学生態学政治などについての自分の考え方を披露するために設定使っているだけともいえる。 マリオン・ジマー・ブラッドリーダーコーヴァ年代記もダーコーヴァという惑星舞台中心であり、惑星冒険もの分類できる。ただし、銀河規模設定単なる背景とどまっているとは言えない。同様にL・スプレイグ・ディ・キャンプスペースオペラ「Viagens Interplanetarias(英語版)」シリーズ一部をなしている Krishna も惑星冒険ものと言えるアーシュラ・K・ル=グウィン初期作品『ロカノンの世界』や『辺境惑星』は惑星冒険ものとされている。《ハイニッシュ・サイクル》は総じて惑星冒険ものといえるが、後期の作品ほどファンタジー要素薄く社会学人類学テーマとして前面出てきている。 Science Fiction: The 100 Best Novels英語版)(1985) で編集者評論家のデビッド・プリングル(英語版)は、マリオン・ジマー・ブラッドリーアン・マキャフリイ惑星冒険もの重要な作家として挙げている。マキャフリイの《パーン竜騎士シリーズ銀河規模背景設定冒頭簡単に書かれているだけである。読者科学的世界観重要だが、パーン社会では科学技術失われている設定である。

※この「惑星冒険ものとSF」の解説は、「惑星冒険もの」の解説の一部です。
「惑星冒険ものとSF」を含む「惑星冒険もの」の記事については、「惑星冒険もの」の概要を参照ください。

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