従兵機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 15:07 UTC 版)
東方語では「ペナン」「リュード・イム・ペナン」、西方語では「ゾルダ」と呼ばれる。従兵機は西方工呪会が生み出した機種で、狩猟機に付き従うものとして作られたことが名の由来となっている。狩猟機に比べると機構が簡略化されており、全体的に作りが粗雑である。西方では均質な兵力を多数揃え、面で圧倒する戦法を重視していることから従兵機の開発に熱心であり、性能や運用法も東方に比べて進歩しているという。 東方側に本来この様な機種を作ろうと言う発想がなく、200年ほど前の西方との戦いで大量に操兵が必要となり、工呪会製の従兵機を模倣して東方でも作られるようになった。現在はアハーン大陸全体に普及し、近年では従兵機独特の発展をとげた機種も誕生し、戦場で効果的な戦いもする様になった。 最大の特徴は、その機体のほとんどが頭を持たず低俗な仮面を胸部に装備している点で、騎士からは「首なし」と蔑称されることもある。武器も実用本位の長柄武器が主流である。戦闘力は狩猟機の1/3程度とされるが、価格は狩猟機の1/5〜1/10であり、コストパフォーマンスに優れている。また仮面の格が低く反応が鈍いことは、逆に操縦が簡単であることにつながり、工呪会の統計では10人中8人が起動に成功するとされている。このことは操手の数を揃えやすいことを意味する。機体、仮面共に生産性が高い事もあり機数でいえば狩猟機より遥かに出回っている。 ル・グリップ ル・グリップ類別従兵機 所属ダマスタ軍 / クリシュナ隊 生産西方工呪会 面齢7歳以上 機齢7歳以上 全高1.7リート 全備重量6.03グロー 搭乗者クリシュナ隊 武装槍 西方工呪会最新鋭の従兵機で、出征するクリシュナに配下として10機が送られた。硝子製の天蓋に覆われた密閉式の操主槽を持ち、従兵機ながら狩猟機並みの戦闘力を持つ。特に脚部の性能は目覚しく、従兵騎は動きが鈍いという常識を覆し、走破力に関してはアビ・ルーパと同等以上である。膝が他の操兵に見られない多重関節(いわゆる鳥足)になっており、それを一挙に伸ばすことで驚異的な跳躍力を持つ。この跳躍力を活かした、頭上からの体重をかけた戦斧の一撃を得意の戦法とする。気密性の高い操主槽は短時間なら水中・砂中行動が可能である。 奇襲を読まれ、すべて狩猟機で編成されたグルーンワルズに真っ向から戦闘を挑む事となったが、相討ち同然ながらも敵全騎を討ち取り、その性能を実証した。 ボアー シン国に供与されている西方工呪会製の従兵機。 ラグン・ファーケンと共に、隊伍を組んで長槍を構える集団戦術に特化した機体。このため、後部など不必要な部分の装甲を削減し、代わりに前面装甲を狩猟機並みにしている。 ナバーラ ナバーラ類別従兵機 所属聖刻騎士団 生産東方聖刻教会 面齢26〜40歳以上 機齢26〜40歳以上 全高1.52リート 全備重量5.89グロー 搭乗者聖刻騎士団低階級の従士 武装槍 聖刻騎士団が使用する正式従兵機。筒状の胴体を中心に上方から見ると特徴的なコの字型の機影をしている。運搬・戦闘補助が主任務で、遠征の際の宿営用の荷物や食料及び、正騎士が使用する狩猟機の予備武装を運搬する軍用トラックのような機体。従士など、聖刻騎士団の低位の位の隊員が使用する ヴァクレイ ヴァクレイ類別従兵機 所属聖刻騎士団 生産東方聖刻教会 面齢15〜30歳以上 機齢15〜30歳以上 全高1.68リート 全備重量7.23グロー 搭乗者聖刻騎士団低階級の従士 武装槍 聖刻騎士団が運用する従兵機。運搬用のナバーラと違い戦闘を中心に設計されている。開放型の操手槽だが、仮面上部に弓矢や石から搭乗者を守るための取り外し可能な遮蔽版を装備している。このために遠目には顔があるように見えなくも無い。 ムルーア ムルーア類別従兵機 所属ウルオゴナ軍 生産東方聖刻教会 面齢3〜7歳以上 機齢3〜7歳以上 全高1.41リート 全備重量5.54グロー 搭乗者ウルオゴナ兵 武装槍 聖都計画の一環として、ダマスタ侵攻を開始したウルオゴナに大量に委譲された操兵。西方工呪会製並みの量産力を持ち分解組み立てが簡単で前線での運用に適している。 整備性が良いなど進歩している点はあるが、通常は廃棄されるほど質の低い聖刻石を使って仮面を製作されており、性能は低く寿命も短い。行軍途中で脱落放棄された機体も多いが、それでも圧倒的機数(約3,000機)が投入され、オズノの戦いでは足止めを図るダマスタの狩猟機を、数に物を言わせて押し潰している。 パイダーフ パイダーフ類別従兵機 所属東方中原諸国・一般 生産東方聖刻教会 面齢10〜55歳以上 機齢10〜55歳以上 全高1.32リート 全備重量5.22グロー 武装金剛棒 戦斧 槌矛 東方製の一般的な従兵機。各国の軍で使用され、中原でもよく見かける機体。現在ではほとんど旧型になっている。東方編以降は聖刻騎士団関係の描写が多いため、ほとんど登場しなくなってしまった。
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