後世のキリスト教世界におけるコンスタンティヌス1世とは? わかりやすく解説

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後世のキリスト教世界におけるコンスタンティヌス1世

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 03:14 UTC 版)

コンスタンティヌス1世」の記事における「後世のキリスト教世界におけるコンスタンティヌス1世」の解説

コンスタンティヌス1世後世キリスト教徒たちにとって最も重要な皇帝1人と見なされ、キリスト教世界において長きわたって権威源泉であり続けた彼にまつわる虚実織り交ざった歴史的記憶政治・社会宗教において大きな影響与えたローマカトリック教会においてその影響を示すものが『コンスタンティヌスの寄進状(Constitutum Constantini)』と呼ばれる偽造文書である。『コンスタンティヌスの寄進状によればコンスタンティヌス1世使徒ペテロパウロ、そしてローマ教皇シルウェステル1世によってキリスト教改宗したという。そして、天上皇帝座を占めるべき場所(ローマ)に俗界皇帝身を置くべきではないことからコンスタンティノープルへ遷都行い教皇シルウェステル1世に「都市ローマと、イタリアおよび西方すべての地区都市属州」の支配権授与した。さらにコンスタンティヌス1世ローマ教皇庁東方4つ総大司教座コンスタンティノープルアレクサンドリアアンティオキアエルサレム)に対す首位権を持つことや、皇帝教皇騎乗補助する義務を負うこと、皇帝教皇教皇冠Tiara)を含む各種権標授けたこと、教皇皇帝同格であることなどを定めたとされる8世紀に入る頃になるとビザンツ帝国東ローマ帝国)はローマを含むイタリアで影響力喪失しつつあり、その庇護当てにできなくなったローマ教皇庁帝国と距離を置き自立の道を探るようになっていた。この文章この頃ローマ教皇周囲作成され偽造文書であることに疑いはなく、それが作成され動機についてはっきりわかることもない。しかし、この文書11世紀叙任権闘争以降ローマ教皇庁側の政治的地位根拠として重要な役割を果たすことになる。 また、800年に「ローマ皇帝」に即位し西ローマ帝国を「復活」させたフランク王国カロリング朝)の王カール1世大帝)はローマ教皇ハドリアヌス1世によってコンスタンティヌス1世擬せられており、カール1世自身コンスタンティヌス1世印璽模倣したものを用いていた。また、コンスタンティヌス1世宮殿アウラ・パラティナを、アーヘン宮殿を建造する際の参考にしたとも言われるキリスト教世界におけるコンスタンティヌス1世権威は、彼が建設した都市コンスタンティノープルを都としたビザンツ帝国においても同様に高かった。それを端的に証明するのは皇帝の名前である。ビザンツ帝国60名あまりの皇帝のうち「コンスタンティノス」(コンスタンティヌス)を名前とした皇帝は実に11名に達する。初のキリスト教徒皇帝として地上における主キリスト唯一の代理者となったコンスタンティヌス1世は、ビザンツ皇帝にとってその出発点であるとも考えられコンスタンティヌス1世に関するあらゆる事物は「聖なる」という形容詞付与された。 コンスタンティヌス1世残像は東の皇帝と西の皇帝の間の権威を巡る論争でもたびたび議題上り続けた968年に(神聖ローマ皇帝オットー1世使者としてコンスタンティノープル訪問したリウトプランドは「フランク人」の皇帝号承認しようとしないビザンツ宮廷との論争においてコンスタンティヌス1世ローマ教皇庁や「フランク人」に与えた贈り物」の数々言及し、またコンスタンティヌス1世の名前を与えられ都市依拠しつつ、祖先言葉ラテン語)と衣服変更したギリシア人皇帝」がいかにその後継者として相応しくないかを強調しビザンツ皇帝対す西方皇帝優位主張した。そしてリウトプランドとも面会したコンスタンティヌス1世と同じ名前を持つ当時ビザンツ皇帝コンスタンティノス7世息子ロマノス2世に、当時議題にあがっていた「フランク人諸侯との縁組可能性について、「コンスタンティヌス大帝遺訓」に基づいてローマ人皇帝蛮族通婚てはならないとした。

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