影響を受けた俳優・監督・作品
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 03:20 UTC 版)
「クエンティン・タランティーノ」の記事における「影響を受けた俳優・監督・作品」の解説
日本映画の造詣が深く影響を受けている。脚本を担当した映画『トゥルー・ロマンス』では主人公にタランティーノ自身を投影させており、サブカルチャー・ショップの店員である主人公は「Sonny Chiba (千葉真一)の熱狂的ファンで、『激突! 殺人拳』をガールフレンドと映画館で観賞し、部屋に『カミカゼ野郎 真昼の決斗』と『東京-ソウル-バンコック 実録麻薬地帯』のポスターがそれぞれ貼ってある」という設定である。『パルプ・フィクション』では、ブルース・ウィリスに日本刀での殺陣を行わせた。 三隅研次や鈴木清順、塚本晋也のファンで、特に三隅が監督し勝新太郎が主演した『座頭市』シリーズや若山富三郎主演『子連れ狼』シリーズのファンであり、とりわけ『キル・ビル』のチャンバラシーンは勝が制作し三隅が監督した若山主演の『子連れ狼 三途の川の乳母車』のオマージュである。『パルプ・フィクション』日本公開の際に来日し、同作の公開イベントで尊敬する勝と対面し、勝と話したり、勝の行きつけの店で食事をした。 『キル・ビル Vol.1』は深作欣二へ捧げられており。初めて会った深作にサインを求めたのが『ガンマー第3号 宇宙大作戦』のLDであり、深作がアメリカのタランティーノの自宅に訪れた際は、タランティーノが所有している深作作品である『柳生一族の陰謀』の35mmフィルムをシアタールームで鑑賞したという。同作『キル・ビル Vol.1』では自身がファンである『影の軍団シリーズ』に出演していた大葉健二を起用。ファンである日本人映画監督が石井輝男・石井聰亙・石井隆・石井克人ということから、敵のヤクザの名前を「イシイ」としたりなど、タランティーノの嗜好を垣間見ることができる。また日本で舞台挨拶をする条件に「梶芽衣子と2人で会える時間を設ける」ことを要求していた。配給会社は梶の承諾を取らずにこの条件を飲んでしまい、ドラマ『あなたの隣に誰かいる』の撮影中だった梶は無許可で承諾したことに怒って断るが、同ドラマプロデューサーの鈴木吉弘がタランティーノのファンだったため、スケジュールを調整し対面が実現した。『レザボア・ドッグス』は深作の『仁義なき戦い』の影響を受けている作品であり、日本語吹き替えビデオには『仁義なき男たち』がつけられ、深作の推薦コメントも寄せられた。 クリント・イーストウッド主演の『荒野の用心棒』や『続・夕陽のガンマン 地獄の決斗』などのマカロニ・ウェスタンで知られる、イタリア映画のセルジオ・レオーネ監督を尊敬しており、2014年のカンヌ国際映画祭で『荒野の用心棒』が35mmフィルム上映されたことを絶賛し、「『荒野の用心棒』は世界初のPV(プロモーションビデオ)映画。エンニオ・モリコーネの音楽を優先に撮影編集した画期的な作品」「アクション映画の革命」と評し、『続・夕陽のガンマン 地獄の決斗』のフィルムを所有し年に一度は親しいスタッフや家族、友人たちとスクリーンで鑑賞していると発言。 北野武作品のファンであり、北野もタランティーノのファンであることからインタビュー本で北野は彼の名を出した。 フランコ・ネロ主演『続・荒野の用心棒』などのマカロニ・ウェスタンやホラー作品『ビヨンド』などのルチオ・フルチ作品、地獄のバスターズ』などのエンツォ・G・カステラーリ作品等のB級イタリア映画やジミー・ウォング作品等のショウ・ブラザーズ制作の香港映画などと共に、前述の三隅作品や深作映画などをグラインドハウスで鑑賞し、自身の作品に多大な影響を受けた。 ロベール・アンリコ監督によるフランスの反戦映画の名作『追想 (1975年の映画)』のファンであり、町山智浩に『イングロリアス・バスターズ』のインタビューで同作品への『追想』の影響を指摘された際には喜びを現にした。またリチャード・フライシャーが手掛けた南部アメリカ時代の黒人差別をリアルに描いた異色の歴史大作『マンディンゴ』も絶賛している。 ジャン=ポール・ベルモンド主演『いぬ』やアラン・ドロン主演『サムライ』などの犯罪サスペンスの監督で、フランスのヌーヴェルヴァーグに影響を与えた、ジャン=ピエール・メルヴィル作品の大ファンである。 『ワイルドバンチ』を始めとするサム・ペキンパー作品のファンであり、また『ワイルドバンチ』のメインキャストであるロバート・ライアンが主演したロバート・ワイズ監督のフィルム・ノワール『罠』も絶賛しており、特に『パルプ・フィクション』のブルース・ウィリス演じる八百長試合を拒否するボクサーのエピソードに絶大な影響を受けた。 町山智浩の『映画秘宝』(双葉社)の連載「男の子映画道場」によればチャールズ・ブロンソン主演『狼の挽歌』『マジェスティック』ドン・シーゲル『ダーティハリー』『突破口!』ジョン・フリン『組織』『ローリング・サンダー』セルジオ・ソリーマ『非情の標的』等も絶賛し、影響を受けたという。 初代『ゴジラ』などを監督した、日本の怪獣映画の巨匠本多猪四郎監督のファンであり、来日した際のインタビューで特に『ガス人間第一号』と『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』が好きと発言。 増村保造作品のファンである。 三池崇史のファンであり、映画『キル・ビル』に三池作品に出演したキャストを参加させた。自らも三池の映画『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』に伝説のガンマン役で出演している。 映画監督エド・ウッドのファンである。また、現役の監督で初めて夢中になった監督はブライアン・デ・パルマである。 タランティーノは千葉や深作、梶、石井、三隅研次、ジョン・ウーを絶賛している日本の映画雑誌『映画秘宝』に寄稿している町山智浩や高橋ヨシキらとも親しい。
※この「影響を受けた俳優・監督・作品」の解説は、「クエンティン・タランティーノ」の解説の一部です。
「影響を受けた俳優・監督・作品」を含む「クエンティン・タランティーノ」の記事については、「クエンティン・タランティーノ」の概要を参照ください。
- 影響を受けた俳優・監督・作品のページへのリンク