広島県議会議員13人に対する広島県政治倫理条例に基づく広島県議会政治倫理審査会の設置
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「河井夫妻選挙違反事件」の記事における「広島県議会議員13人に対する広島県政治倫理条例に基づく広島県議会政治倫理審査会の設置」の解説
2021年3月4日、河井克行・案里夫妻から現金を受け取ったと検察から認定された広島県議13人について、広島県議会の民主県政会(14人)と公明党議員団(6人)の2会派が連名で、広島県政治倫理条例に基づく広島県議会政治倫理審査会の設置を広島県議会議長・中本隆志に請求した。検察当局が立件しなかった広島県議13人は全員が議員辞職しておらず、広島県議会として経緯の説明を求める考え。2007年の条例制定以来、初めて政治倫理審査会が設けられることになった。県議・犬童英徳(民主県政会)から審査請求書を手渡された中本議長は「時間をかけず、早期に開催したい」と意向を述べた。 2021年3月5日、現金を受領したと検察から認定された県議13人について、広島県政史上初の広島県議会政治倫理審査会の設置が決定。政治倫理審査会の委員の構成は最大会派の自民議連が6人、民主県政会が3人、広志会が2人、公明党が1人の計4会派12人。3月12日に初会合を開く予定で正副委員長を決める。 2021年3月10日、広島県議会政治倫理審査会が正式に設置された。 2021年3月12日、広島県政史上初の広島県議会政治倫理審査会が広島県議会棟で開かれ、委員長に中原好治(民主県政会会長)が、副委員長に栗原俊二(公明党議員団団長)がそれぞれ選任された。ともに審査を請求した会派から選ばれた。広島県政治倫理条例では政治倫理審査会は原則、非公開と定められている。 2021年3月26日、広島県議会政治倫理審査会の2回目の会合が開かれた。審査にあたっては被審査議員の出席を要請し、審査事項についての説明を聴取するとした。また、中原好治委員長から、県議13人からの説明を報道陣に公開して実施すること、現金を受け取った経緯や違法性の認識があったかなどを質問形式でたずねること、実施時期については5月中旬、という案が出された。委員長案は、4月の次回の政治倫理審査会までに各会派ごとで協議される。 2021年4月26日、広島県議会政治倫理審査会の3回目の会合(非公開)が11人の委員が出席して開かれ、河井夫妻から現金を受け取ったとされる県議13人が説明する場を5月18日に開き、広島県民へ説明責任という点で報道陣に公開(WEB配信や一般公開はしない)することを全会一致で決定。政治倫理審査会 中原好治委員長が、1人20分程度で、現金を受け取った場所や状況などについて質問する形式で行われる。質問内容は審査会で詰めた上で、議員に事前に通告する。質問内容は検討中で、委員長の案では受領に至った経緯や今後の対応などを想定している。中原委員長は県議13人に、説明責任の重さを十分自覚し、政治倫理審査会で広島県民に納得いただける説明をしっかりすることを求めている。 2021年5月11日、河井疑惑をただす会が5月18日に開かれる広島県議13人に対して聞き取りが行われる広島県議会政治倫理審査会を、インターネット配信など何らかの形で中継し一般公開するよう求める要望書を広島県議会中本議長と審査会中原委員長宛てに再度提出した。4月に同様の要望書を提出したが回答がなかったため再度の提出となった。 2021年5月18日、広島県議会政治倫理審査会の3回目の会合(報道陣にのみ公開)が広島県議会棟の委員会室で開かれ、検察が自民党系の広島県議13人を1人ずつ呼び出し入室させ、中原好治委員長(広島県議)が現金受け渡しの状況など事情を聴取した。県議会が現金受領の経緯などを当事者に聞くのは初めて。対象の県議には事前に質問内容が伝えられていたため用意した原稿を読み上げるだけで、質疑はほとんど行われなかった。1人につき1人20分の予定だったが1人5分程度であった。13人全員が現金の受け取りを認め、大半が謝罪や反省の言葉を述べた。公職選挙法違反にあたる恐れがあると認めたのは9人で、違法性の認識を明確に否定したのは2人だった。辞職を表明した県議はいなかった。中本隆志広島県議会議長は「本人が出てきて皆さんの前でお話をさせていただいた。自分の今の気持ちを伝えたこのことは一応成果があったのではないかと思う」とコメントした。 2021年6月14日、広島県議会政治倫理審査会の4回目の会合が開かれ、前回の審査記録の取り扱いについて協議し公開することを決定した。中原好治委員長「審査会の記録は原則、非公表だが、審査会を(マスコミに対しては)公開で行ったことを踏まえ、記録を公開する。」。近日中に広島県議会事務局で全文を閲覧できるようになる。 2021年8月2日、政治倫理審査会6回目の会合が非公開で開かれ、オンライン形式で出席した地方自治に詳しい明治大学の牛山久仁彦教授から、政治倫理条例の意義などの説明があり判決とは切り離した結論が必要、検察審査会の動きなど司法の判断が今後進んでいくなか、政治倫理審査会は住民感情と乖離しないように判断していく必要があると指摘を受けた。次回の会合は8月20日に開かれ、13の議員を処分するかどうかなど審査会としての結論に向けて協議する予定。 2021年8月20日、政治倫理審査会7回目の会合が非公開で開かれ、県議13人について「公正を疑われるような金品の授受」を禁じる県議会政治倫理条例に違反していると認定し、一律で「文書警告」の措置にすべきだとの結論をまとめた。辞職勧告がふさわしいという意見もあったが、東京地方検察庁が不起訴としたことから、最終的に全会一致で「文書警告」となった。次回会合は9月3日開催を予定し、報告書が了承されたら、広島県議会 中本隆志議長に提出する。報告書を受けて、中本議長が13人に対して文書警告を行う方針。 2021年9月3日、政治倫理審査会の最終会合が非公開で開かれ、河井夫妻議員から現金を受け取った県議13人全員について政治倫理条例に違反したとして「文書警告が適当」とする最終報告書を採択した。中原好治委員長は出処進退については本人が判断していくこととした。会合後、報告書は広島県議会中本隆志議長に提出された。中本議長は、報告書を県議13人に通知し、意見を聞いたうえで文書警告をする。広島県は報告書を意見書提出期限の2週間を経過したのち公開する。 2021年9月24日付けで広島県議会中本隆志議長は県議13人に対して警告書を発送した。広島県政治倫理条例に基づく広島県議会政治倫理審査会が実施した調査や議論の経緯をまとめた報告書の公開も始まった。
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