対馬の繁栄と日朝外交とは? わかりやすく解説

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対馬の繁栄と日朝外交

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 22:48 UTC 版)

対馬府中藩」の記事における「対馬の繁栄と日朝外交」の解説

対馬全島検地1661年寛文元年)から1664年寛文4年)にかけて実施されたが、その際には4尺8寸の検地竿用いられた。そして、田・畑木庭(こば、後述)も厳重に調べ一切土地をいったん収公したうえ、あらため農民均分し、1年ごとに用益者の交替を行うという均田割替の制が実施された。 外交面では、鎖国体制のなか、朝鮮通信使迎えるなど日朝外交仲介者としての役割果たしたまた、日朝それぞれの中央権力から釜山倭館において出貿易許されていた。現在の釜山市対馬人びとによってつくられの町から発展したのである柳川一件以来日朝外交体制整備され府中以酊庵いていあん)に京都五山禅僧輪番赴任して外交文書管掌する「以酊庵輪番制」が確立するなど幕府統制強化された。1663年寛文3年)には、対馬藩により5基の船着き場造成されており、「お船江跡」という遺構として当時のつくりのまま保存されている。 対馬府中藩は、当初肥前国1万石を併せて2万石格であった幕府朝鮮との重要な外交窓口として重視し初代藩主宗義智以来対馬府中藩国主10万石格として遇した。しかし、山がちで平野少な対馬本国では稲作ふるわず、米4,500石、麦15,000程度収穫であり、肥前国の飛領を除くと実質的に無高近く、藩収入朝鮮との交易よるものであった対馬では、作付面積のうち最も多いのは畑で、それに次ぐのは「木庭」とよばれる焼畑であり、検地では「木庭」も百姓持高加えられた。また、石高制に代わって「間高制」(けんだかせい)という特別の生産単位採用された。 対馬行政区域は、城下府中厳原)のほか、豊崎、佐護、伊奈三根仁位、与良、佐須、豆酘の8郷に分け、郷ごとに奉役があり、その下に置かれごとに下知役土着の給人家臣から任じられまた、には在郷足軽より選ばれ肝煎血判などの村役人置かれた。農業生産乏し対馬では、後述するイノシシ狩りのほか甘薯栽培新田開発などさまざまな農業政策積極的に実施された。 17世紀後半には、日朝貿易銀山隆盛から対馬藩はおおいに栄え雨森芳洲陶山鈍翁(訥庵)、松浦沼などの人材輩出した往時宗氏繁栄様子は、菩提寺万松院のみならず海神神社和多津美神社の壮麗さ今日伝えている。1685年貞享2年)には、第3藩主宗義真府中に「小学校」と名づけ学校を建て、家臣の子弟の教育おこなった。これが、日本で「小学校」の名称のつく施設最初であるという。木下順庵門下雨森芳洲対馬招いたのも宗義真であった18世紀初めには、第5代藩主宗義方郡奉行であった陶山鈍翁尽力10年近い歳月をかけて「鹿追詰(いじかおいつめ)」がおこなわれた。それにより、1709年宝永6年)、当時焼畑耕作害獣であったイノシシ絶滅している。これは、5代将軍徳川綱吉によって生類憐れみの令出されているさなかのことであり、鈍翁死罪になることを覚悟して断行したもので、人びとからは「対馬聖人」と崇められた。 なお、1778年安永7年)に家督相続許された第11藩主宗義功1785年天明5年)に第12代藩主となった宗義功同名であるが、これは第11代の義功が将軍御目見前に急逝し、弟を身代わりとして藩を承継させたためである。

※この「対馬の繁栄と日朝外交」の解説は、「対馬府中藩」の解説の一部です。
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