対話宇宙人 メトロン星人
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「ウルトラマンマックスの登場怪獣」の記事における「対話宇宙人 メトロン星人」の解説
第24話「狙われない街」(2005年12月10日放送)に登場。別名は対話宇宙人。 『ウルトラセブン』に登場したメトロン星人と同一の個体。セブンとの戦闘後、北川町で楢崎ケン少年に拾われ、円谷プロダクションの通称「怪獣倉庫」に連れられて彼の父親に「治療(=修繕)」を受けたことで一命を取り留めていた。このため、セブンのアイスラッガーで斬られた中央部分には縫い合わせた傷跡がある。 命の恩人にして現在は刑事となった楢崎と再会した際には固い抱擁を交わしたり、北川町の変化を悲しんだり、近頃の若者を「猿」とこき下ろしたり、お土産に地球のものを色々見繕ったり、巨大化した後も夕焼けに染まる北川町を眺めて「美しい眺めだ」と感慨に耽ったりと、潜伏中の40年間で相当地球に馴染んだ様子がうかがえ、愛着と哀れみの感情を見せる。 携帯電話に高出力の電磁波を流し、地球人の脳の前頭葉を萎縮させて無気力化・凶暴化させることで再度地球侵略を図っていると思われたが、実際にはメトロン星人はすでに地球人は携帯電話などの便利なツールによって低脳化して自滅的退化を始め、放っておいても滅びると見切りをつけて侵略を中断しており、前述の計画はそれを「ちょっと手助けしてやっただけ」であった。カイト(ウルトラマンマックス)にダッシュライザーを突きつけられながらも、それをなだめながら缶入り茶の眼兎龍茶(めとろんちゃ)でもてなし、さらにじゃんけんをしたりと冗談めいたやりとりをした後、巨大化して40年前と同様に暮れなずむ北川町でマックスと対峙する。しかし、前述の走り方で突進するふりだけの足踏みをして街の夕暮れを一瞥すると、「夕焼小焼」のBGMの中、迎えのメトロン円盤に乗って戦わずに母星に帰る。拍子抜けしたマックスは、ただ手を振りながら見送る。 スーツアクター:相馬絢也 人間体・声の出演:寺田農 デザインは丸山浩。メトロン星人のシワシワの体に縫い目をつけるのは、「狙われた街」と同じく監督を担当した実相寺昭雄のアイデアである。 スーツの色は実相寺の要望を反映し、初代を忠実に再現している。スーツ素材も初代と同じくシートフォームを用いている。人間大の時はしゃべっている時だけ電飾を点灯させるため、手動で操作できるようになっている。 劇中では「狙われた街」の映像が挿入され、サブタイトルにも「再登場」と明記されるなど、『マックス』の世界と『セブン』の世界のリンクが見られた。ただし、『マックス』の世界は21世紀になって初めて怪獣が出現したという設定であり、『セブン』と同一世界ではない。脚本を担当した小林雄次は、自身のブログで世界観の矛盾について「これは今回限りの例外」とコメントしている。 前述のように本話は実相寺が監督を担当したため、カイトとメトロン星人のちゃぶ台を挟んだ会話、夕焼けの中で対峙するメトロン星人とマックスなど、随所に「狙われた街」と合わせた演出が用いられている。また、ちゃぶ台を挟むシーンには、実相寺が監修したメトロン星人のフィギュアやアイスラッガーが置かれている。当初、実相寺は第22話「胡蝶の夢」と第37話「星座泥棒」を担当する予定であったが、実相寺の方から「狙われた街」の続編を提案してプロットを作成し、こちらを担当することとなった。 マックスとメトロン星人が対峙したシーンの北川町は、マックスの立っている側がビルやマンションの建ち並ぶ現代の(無機質な)都会、メトロン星人の立っている側が工場や一軒家、古いアパートの残る40年前の北川町とほぼ同じ町並みとなっており、双方が象徴しているものを対比している。 脚本ではマックスとメトロン星人が巨大化した後に激闘するとなっていたが、特技監督の菊地雄一は対話した後に戦うという展開に違和感を感じ、字コンテを用意してスタッフとも打ち合わせたものの実相寺に変更を申し出て、撮影当日には戦わないとの演出に変更された。
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