定義の揺れ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/09 16:13 UTC 版)
麻雀ライターとして知られる馬場裕一は自著の中で、十三不塔は麻雀が日本に伝わった時に勘違いから生じた、本来中国麻雀には存在しない役だったと主張している。それによると、かつて国士無双は十三面待ちだけが認められていた時代に十三么九とも呼ばれていたが、中国の古い入門書では十三么九の牌姿が十三不塔の名で紹介されていたという。すなわち十三不塔はもともと十三么九の別名だったが、日本に伝来した際に「十三不塔」の解釈が分かれ、派生した役だと考えられる。 その後も十三不塔の定義はゆれ続け、主として以下のようなバリエーションを生んだ。 子の13枚の配牌が雀頭なしの完全なバラバラな状態であり、かつ第1ツモで同じ牌を引き、雀頭が完成した場合(親は2.に準ずる) 待ちを問わず、結果的に第1ツモを含む配牌14枚で対子が一つあり、13種の牌すべてが搭子を形成しておらず孤立している場合(現在主流の定義) 子の13枚の配牌の時点で雀頭なしの完全なバラバラの場合(十三無靠とも呼ばれる、親は4.に準ずる) 第1ツモを含めた14枚が雀頭なしの完全なバラバラの場合(十三無靠もしくは十四不塔とも呼ばれる) 十三不塔は今でこそ対子を一つだけ含むという中途半端な定義が主流となっているが、本来は配牌時の13枚すべてがバラバラであることが条件であり、14枚でアガリとするルールでも、配牌の13枚がバラバラで雀頭待ちになっていることが条件だった。この場合、第一ツモで対子を重ねることができたものを十三不塔として認めたが、待ちの形を問われない親が若干有利になることから、配牌時点で対子のある形も認めるようになったという。したがって雀頭が数牌だった場合にも、その数字が他の牌と3以上離れている必要がある。また、1巡目のロン和がりを認めるルールもごく一部で存在する。 一方で、配牌時の13枚が対子すら無くバラバラであればその時点で十三不塔の成立と見なすルールもある(この場合は逆に配牌が14枚ある親が若干不利となる)。こちらは多数派ではないが、書籍によってはこれを十三無靠の名で紹介しているものもあり、十三無靠は十三不塔の別名とも解釈される。しかし14枚でアガリとされるようになった現在では、厳密には両者は雀頭の有無により別の役として区別しうる。 このような定義の揺れや、バラバラという定義から初心者が嵌張搭子を見落としやすいこともあり(数牌は連続しなければよいのではなく3つ以上離れている必要がある)、現在では十三不塔・十三無靠・十四不塔いずれも採用されないことが多くなっている。 十三不塔は古役として名前はよく知られており、昭和末期から平成初期の入門書では大車輪と並んでローカル役としては比較的紹介されることの多い役だった。しかし滅多に出現しない役であることから歴史的に採用状況を検証することが困難になっており、過去においても積極的に採用されていた役かどうかは定かではない。その成立の経緯も誤解という微妙なものだったとして、古役と言っても正式ルールの役ではなく本質的にローカル役の域を出ることはなかったと考える専門家もいる。
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定義の揺れ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/22 14:09 UTC 版)
昆虫食の対象となるイナゴ、ハチ(はちのこが食用される)なども通常は肉と呼ばれないが、『日本食品標準成分表』においては「肉類」に分類される。 屠畜直後の筋肉は、死後硬直のため硬い食感となり、そのまま食用に供することはできない。このため一定の熟成(後述)を経て解硬させてから食用とする。このように熟成による解硬プロセスを経たものについて、生体内の筋肉と区別する意味で特に食肉と呼ぶ場合がある。 食肉に付随する組織を食肉と呼ぶかについて、通常は骨格筋中の血管および神経組織や、骨格筋に付随する皮下脂肪組織および筋間脂肪組織も、狭義の「食肉」に含むものとして取り扱われる。精肉の段階で骨がついている場合(骨付きの鶏もも肉やスペアリブなど)もあるが、このような場合の定義づけについては判然としない。 肉として流通する部位、また骨格筋と皮以外の産物を畜産副生物と呼ぶが、このうち食用のものを可食臓器類と呼ぶ。いわゆる臓物、略称でモツ(モツ肉)と伝統的に呼ばれてきたものである。実際には頭肉や横隔膜(ハラミ・サガリ)のように骨格筋でありながら、これまでの商慣行で内臓の一部とされてきたことから臓物・副生物に分類されているものもある。このような部位は、科学的には食肉に分類されるが、商取引上は可食副生物として流通する。
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