宗教上の死生観とは? わかりやすく解説

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宗教上の死生観

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 02:22 UTC 版)

死生観」の記事における「宗教上の死生観」の解説

バラモン教における死生観には「輪廻」があり、人は何度も転生し、また動物なども含めた生類生まれ変わるとされている。このような再生思想は、農耕民族によくみられるものであり、輪廻概念も元は先住民ドラヴィダ人のものであったといわれている。輪廻思想は、古代インドにおいて、多く思想家、またウパニシャッドによって業(行為)の思想と結びつけられ、高度に理論化されて、ヒンドゥー教仏教にも継承され東南アジア世界東アジア世界における死生観にも大きな影響あたえてきた。なお、インド起源宗教においては、肉体は単に霊魂容れものにすぎないみなされるところから人の遺体火葬されるが、ユダヤ教キリスト教イスラーム教儒教などにおいては基本的に土葬され、火葬禁忌とされる中国においては、伝統的に死後生前同様の生活がつづくものとい考えがある。儒教死後の世界対し言及することに比較淡泊であったため、おもに道教祭祀から考慮すると、そこでは「明器」と称される現実使用される道具一連のミニチュアや紙でつくった貨幣などが副葬される。また、秦の始皇帝陵墓附設された「兵馬俑」には、秦始皇死後皇帝護衛するための実物大陶製兵士副葬されており、そこでも死後は生の延長上にあるという発想みてとれる朝鮮半島における王陵発掘成果からは、死後は生の延長上にあるという中国発想はむしろほとんどみられない古代エジプト人々にとっては、死はむしろ新たな人生への始まりであったセト殺されイシスによって蘇った農耕オシリス復活をなぞることによって、ファラオもまた復活できると信じられていた。「オシリス化」は、初めファラオけができるものとされていたが、時代が下ると庶民まで広がった死後の世界ドゥアト呼ばれこの世と同じ生活を送れるその世界で肉体を得るためには遺体ミイラ化することが必要と考えられていた。死者冥界通過するためには幾多試練を受けねばならず、それを無事に通過できる呪文伝えるためにピラミッド・テキストen:Pyramid Texts)や『死者の書』などが書かれた。 ユダヤ教キリスト教イスラーム教においては、人は死んで永遠に墓のなかに眠るのではなく最後の日には呼び戻され審判を受け、永遠の生命与えられる者と地獄墜ちる者とに分けるという「復活」の思想がある。そのため、上述たように遺体を焼くことは禁忌であり、むしろ破門死刑上の重罪みなされる異端魔女への極刑火刑であったゆえんである。 日本においては死んだらどこへ行くかについて、『日本書紀』根の国古事記には黄泉国という表記表される地下世界があり、イザナギイザナミまつわる話がよく知られている。これは、ギリシャ神話オルペウス類似していることが、つとに指摘されている。死後の世界は、昔の日本では黄泉路黄泉の国と言われて来たが、仏教普及してからは、死後の世界イメージ教義極楽習合しキリスト教教義一般的に普及する天国とも混同されるようになった仏教教義においては因果応報説にもとづいて生前善い行いしたものが行とされる死後の世界極楽天国)と、悪い行いしたものが行世界地獄)は別々であることが、明確に分けられた。 また、死後の世界がどこにあるかについて、日本民俗学では、山中他界説、山上他界説、海上他界説などの説明をしている。 なお、死の寸前まで行って甦った人の体験談数多く出ていて、そうしたものを総合して臨死体験というが、本当の「死」は本人には絶対体験できないのであるその意味臨死体験は「死にかけた」体験というのが適切であり、死後の世界説明する根拠には乏しい。

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