宇宙怪獣 バイラス
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「ガメラ対宇宙怪獣バイラス」の記事における「宇宙怪獣 バイラス」の解説
イカをモチーフとした知的宇宙生物で知能指数は2500に達する。企画当初では「ゲッソー」という名がつけられていた。決定名「バイラス」の名称は、『週刊少年マガジン』、『週刊ぼくらマガジン』両誌上での公募による。公募賞品は特賞が「金十万円の奨学金」、「マガジンカップ」、「双眼鏡」などで、5人の当選者が発表された。しかし湯浅憲明によるとこれは「やらせ」だったといい、実際は「2倍、4倍」と巨大化することからつけられたものだったという。本作以後、『ガメラ対深海怪獣ジグラ』(1971年)まで、シリーズの敵怪獣の名は、同様に『マガジン』誌で公募された。昭和43年3月17日の『週刊少年マガジン』巻頭グラビアではバイラスの出身が「ドンガル星」になっていた。 本編タイトルでは「宇宙怪獣」とされ、本作のポスターや劇場用予告編では「分裂怪獣」とテロップ表記されている。のちに『宇宙怪獣ガメラ』(1980年)が公開された際に、ガメラを「宇宙怪獣」とうたってしまったため、バイラスは強制的に「水中怪獣」と名称変更されてしまった。公式ホームページでもこの「水中怪獣」に変更表記されている。正確には「宇宙怪獣」であり、「バイラス星人」という宇宙人である。アメリカではバイラスは「イカのような怪物」という名になっている。 足(触手)は6本あり、イカのような吸盤を持ち、先端はゾウの鼻のように把握力を持っていて、この触手を使って直立できる(ゾウの鼻の一万倍の握力を持つとされる)。眼は人間に似ており一対、まぶたは下から上に閉まる。口部はくちばし状。頭は三つの花弁状に分かれているが、一つにあわせると硬化し槍状になる。水中および空中を、イカのように水平に滑走して槍状の頭部で攻撃する。槍状の頭部は非常に硬く、ガメラの腹甲や1メートルの鋼鉄を貫くほどの威力を持つ。2019年から複数ヶ所で開催された、撮影造形物等の展示会「特撮のDNA」では、公開された企画段階の絵コンテに、バイラスが人間を食べ(体内の人間達はまだ生きており変身合成袋に収容されている)、触手の先端内部にコイルの様な器官を持ち(図解によると宇宙空間飛行発射線)、頭部から電撃状の光線を発射している場面があった(頭部基部にはスーパーキャッチ光線放射袋が、その下には脳波コントロール装置貯蔵袋が存在)。 当初は「ボス」(本体)だけが3メートル程度の「バイラス星人」の姿でいたため、子供たちに「宇宙動物園に送られる生物」と誤認された。「バイラス星人」として活動している際にはほぼ等身大だが、複数に分裂した個体が復元合体して巨大化することが出来る。バイラス円盤の「1号機」も「2号機」も、「ボス」の声は若山弦蔵である。 生命維持には窒素が必要で、そのため大気に窒素が豊富に含まれる地球に目をつける。自らを「宇宙で最も優秀な生物」と豪語し、「他の生物は不要」とさえ言い切るほどの自信家である。ガメラの腹部を突き抜いて、勝利したかに見えたが、絶大な生命力を持つガメラは(バイラスが刺さったまま)回転飛行で遙か上空に上昇。バイラスは低温下で凍り付き、身動きがとれなくなる。そのまま高速回転したガメラから振り落とされ、動けないまま海上に墜落して砕け散る。 このバイラスにガメラが腹を突き抜かれ串刺しにされる描写は湯浅によると、前作までで一通り怪獣同士の戦いのアイデアが出尽くしたので、「今度は刺すか」ということで採り入れたもの。「安い予算で撮らせやがってというスタッフの腹いせの気持ちも多分にあったかもしれない」と述懐している。この場面は劇場では子供たちから悲鳴が上がったそうである。『ガメラ対大魔獣ジャイガー』や『宇宙怪獣ガメラ』にも映像を流用し登場する。
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