奈良県大峯山頂遺跡出土品とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 文化 > 国指定文化財等データベース > 奈良県大峯山頂遺跡出土品の意味・解説 

奈良県大峯山頂遺跡出土品

主名称: 奈良県大峯山頂遺跡出土品
指定番号 474
枝番 00
指定年月日 1991.06.21(平成3.06.21)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 考古資料
ト書
員数 一括
時代区分 奈良平安
年代
検索年代
解説文:  大峯山は、奈良県南部位置する山上さんじょう】ヶ岳【たけ】、弥山【みせん】、八経ヶ岳など大峯山諸山総称で、古来から出羽三山英彦山ひこさんとともにわが国山岳宗教聖地とされ、その信仰奈良時代から現在まで、修験道の展開とともに連綿と受け継がれている。諸山はこうした歴史反映して山岳信仰関わる遺跡各所残されているが、なかでも大峯山寺本堂所在する標高一、七二〇メートル山上ヶ岳頂上は、修験道開祖役小角えんのおづぬ】が蔵王権現ざおうごんげん】を感得した聖地伝えられる信仰の中心であり、湧出岩【ゆうしゆついわ】周辺磐座群【いわくらぐん】には、今も古代祭祀痕跡うかがえる
 本件一括は、昭和五十八年から六十一年大峯山寺本堂重要文化財)の全面解体工事に伴う地下調査、および裏行周辺の遺跡踏査出土したのである地下調査は、現本堂外陣から内陣にかけて行われその結果本堂正中線上に平安時代後期にまで溯る護摩炉一基数回にわたる本堂建て替え拡張を示す整地痕跡石組遺構など検出された。遺物多くは、この護摩炉跡の灰層および元禄時代目される整地土層中から出土した
 本遺品は、金造を含む仏像類五躯分、懸仏かけぼとけ残欠二七面分、銅板経【どうばんきよう】残欠八枚分、銅鏡一一六面分をはじめ、法具類、飾金具類の残欠など、多様な種類遺物構成される。これらは、仏像類・銅鏡銭貨など現本堂下の、「竜【たつ】ノ口【くち】」を中心とした磐座ないしは旧本堂への奉賽品と、銅板残欠ガラス製を含む二一七箇もの経巻軸頭きようかんじゆくとう】など、山上営まれ経塚納置品に由来するもの、および鈴・玉類・宝塔ほうとう】や荘厳【しようごん】金具残欠などに分けられ、その多く火中した痕跡をとどめ、変形受けている。
 このなかで金造阿弥陀如来坐像【きんぞうあみによらいざぞう】、金造菩薩坐像【きんぞうぼさつざぞう】各一躯は、念持仏性格の強い小像であるが、高純度の金が使われており、その容貌、製作技法などから平安時代中期所産目されている。また銅鏡は、瑞花鴛鴦八稜鏡【ずいかえんおうもんはちりようきよう】、瑞花文五花鏡【ずいかそうようもんごかきよう】、草花円鏡【そうかちようもんえんきよう】などの完形品一四面を含み、その種類構成栃木県男体山出土品相通じるものがある。これらは、古墳時代に溯る鈴杏葉すずようよう一箇例外として、その過半奈良時代から平安時代所産であり、これに懸仏残欠など一部それ以降にまで降るものが含まれる
 たび重なる本堂羅災建て替えによって、本来の位置留めている遺品少ないが、大峯山上にもたらされた、信仰直接関わるものとして、またわが国山岳信仰実態をみるうえで、その価値は高い。



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「奈良県大峯山頂遺跡出土品」の関連用語

1
30% |||||

奈良県大峯山頂遺跡出土品のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



奈良県大峯山頂遺跡出土品のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
文化庁文化庁
Copyright (c) 1997-2025 The Agency for Cultural Affairs, All Rights Reserved.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS