大井川水力発電史とは? わかりやすく解説

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大井川水力発電史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 04:32 UTC 版)

大井川」の記事における「大井川水力発電史」の解説

大井川河川開発において欠かすことができない歴史として、水力発電がある。 1902年日英同盟成立し日本とイギリスの関係はより親密になったこれを機にイギリス資本日本経済にも影響及ぼし始めた大井川でも1906年明治39年)に日英両国民間資本による水力発電事業計画された。この際日英水力発電株式会社日英水電)」の設立向けて準備が行われたが、1911年明治45年)にイギリス資本撤退し日本単独での事業となった同年日英水電設立され大井川水系初の水力発電所として小山発電所認可出力1400 kW。現在は廃止され撤去)の運転が開始された。当時木曽川天竜川などで電源開発が盛んであり、より充実した電力事業展開するために電力会社合併繰り返された。大井川水系関連では日英水電1921年大正10年)に早川電力吸収合併され、その早川電力1925年大正14年)に東京電力現在の東京電力とは全く異なる)に合併し、さらに発展して大井川電力となった昭和に入ると大井川水系においてもダム式発電所による水力発電が行われるようになった1927年昭和2年)、大井川本川源流部に田代ダム完成し田代第一発電所認可出力:6800 kW)・田代第二発電所認可出力:21000 kW)が稼動した。この田代ダム富士川水系早川の保利ダム導水をしており、大井川富士川を跨いだ水力発電が行われた。続いて大井川水系有力な支流である寸又川富士電力によって開発され1935年昭和10年最上流部に千頭ダム完成したのを始め1936年昭和11年)には寸又川ダム完成した因みに千頭ダム戦前において大井川水系最大規模ダムであった。こうして大井川電力大井川水系電源開発強力に推進したが、1938年昭和13年戦時体制進行する中国家による電力統制目的に「電力管理法」が施行されこれに伴い日本発送電日発)が発足全国電力会社強制的に吸収合併させられた。大井川電力富士電力例に漏れず日発吸収された。 敗戦後深刻な電力不足を解消するために電源開発国策として強力に進められた。日発大井川大規模なダム式発電所建設し逼迫する電力需要対処しようとした。当時静岡県河川総合開発事業として「大井川総合開発計画」を推進しており、全国的に河川総合開発進められている中で大井川でも総合開発機運高まった1951年昭和26年連合国軍最高司令官総司令部GHQ過度経済力集中排除法対象となっていた日発分割・民営化させる電力事業再編令を施行し大井川水系の発施設中部電力田代ダム以外の全て継承された。そして日発計画引き続き推進し井川地点奥泉地点ダム式発電所建設計画した中電海外技術顧問団(OCI)にダム技術に関する助言得たが、この中で井川地点については日本初となる中空重力式コンクリートダムによる建設計画された。初の試みであるため当時中空重力式建設が盛んであったイタリア関係者派遣しダム建設に関する技術学んだ。この経験元に建設されたのが井川ダムであり1957年昭和32年)に完成した前年には直下流に奥泉ダム完成していたが、当時全国的なダム建設時代符合して大井川水系でもダム多く建設され出した中電井川ダム上流の畑地点自流混合揚水発電所建設する計画立て1961年昭和36年)に畑薙第二ダム1962年昭和37年)には畑薙第一ダム完成した畑薙第一ダム世界最大中空重力式ダムであり、ダム内部設けられた畑第一発電所認可出力137,000 kW大井川水系最大出力誇っている。 大井川水系水力発電事業は峠を越えその後1990年平成2年)に畑薙第一ダム上流大井川合流する沢川赤石ダム建設されたのが大井川における電力会社管理ダム最後の例となった大井川全体における全発電所の総認可出力715,700 kW純揚水発電所が無い河川では全国屈指である。近年では畑薙第二ダム河川維持放流利用した東河内発電所認可出力170 kW)が2001年平成13年)に運転開始されている。

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