小山発電所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/28 02:38 UTC 版)
日英水電最初の水力発電所は小山発電所である。所在地は静岡県榛原郡上川根村大字奥泉(現・川根本町奥泉、地図)。日英水電により1911年(明治44年)2月上旬に着工され、1912年(明治45年)6月1日より送電を開始した。 小山発電所は大井川のうち大井川ダム(1936年竣工)の下流、寸又川合流点の上流に位置する。大井川が東側に大きく突き出す形で馬蹄型に湾曲する「牛ノ頸」という地点を利用しており、50メートルのトンネルを開削しただけで25メートルの落差を得ている。発電所出力は1,400キロワット。ボービング (Boving) 製フランシス水車ならびに芝浦製作所製700キロワット三相交流発電機各2台を備える。 運転開始当初から洪水被害に悩まされる発電所であり、1912年9月・12月の2度にわたり発電停止を余儀なくされた。1915年(大正4年)3月より移転工事が着手され、翌1916年(大正5年)4月より送電を再開する。移転により発電所位置は若干下流となった。だが移転後も1917年(大正6年)7月豪雨で堰堤が欠損、その復旧後の1919年(大正8年)9月にも豪雨被害で堰堤が再度破損した。早川電力合併後は東京電力・東京電灯と引き継がれて運転が続けられるが、大井川ダム・大井川発電所建設により発電不能となることから開発にあたる大井川電力へと移管の上で1937年(昭和12年)1月に廃止された。
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