哲宗期とは? わかりやすく解説

哲宗期

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 22:00 UTC 版)

新法・旧法の争い」の記事における「哲宗期」の解説

神宗死後、まだ10歳皇太子趙煦が即位して哲宗となる。少年皇帝に代わって政権執ることになったのが、英宗皇后であった宣仁太后高氏である。宣仁太后実家新法被害受けていたこともあり、新法を非常に憎んでいた。 宣仁太后司馬光初めとした旧法党呼び寄せ司馬光尚書左僕射呂公著尚書右僕射宰相元豊の改革によって官名変わっている)とし、保甲法市易法方田法を相次いで廃止元号元祐改まった翌年には、新法党蔡確章惇らを追放し青苗法募役法廃止した江寧隠棲していた王安石募役法廃止聞き大い嘆いたという。また旧法党内部でも、蘇軾・范純仁らは募役法効能認め廃止反対していたが、これが司馬光不興を買い、蘇軾は再び中央を去ることになる。蘇轍また、曾布によって行われた州から中央財務報告上げ時に必ず転運司に整理させてから報告させるようにした改革司馬光が元の州から直接報告させる方式戻そうとした時に反対の上奏を行っている(蘇轍も州から中央への直接報告には批判的曾布似た改革案を持っていた)。王安石神宗親政時代行われた法律方針全国隅々覆されついには王安石神宗親政時代に)西夏から獲得した領土まで返還するということまで行われてしまうまでになる。 この年4月王安石江寧死去。そして9月には司馬光死去してしまう。司馬光新法廃止した段階死去してしまい、結局新法代わる方策打ち出せないままであった。そして旧法党司馬光というリーダー失い内部分裂始める。後を受けた旧法党内部には、派閥として程顥程頤兄弟の洛党(洛陽)、蘇軾蘇轍兄弟の蜀党、それに河北出身者による朔党があったが、特に蘇軾程頤とは学問上争いもあって折り合い悪く何度も衝突していた。 新旧両党の争いは、この時期になると当初政策をめぐる論争という面影無くなり感情強迫観念による権力闘争堕していた。その嚆矢となったのは、1089年元祐4年)の蔡確対す弾劾であった蔡確作った詩が宣仁太后非難する内容であるとされ、流刑となったのである蔡確流刑先で死去)。旧法党でも范純仁らがこの処置反対したが、彼らまでもが処罰を受けるという有様であった。また「新法によって被害受けた」という訴え受け付ける訴理所という役所設置したりもした。これら元祐年間の反新法政策元祐更化と呼ぶ。もっとも、この時期になると、新法党官人わずかながら復権するようになり、一方旧法派では新法派に対して強硬な態度示していた劉摯劉安世らが失脚するなどの動揺みられるうになる1093年元祐8年)、宣仁太后死去。翌1094年より紹聖改元し、哲宗親政が始まる。哲宗は父の神宗崇拝し新法にも大変心寄せていたことから、新法党章惇呼び戻され宰相任命された。章惇同僚曾布蔡卞と共に青苗法募役法などの新法復活させ、「紹聖紹述」と呼ばれる政権運営行っていった。この再方針転換により行政混乱赤字解消され一方で様々な旧法派による陰謀」が告発される疑獄事件おこった洛獄同文館の獄)。章惇たちは、この流れ乗じて看詳訴理局(旧法党の訴理所の新法党版)という役所設け、かつて訴理所に訴え出てきた人物処罰していくなど、旧法党人士への徹底した報復行った。 だが、政権取り返した新法党内部一枚岩ではなく領袖三人章惇曾布蔡卞)が「新法進め方対外政策」をめぐって内部対立組織内派閥争い)を度々おこしてたとする指摘や、新法運用方法においても、王安石時代熙寧年間政策基調に置く考え王安石引退後元豊年間すなわち神宗親政期政策基調に置く考え哲宗はこの考え方立っていた)とのあいだで意見齟齬があったとする指摘もある。

※この「哲宗期」の解説は、「新法・旧法の争い」の解説の一部です。
「哲宗期」を含む「新法・旧法の争い」の記事については、「新法・旧法の争い」の概要を参照ください。

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