劇中の軌跡
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 01:36 UTC 版)
数千年前の魔界で暗黒闘気の生命体として生を受ける。自身の存在を忌まわしいものとして呪っていたが、バーンに見出されて「汝は余に仕えるために生まれてきた」と自身の存在価値を初めて認められて臣下となり、絶対的な忠誠を誓うようになった。 バーンの地上破壊計画のために側近としてかねてより暗躍していたようであり、少年時のヒュンケルがアバンを討ち損ねた際には即座に彼を拾うなど、バーンの警戒対象だったアバンを偵察するなどの活動を自ら行っていた様子が窺える。バーンがハドラーを臣下に加えて六大軍団を結成した際には、バーンの推薦によって魔影軍団長として役職上は総司令であるハドラーの部下となる。軍団長としては当初カール王国の攻略を担当していたが精強なカール騎士団の抵抗を前に大きな戦果はなかった(それを表向きの理由とし、裏ではバランを遠ざけたい思惑があったハドラーによって、超竜軍団にカール攻略を交代させられた)。バルジ島の総攻撃では魔影軍団を率いて参戦。ザボエラ率いる妖魔士団と共にダイ一行を迎撃するも、クロコダイン等の加勢を得たダイ達が反撃に転じると早々に撤退し、戦いの終盤にフレイザードに魔影軍団最強の鎧を与えた程度で、目立った活躍はなかった。しかし、その直後から本来のバーンの腹心としての顔を少しずつ見せるようになる。バルジ島でヒュンケルに敗北しバーンによって復活した直後のハドラーに面会して、バーンからの言葉を伝える際には呼び捨てにするなど、実質的な立場はハドラーと同等かそれ以上であることを示唆する場面が増えていった。 その後、失態を重ねて奮起し自らが超魔生物となる決断をしたハドラーの覚悟に感じ入り、改造手術中で動けないハドラーの依頼を受けてパプニカのサミットを襲撃。宣戦布告の際には「命令する。死ね」「お前たちには一片の存在価値もない。大魔王バーン様の大望の花を汚す害虫だ」と無慈悲に言い放ち、バーンへの忠誠心と、人間に対する強い敵意を露わにした。この戦いでは魔影軍団に加えて鬼岩城も投入し、自身も陣頭に立ってダイやヒュンケルと戦うが、ヒュンケルに素顔を見られかけた上に、鬼岩城をダイに破壊されるという失態を犯し逆上、バーンに無許可で闇の衣を脱ぎ、その場にいる者たちを皆殺しにしようとする。しかし、現れたキルバーンに止められ冷静さを取り戻し撤退。追跡してきたポップをキルバーンとともに返り討ちにしようとするも、駆け付けたダイに止められる。直後に超魔生物への強化改造が終わったハドラーも現れダイとの一騎討ちとなるが痛み分けに終わり、キルバーンの追跡を受けたポップもクロコダインの救援で取り逃がした。これ以降、武人と化したハドラーと信頼関係を深めることになるが、後にハドラーがダイ・バラン親子と戦った際、敗色が濃くなったハドラーをダイたちもろとも黒の核晶で吹き飛ばすことをバーンが決めてしまう。苦悩も見せるが最終的にはバーンの命令を優先し、交戦中のハドラーたちの前に現れて闇の衣を脱ぎ、黒の核晶を起爆した。結果、ダイを庇って爆発を受けたバランは死亡し、ダイたちもバーンが自ら赴いての戦いで圧倒し追い詰めるが、爆発に耐えて生き残ったハドラーの離反によりダイたちを逃がされ、袂を分かつ。ハドラーが魔王軍を去った後は魔軍司令となり、バーンの危機を救った手柄により魔軍司令補佐となったザボエラを直属の部下とするが、ハドラーへの敬意は残っておりザボエラが彼を卑下した際には激怒していた。 最終決戦のミナカトールの攻防戦では、集まった人間たちをザボエラや魔界のモンスターたちとともに迎え撃つが、彼らの予想外の健闘やロン・ベルクの参戦もあって苦戦を強いられる。やがて魔界のモンスターたちは全滅し、バーンを守るために大魔宮に戻るが、先に体よく逃げ帰ろうとしたザボエラを「たまには自分の手足を動かせ」と見捨てて残していった。 大魔宮の戦いでは、ダイ、ポップ、マァムの前に現れ、ダイを先に行かせようとするポップやマァムを苦も無く捻り殺そうとするが、駆け付けたラーハルトやヒュンケルらに阻まれ、彼らを一人で相手にして戦う。最初は光の闘気に目覚めたヒムに相性の悪さを突かれ圧倒されるが、闇の衣を剥いだ姿となり逆に彼らを圧倒、唯一の希望であるポップのメドローアもフェニックスウイングで弾き返して彼を消し去り、マァムたちを絶望させるが、キルバーンとの戦いに勝利して駆け付けたアバンの加勢により正体を暴かれかける(消し去ったと思われたポップも、アバンにより救出されていた)。同じ頃、ダイと交戦していたバーンも危機に陥り、預かっていた肉体を返却し本来のミストの姿に戻る。 バーンに肉体を返した後、ミストは一時的にマァムに取り憑き、次いで本来の目標であるヒュンケルに乗り移ろうとした。彼の精神の中を移動している際に最期の会話を交わし、「今まで何度も殺そうと思ったが生かしておいてよかった」「ヒュンケルは武器であり道具」と哄笑をあげ、ヒュンケルの魂を消滅させ肉体の支配権を得ようとする。だが、ミストの意図を何とはなしに察知していたヒュンケルは事前に魂に光の闘気を溜め込んでおり、魂に接触した瞬間に発した光の奔流に飲み込まれ、ヒュンケルの名を叫びながら消滅した。ミストの肉体に対する執着と渇望、そしてヒュンケルとの因縁を聞いていたヒムは、その最期を「本望だろう。長年かかって鍛え上げた理想の身体の中で死ねたのだから」と評した。
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