全線4車線化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 22:22 UTC 版)
高松市以西の区間については、1987年(昭和62年)および、1992年(平成4年)の開通当初から4車線で供用されていたが、のちに開通した高松市以東の区間については、暫定2車線(対面通行)による開通となった。 そして、1998年(平成10年)4月5日に明石海峡大橋が開通したことによって、香川県東部から京阪神方面への交通が、それまでの瀬戸大橋経由から明石海峡大橋経由に大きくシフトし、また2002年(平成14年)7月21日に、鳴門IC - 板野IC間が開通したことにより、当路線が神戸淡路鳴門自動車道に直接接続すると、香川県と京阪神を結ぶ高速バスも明石海峡大橋経由に経路変更されるなど、当路線の高松市以東は京阪神方面へのメインルートとしての性格を強めていった。 ところが、高松市以東の区間は暫定2車線供用であったため、対面通行が交通事故の原因となった重大事故(正面衝突)が多発、また帰省ラッシュが発生するお盆や年末年始など、交通集中期には県境をまたぐ大坂トンネルを中心に激しい渋滞が発生し、高速バスも定時性が確保できないなど、メインルートとしてその需要に応えきれない状態が続いた。また、4車線化の目安となる一日当たりの交通量1万台も全線で超えており、香川県など地元自治体は、早期の4車線化を要望していた。 そのような中、2009年(平成21年)4月27日に開催された第4回国土開発幹線自動車道建設会議で、鳴門IC - 三木町と高松市の境界までの4車線化が盛り込まれた。 しかし、その直後の同年8月30日、第45回衆議院議員総選挙により与党である自由民主党が敗れ、民主党へ政権交代したことにより、「コンクリートから人へ」というマニフェストのスローガンに準拠する形で、建設費約680億円が見込まれる当路線の全線4車線化は凍結された。この時、香川県はすでに地方負担分を計上した補正予算を議決済みだった。 その後、日本国政府による検証の結果、高速道路料金の割引財源を転用して4車線化を整備する方針が示され、関連法案が国会に提出されたものの結局廃案となり、予算が確保できなくなった4車線化は再び不透明な状態となった。そして2012年(平成24年)4月6日、「渋滞は経済的損失が大きく、東日本大震災の教訓もある」という当時の前田武志国土交通大臣の説明によって、ようやく凍結は解除され、施工と凍結で二転三転し、政治に振り回された形となった当路線の4車線化はようやく決定された。 凍結解除時点で、4車線化事業を行う全線の用地取得は全て完了しており、総事業費650億円で全線4車線化の工事を進め、暫定2車線区間の解消に努め、2019年3月8日に全線4車線化された。 鳴門IC - 高松東ICにおける対面通行区間(開通時) 区間キロポスト延長構造物(長さ)鳴門JCT - 鳴門西PA 101.6KP - 107.6KP 6.0 km 大谷トンネル(456 m) 板野IC - 白鳥大内IC 111.3KP - 119.7KP 8.4 km 南唱谷トンネル(603 m)、北唱谷トンネル(684 m)、大坂トンネル(2,032 m) 121.3KP - 127.4KP 6.1 km 白鳥トンネル(696 m) 白鳥大内IC - 津田東IC 129.2KP - 134.9KP 5.7 km 津田の松原SA - 志度IC 137.2KP - 144.6KP 7.4 km 津田トンネル(977 m)、志度トンネル(564 m) 志度IC - 獅子の里三木BS 147.5KP - 150.8KP 3.3 km 三木トンネル(783 m) 4車線化に伴い、国道11号 高松東道路の自動車専用道路区間となっていた津田東IC - 三木町と高松市の境界間について高松自動車道と位置付けることとされたため、前述のとおり、2017年11月21日に編入された。なお、旧高松東道路区間も標識では「高松自動車道」と案内されていた。
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