健田による「綿ふき病見聞記」とは? わかりやすく解説

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健田による「綿ふき病見聞記」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/01 16:51 UTC 版)

綿ふき病」の記事における「健田による「綿ふき病見聞記」」の解説

健田は約半年後の同年7月中央公論社発行する月刊科学誌『自然Nature』へ、綿ふき病人為的なもの作為よるもの主張する綿ふき病見聞記」と題した10ページに及ぶ所説発表したこの中で健田は自身目撃したN農婦観察経過と、同じく自身経験した国立福知山病院での出来事引き合い出しつつ、いくつかの否定的見解述べている。例えば綿が動物体内作られる可能性について、赤木仮説として挙げた綿毛のもとになる若い細胞が、人体内に寄生して盛んに分裂増殖して綿になる」という説に対して次のように反論している。バクテリアなどの微生物糸状菌などが体内増殖するのとわけが違い高等植物の綿が太陽光のない皮下組織の中で、しかも成熟した繊維がわずか数時間出来上がるというのは考えられない。 さらに、人体内で短時間作られる繊維成分として血液凝固する際にできるフィブリンを例に挙げ、その生成過程複雑さから、人体程遠い植物繊維である綿を仮に人体内で合成しようとするなら、それ相応膨大な機構構造人体側が備えてなければならない。だがそのような機構構造確認されていない。その理屈から考えて人体内で植物繊維生成される可能性はほとんど考えられない主張した。 その一方で、綿が外から挿入されていると仮定するなら、説明できない数々疑問一挙に解決するとして、次に挙げる3つの疑念提示した第一に、N農婦創口から排出した綿の顕微鏡写真認められる細胞多く多核白血球(膿球)ばかりであるという点である。創口毎日数回にわたり消毒ガーゼ交換受けており、しかも敗血症予防のため多量抗生物質使用されている。それにもかかわらず綿は雑菌包まれた状態で常に体内から出てくる。この現象外部から絶え雑菌汚れた何かが挿入されているとしか考えられない第二に、綿の繊維特有の年輪様のリング認められる点についてである。綿の繊維成長過程太陽の光浴びている間は色が濃く沈着し夜間薄くなる性質があり、これがリング状に見えるため、結果的にリングの数が成長日数を表すことになる。しかし数時間ほどで作られるという創口から排出される綿には20上のリング確認できる第三に、自身経験した国立福知山病院での経験に基づく、患者監視体制上の問題である。この3つ目が健田の疑念大きなウエイト占めている。福知山事例では、夜間の看護師同室時と非同室時との比較による推論から、患者本人による作為的なものと断定されたことは前述した。健田は2例の患者置かれ環境違いについて、福知山国立病院であって患者隔離比較的容易であるのに対し実際に訪れて確認した田尻医院ではその点が極めて不完全であると指摘した具体的に日中田尻医院は非常に多忙で、田尻院長夕刻になると津山自宅帰宅するため、夜間少数勤務員のみになることが多い。N農婦の夫は会社員勤務が終わると一旦自宅戻り夕食済ませてから病室訪れ、N農婦とともに宿泊早朝午前4時頃に帰宅し朝食済ませて会社出勤するのが日課になっているという。つまり、夜間は完全なプライベート時間ということになり、この間観察行われていないことになる。少なくとも誰にも気づかれないように綿を挿入する時間的余裕存在するこのように健田は作為説主張したが、それと同時に綿ふき病肯定する田尻赤木真面目さや熱心さは否定しなかった。それは一度会えばわかることで、一時的ではあったが良心疑問感じたのは手紙やり取り行き違いよるものであった、と述べている。そして、真面目さと熱心さだけではすべての真実解明できない多忙な個人病院では患者監視体制不備がある、真実解明するためには勤務医充実した大病院収容するべきだ、と訴えた

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