健胃薬・胃腸薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/10 01:02 UTC 版)
「一般用医薬品の種類と有効成分」の記事における「健胃薬・胃腸薬」の解説
消化不良、食欲不振、胃の痛み、胸焼け、腹部膨満感などに効果を発揮する。以下の成分が用いられることが多い。 制酸成分 中和反応により胃酸の働きを弱める成分で、解熱鎮痛薬で胃を荒らすのを防ぐために風邪薬、頭痛薬に用いられることも多い。また、アルミニウムを含んでいることで、安全性が問題視されることがあるため、同成分配合では長期連用を避けた方が良い。また、アルミニウムは止瀉薬、マグネシウムは瀉下薬に用いることがあるので、同様の副作用を招くことがある。炭酸水素ナトリウム 胃酸との中和反応により食塩を生じるため、透析患者には禁忌、高血圧症には慎重投与となっている。 酸化マグネシウム 水酸化マグネシウム 合成ヒドロタルサイト リン酸水素カルシウム メタケイ酸アルミン酸マグネシウム ボレイ 制酸だけでなく、粘膜保護作用も持っている。 健胃成分 唾液や胃酸の分泌を促し、弱った胃の働きを高める。主に生薬成分が使用され、芳わしい匂いを持つ芳香成分と苦みが強い苦味成分のものがある。味覚と嗅覚を刺激するために、オブラートで包んでは効果をまるで発揮しない。 苦味の強い成分 オウバク オウレン センブリ ゲンチアナ ニガキ ガジュツ 芳香の強い成分 ケイヒ ウイキョウ サンショウ メントール ハッカ油 カンゾウ ニクズク 鼻づまり改善薬(外用)としても用いられる。 チンピ レモン油 他の成分 塩化カルニチン 乾燥酵母 肝臓水解物 消化成分 消化酵素を補う目的で以下の物が使われる。ジアスターゼ タカジアスターゼ ビオジアスターゼ リパーゼ プロザイム サナルミン アスペルギルス・オリゼーNK菌培養末 胆汁末 ウルソデオキシコール酸など。 胃粘膜保護、修復成分 種類は色々あり、各商品ごとの特色となっていることが多い。また多くがスイッチOTCである。アズレンスルホン酸ナトリウム アルジオキサ スクラルファート テプレノン セトラキサート塩酸塩 トロキシピド ゲファルナート 銅クロロフィリン酸カリウム いわゆる「緑の成分」。薬の成分によって便が緑色に着色し、また便臭も減る。 メチルメチオニンスルホニウムクロライド 一般にMMSCと省略される。 アカメガシワ マコンブ 抗炎症成分 グリチルリチン酸二カリウム 消泡成分 体内に溜まったガスを放出する成分で、整腸薬に用いられることもある。ジメチルポリシロキサン(ジメチコン) 胃液分泌抑制成分 ロートエキス 生薬製剤の一つ。乗り物酔い防止薬と併用してはいけない。 ピレンゼピン塩酸塩 H2ブロッカー 現在、H2ブロッカー製剤は第一類医薬品のみである。ファモチジン ラニチジン塩酸塩など。 主な漢方製剤 胃苓湯 半夏瀉心湯 安中散 五苓散 芍薬甘草湯
※この「健胃薬・胃腸薬」の解説は、「一般用医薬品の種類と有効成分」の解説の一部です。
「健胃薬・胃腸薬」を含む「一般用医薬品の種類と有効成分」の記事については、「一般用医薬品の種類と有効成分」の概要を参照ください。
- 健胃薬・胃腸薬のページへのリンク