侵蝕率とロイス・タイタス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 06:28 UTC 版)
「ダブルクロス」の記事における「侵蝕率とロイス・タイタス」の解説
『ダブルクロス』の世界観において、PCが超常能力を使えるのは「レネゲイドウィルス」と呼ばれるウイルスに感染しているからなのだが、このウイルスは様々な要因(シーンへの登場、エフェクトの使用等)により活性化される。この度合いを表す数値を「侵蝕率」と呼ぶ。 侵蝕率は上昇すればするほどPCの能力を強化する。判定に使われるダイスの個数が追加され、エフェクトのレベルは実際の値よりも高いものとして扱われる。しかし、侵蝕率がゲームのクライマックス終了時に100%を超えていると、PCはレネゲイドウイルスがもたらす邪悪な衝動に飲まれて暴走したとみなされ、それ以降は敵対的NPCとなってしまう(日常からの離別)。そこで、ウイルスの活性化を押さえる要素として存在するのが「ロイス」である。 ロイスは通常の人間でなくなってしまったキャラクターを日常に引き止める、他者との絆である。ロイスは、自分にとって重要だと思っている相手の「名前」と、自分のPCがその相手に抱いている「感情」の組み合わせで表されるステータスである。ロイスで表現される感情は友情や愛情といった「ポジティブ」な感情と、恐怖や憎悪といった「ネガティブ」な感情の二種類があり、ロイス取得時にはポジティブの感情とネガティブの感情を1つずつセットで選ぶ必要がある。そして、ポジティブとネガティブのどちらが強く表面に出ているかを決定する。他者への正と負の2つの感情をセットで取得することは、他人との人間関係性を表すロールプレイをより奥深くしている。プレイヤーはキャラクターメイキング時に3人までのロイスを取得でき、ゲームが始まってからは、GMの許可を得ることで任意の対象へのロイスを取得することができる。 クライマックスフェイズの終了後に「バックトラック」という判定行為が行われる。ここでは、その時点で結んでいるロイスの数と同数(もしくは終了後に与えられる経験点の一部もしくは全部を放棄する事によりその2、3倍の数)の10面ダイスを振り、その出目の合計だけ侵蝕率を下げる。その最終的な侵蝕率により暴走化の判定が行われる。 そのためにプレイヤーは積極的に他者との関係を結ぶ事、他者への感情を考える事を求められ、戦闘だけでない多彩な物語を産み出す要素の一つとなっている。 また、ロイス対象者との関係性が劇的に変化する(死亡、離別、対象に裏切られる、または自らその感情を断ち切る等)事により、そのロイスは「タイタス」という要素に変化する。タイタスはいわば「(ロイス対象者との)失われた思い出」を表すものであり、PCはタイタスを使用(「昇華」と呼ぶ)することにより爆発的な攻撃の強化や自らの甦生を行うことが可能となる。タイタスが昇華されることでPCははじめて対象者への執着から完全に解放されたことになる。『DX2』以降のバージョンではロイスとタイタスは合計7つまでしか所有する事ができず、タイタスを昇華してもそのセッション中は枠を埋め続けるため、タイタスが増えるほど所有できるロイス上限は減少する。これにより、現在の侵蝕値を確認しながらの緻密な計算が必要となり、安易なパワーゲームへの移行を抑止している事も本作品の評価の高さの一因になっている。
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