佐藤陣営
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/17 07:55 UTC 版)
「VANILLA FICTION」の記事における「佐藤陣営」の解説
佐藤 忍(さとう しのぶ) 主人公。バッドエンドしか書けない極度にネガティブな小説家。31歳。 小説家としてはデビュー時から注目され、200万部を突破し映画化も決まった代表作『虫くい』を始めバッドエンドものの作品で人気を博し、富も名声も得た順風満帆な人生を送っているが、悲観的な本人は「作風の偏った自分はいずれ飽きられ失業してホームレスになってのたれ死ぬ」と自分の未来に絶望し、他人を妬んでばかりいる。出版社からはマンネリ化の打破のためにハッピーエンドの作品の執筆を要望されているが、佐藤曰く「自分が世界で一番幸せだと思えないとハッピーエンドは書けない」という。 いつも調子のずれた「ご当地面白Tシャツ」を着用して、古く穴の開いた靴を履いている。髪も無造作に長い。趣味は古書収集。考え事をする際、指を鳴らす癖がある。ピンチの際には自分のハッピーエンドは想像できないが、小説家としての洞察力と想像力を用い、相手のバッドエンドを考え誘導することで、自らの窮地を脱することが出来る。 太宰のせいでバスに乗りそびれ、歩いていた際にエリのキーホルダーを拾ってから、悲劇的な非日常に巻き込まれていくことになる。否応無しに牧野エリのパートナーである「指輪の持ち主」となり「双六ゲーム」に参加することとなり、極限まで追いつめられた結果、自身のアイデンティティをかなぐり捨ててでもエリを守ることを決意する。 牧野 エリ(まきの エリ) 天使の羽根のついたリュックを背負った寡黙な少女。感情はほぼ皆無と言ってもよく、子供でありながら殺人現場に出くわしても、泣くどころか決して声を上げない。8歳。 前のパートナーが死んだ際佐藤がその場にいたことから、佐藤を新しい「パートナー」として、指輪を渡す。太宰曰く、エリとパートナーが「とある場所」でクッキーを食べることで世界を崩壊から救うことが出来るらしい。 たまに年相応の子供らしい一面を見せるが、作中でもほとんど喋らない。以前は良く笑いよく泣く子だったらしいが、佐藤以前のパートナーに酷い虐待を受けたせいで寡黙になってしまった。佐藤から暖かい恩義を受けたことから、「自分が佐藤を守る」と誓う。 太宰 治(だざい おさむ) 「双六ゲーム」の進行役の「不死者」。チャラチャラとした青年で、趣味と特技はセックス遊び。 太宰治というのは偽名で、本人曰く何と呼ばれても構わないらしい(一緒に遊んでいたホステスの女性達からは、出会った街の名から「歌舞伎町くん」と呼ばれていた)。太宰の由来は、彼の余りの不道徳さに佐藤が「人間失格だ!」と叫んだことによる。 「双六ゲーム」の進行のために一年前に日比谷公園にこれまでの人類の歴史とゲームのルールのみがインストールされた状態で生み出された。その後もう1人の進行役の男と共に「20XX年7月7日生まれの銀髪の日本人女児」という条件に当てはまる牧野エリを一年かけて探し出して確保し、双六ゲームを始めた。何をされても死なない人外の不死者であり、双六ゲームが決着し役目を果たせば死ぬ存在である。 初対面時に佐藤からサインをねだってバスに乗りそびれるようにさせたが(因みにその後そのバスは事故を起こし乗客全員が死亡した)、実際はちっともファンではなく佐藤の小説は嫌っている。一度は佐藤の自宅の2階から転落して死亡し証拠隠滅のために佐藤に死体をバラバラに切断されたが、その状態から数日で生き返り、佐藤を翻弄しつつ「双六ゲーム」へ導いてゆく。 双六ゲームが決着すれば自分が死ぬことに絶望しており、享楽的に生きているのも実際は死の恐怖から逃げるためである。しかし、宿を貸してくれた老婆の言葉から、絆を得ることが幸せに繋がり得ると考え佐藤に協力することを決意する。
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