代表的な和妻
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胡蝶の舞 白い半紙を破って蝶をつくる。これに扇子で風を送ると、紙でできている蝶はまるで生きているかのように空中を舞う。新たに蝶をもう1匹つくってつがいで飛ばせ(夫婦の蝶)、さらにこの2匹に扇子で風をあてると紙吹雪が舞う(千羽胡蝶)。 この和妻は『神仙戯術』でそれらしきものがすでに紹介されており、『続懺悔袋』には合理的な説明がしてある。 初代柳川一蝶斎が「蝶の曲」として完成させ、現在は帰天斎派と一陽斎派の2つが伝承されている。「胡蝶の舞」は一陽斎派、「浮連(うかれ)の蝶」「蝶の曲」が帰天斎派での呼称となっている。 パスポート取得第一号としても知られる隅田川浪五郎が海外公演で披露し、日本を代表する手品のひとつとして知られた。 袖玉子 着物の袖のような形をした袋から卵が出現したり消失したりする。主に女性に演じられていた。 エッグ・バッグの日本版と考えられる。 ヒョコ 紙でできた人形がひとりでに動くという術。1755年の『仙術夜半楽』で取り上げられている。 お椀と玉 3つ~4つのお椀とお手玉を使う。お椀を巧みに返しながら玉を隠すが、玉は出たり消えたり移動したりする。最後には大きな玉が現れる。 いわゆるカップ・アンド・ボールの日本版と考えられる。お椀返しと呼ばれる動作がところどころで行われるのが特徴。 連理の紙 和紙を12片に切り分けるが、それらが瞬時にしてつながる。元通りの1枚の紙に戻るのではなく、御幣状につらなった形になる。そのあとつながった紙を分裂させ、さらにそれらを紙吹雪に変化させる手順もある。 釜抜け術 1729年の『続たはふれ草』に掲載されている。10代前半の子供を釜に入れて鍵をかけ、さらに風呂敷で包む。しかし、開けてみると子供は釜の中から消失しており、同じことを再び繰り返すとまた出現する。同様の脱出術として葛篭抜けがあるが、これは『盃席玉手妻』に解説されている。 扇子玉子 エッグ・オン・ファンの日本版と考えられる。 『神仙戯術』には、吹紙鶏子(すいしけいし、ふいてかみをけいしとす)として解説されている。 紙うどん 白紙を折って燃やし、燃えかすを手に握って空中に投げると何本もの白い糸に変化して広がる。それをたぐりよせて空の小鉢に入れ、水を注ぐとうどんに変化する。『珍曲たはふれ草』に記されている。 天狗の豆隠し 小豆を3粒用意する。ひとつ取り上げて口で湿らせ、手で握ると消失。同じことを繰り返し、2つ目の小豆も消す。今度は消した2つの小豆を1つずつ出現させる。1742年の『神仙秘事睫』(しんせんひじまつげ)で解説されている。 また、1粒の大豆を5粒に増やす術が『仙曲続たはふれ草』に記されている。 柱抜き 現代でも演じられる「サムタイ」と同様の現象。両手の親指同士を紐か針金できつく縛るが、なぜか柱を貫通して柱を両手の間に入れてしまう。さらにまた外したりする。松旭斎天一の演技がよく知られている。 水芸 水からくり応用。京都大阪に元と成るからくりが存在し、大阪の博多小蝶が曲独楽に水からくりを取り入れた 呑馬術 生きた馬を飲み込む幻術。浄瑠璃、「難波丸金鶏」伏見京橋の段に塩の長次郎の話がある。また江戸の奇談の絵本百物語に出てくる長次郎はこの話を参考に作られた江戸奇談になり手品とは関係がない。 呑馬術、剣呑み、火吹きなども唐代の中国幻術の演目である(武林旧事より) 西鶴の豪華蒔絵は天理図書に存在している、歌舞伎研究に残る呑馬術演じ方の資料は一魁斎京次郎が保管
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