事前対策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 09:33 UTC 版)
登山の際に事前に出来る遭難の対策としては、まず第一に山をあなどらないこと、具体的には同行する経験者の確保、またそれのみならず各人が事前の調査を充分に行うことや、各人が必要な装備を持参すること、事前に体力を養成しておくこと、などがある。 グループに最低1名(できれば複数名)山の経験者を確保した上で、リーダー役らが事前に目的地の調査をし、メンバーにその情報や必要な装備を伝えておくことが基本となる。自分の力量にあった山選びが必要で、日本の長野県では2014年に長野県山岳総合センターが長野県山岳遭難防止対策協会の監修により、一般的な登山ルートに対して、無雪期かつ天候良好時の代表的な登山ルート(100ルート)の体力度と難易度による評価(「信州 山のグレーディング」)を行った。 各メンバーは、基礎知識として地形図および天気図の読み方、応急処置法(登山用としては、主として、簡単な止血法、骨折時の添え木の当て方、心肺蘇生法など)を身につけておく必要がある。単独での習得は困難なため、事前にする学習ミーティングなどを開くのが望ましい。できれば、各人が遭難の過去事例について調べ、要因や対処・生還方法について認識を深めておく。 ひとりひとりが、夏であっても必ず充分な防寒具を持参する、(防寒具もかねて)山用のレインウェアを持参する、充分な行動食および非常食を携帯することは基本の遭難対策である。山は平地より気温が低く風も強いので体感気温は低く、(歩みが止まると)刻々と体温を奪われる。充分な防寒具が無いと、簡単に低体温症に陥る。 低体温症では、体温が35度になった辺りから脳機能の低下を引き起こし、判断力が通常ではなくなり、34度以下でほぼ足の左右すら把握できず動けなくなり、32度以下辺りで死亡する。体が冷えると震えで熱を発生するが、その限界点が35度前後で、更に冷えると内臓を温めるために体の震えは収まるが、体表の冷たい血流が内部を巡回する為に、体温低下が加速し、想像を超える早さで内臓機能低下を引き起こす。低体温症の回避には、十分な防寒着および行動食摂取による熱発生が必要になる。 遭難時は動けぬまま夜を迎え夜明けまで低気温を耐えなければならないことになる可能性が高い。真夏でも夜間はきわめて低気温になり、北アルプスや富士山などでは氷点下にもなる。防寒具は山岳遭難時に生きのびるために必須である。使い捨てカイロもいくらか助けになる。さらに、日帰り予定であっても遭難対策としてレスキューシート(アルミ蒸着ビニール製の身体を包む保温用シート)あるいはツェルト(簡易式のテント)のいずれかを携帯しておくと、いざという時に命を救ってくれることがある。 登山では行動食・非常食(チョコレート、飴玉、ビスケットなど)も必携である。これをしっかり携行しているどうかが生死を分けることも多い。 他に応急処置用具を携帯するのも役立つ場合がある。
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事前対策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/20 21:55 UTC 版)
「山形空港まつりスカイダイビング墜落事故」の記事における「事前対策」の解説
イベント前日の8月10日、スカイダイビングを実施する3団体、運輸省の山形空港出張所、飛行機の運用を行う東邦航空、それぞれの代表者による安全対策の協議が行われた。ここでセスナ機の編隊飛行の間隔を通常より広く30mとるなどの対策をとることが決定した。 参加したダイバーは空港祭の3日前に降下の練習を始めた。ただし9名が同時に降下をしたのは、この日が初めてのことだった。
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